ジョージ・A・ロメロが『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に続いて監督したゾンビ映画。ロメロの名を一躍広めた代表作。ゾンビが街を徘徊する世界で安息の地を求める男女4人の姿を描く。
映画『ゾンビ』 作品情報
- 製作年:1978年
- 上映時間:115分
- ジャンル:ホラー
- 監督:ジョージ・A・ロメロ
- キャスト:ケン・フォリー、スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス、トム・サビーニ、デビッド・エムゲ etc…
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映画『ゾンビ』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『ゾンビ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ゾンビ』のあらすじを紹介します。
アメリカでは突如として死者が蘇り生者を襲うという現象が起こり街はパニック状態に陥っていた。そんな中テレビ局に務めるフランと恋人のスティーブンは、SWAT隊員のピーター(ケン・フォリー)とロジャーを伴ってヘリで街から脱出する。郊外にまで続くゾンビの群れを上空から眺めながら、ひとまず大型ショッピングモールへと辿り着く。店内はゾンビで溢れていたが事務所部分は安全であり、物資も十分にあったため4人はここに居座ることを決める。
店内の物資と安全を完全に確保するため、店内にいるゾンビの締め出しを図るピーター達。作戦は成功するがその際ロジャーはゾンビに噛まれてしまう。日に日に体調が悪化するロジャーは、自分がもし死んだら撃ち殺して欲しいとピーターに頼む。そしてついにゾンビ化したロジャーの頭をピーターは撃ち抜くのだった。
残った3人をさらに事件が襲う。徒党を組んだ暴漢たちが物資を求めてモールを襲撃してきたのだ。武器を持った暴漢に加えて折角締め出したゾンビたちもモール内部に侵入し、三つ巴の乱戦が始まる。ピーターとスティーブンは善戦するが、エレベーターに逃げ込んだスティーブンはゾンビに襲われてしまう。生き残ったピーターはフランと共にスティーブンの帰りを待つが、そこにやってきたのは変わり果てた姿のスティーブンであった。ピーターは彼の頭を撃ち抜くと、フランと共にヘリで飛び去っていった。
映画『ゾンビ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ゾンビ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
消費社会の象徴としてのゾンビ
物語の中盤でショッピングモールに辿り着いた4人が行うのは、ひたすらな消費活動だ。日常では労働や生産を経て、さらに多くの場合通貨による交換の末に行われるはずの消費活動が、ここではそれ単独で存在している。誰もいないショッピングモールに整然と並べられた商品は、彼らの消費欲を正面から受けとめる。まるでゾンビが溢れ返り神の消失した世界で、唯一信仰の対象となるのは消費のみであるとでも言わんばかりだ。ゾンビたちもまた同様の存在として描かれる。目的も無く、ただ生前の習慣に従ってショッピングモールに集まってくるゾンビたちは私たち現代人に対する皮肉だ。消費欲は食欲と同様、死してなお残る強烈な欲求だと言うのだ。
ヘリコプターの行方
ラストで生き残ったピーターとフランはヘリコプターに乗ってショッピングモールを去る。フランはスティーブンの子を宿しており、その点では未来への希望を残したエンドに思える。しかし2人が乗ったヘリコプターには十分な燃料が積まれていない。重ねて運転するフランはスティーブンから運転を教わったばかりの初心者であり、果たして目的地まで無事辿り着けるか疑問だ。もし辿り着けたとしてそこは本当に安全な場所なのだろうか。一見脱出という解決で終わるラストだが、その後に待ち構えているであろう困難を示唆するものになっている。
人間はゾンビになってもショッピングモールが大好きなんだなと少し笑ってしまった今作。ゾンビ映画は比較的好きなジャンルなので様々な作品を見ていますが、今作は王道のストーリーでゾンビとはあまり戦うことなく、ひっそりと隠れて乗り切ろうとするタイプの作品でした。
ゾンビの数が多すぎるので、全てを相手にするのは不可能です。もし私がこの世界にいたとしたら、彼らと同じようにショッピングモールの安全な場所で隠れてひっそり生き延びたいと思います。
しかし、そんなに上手くいかないのが映画なんですよね。しっかりとハラハラドキドキさせてくれて緊張感を持ちながら最後まで飽きずに見られました。(女性 30代)
映画『ゾンビ』 まとめ
現在1つの映画ジャンルとして人気があるゾンビ映画だが、ほぼ全て今作の影響を受けていると言ってもいい。中でもショッピングモールに群がるゾンビという設定は見事な組み合わせで、現在でも多くの作品で模倣されている。ロメロは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』で既に現在のゾンビのキャラクターを作りあげていたが、今作ではそれを完成型にまで仕立てあげている。動きは鈍いものの、集団で襲ってくるという数の暴力は他のホラー映画とはまた違った恐怖を感じさせる。ちなみに2004年にはザック・スナイダーによって『ドーン・オブ・ザ・デッド』のタイトルでリメイクされている。こちらはゾンビが走ることでも有名だが、ロメロはこの設定を気に入っていないようだ。あくまでものろのろ歩きで迫ってくる所にゾンビの恐怖の本質があるのだろう。
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次作 死霊のえじき
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