映画『ああ結婚』あらすじとネタバレ感想

ああ結婚の概要:「ああ結婚」(原題:Matrimonio all’italiana)は、1964年のイタリア映画。監督は「自転車泥棒」、「終着駅」など多くの名作を手がけたオスカー監督・俳優のヴィットリオ・デ・シーカ。主演は「ふたりの女」、「エル・シド」などのオスカー女優ソフィア・ローレン。「甘い生活」、「昨日・今日・明日」などのイタリアを代表する名優マルチェロ・マストロヤンニ。

ああ結婚 あらすじ

ああ結婚
映画『ああ結婚』のあらすじを紹介します。

金持ちの紳士ドメニコ(マルチェロ・マストロヤンニ)が若い妻のディアーナを迎えることに浮かれている時に、内縁の妻フィルメーナ(ソフィア・ローレン)が仕事中に倒れたと知らせを受け、突然に彼は不機嫌になった反面、病床に駆けつけ彼女の様子を見てうろたえた。周囲もすっかりパニックになり、挙げ句の果てに神父を呼べなどという騒ぎになる。そしてドメニコはフィルメーナと出逢った戦時中の想い出に浸る。娼館で働いていた17歳で新入りの彼女は、空襲の際、ドメニコとの衝撃的な出逢いをする。戦争が終わったその2年後、偶然に街で出逢った二人はドライブに出かけ、焼け落ちた無人の家に入り込んで結ばれる。闇の商売で儲けたドメニコはフィルメーナに入れあげ、娼館へ足繁く通いデートを重ねた。フィルメーナはドメニコとの結婚を強く望んだが、その要望にドメニコが応える事はなかったが、ドメニコは彼女に豪華な家を買い与え、恋人の関係でつかず離れずの生活が続いた。やがてドメニコの母が亡くなり、知人が集まる席でフィルメーナが世話をしようとするのを、ドメニコは人前に出るなと拒絶し彼女は傷ついた。そのようないきさつがあって二人の中は疎遠になっていたが、フィルメーナの先が長くないと思ったドメニコは、彼女の病床に神父を呼び質素な結婚式を挙げる。しかしフィルメーナは奇跡的に回復し、電話でディアーナと結婚の相談をしているドメニコの背後で毒づいた。開き直った彼女は、ここぞとばかりに22年間の不満をドメニコにぶちまけ罵った。そして3人の息子がいる事を告白し、結婚した証として息子を全て認知するよう彼に迫った。後日、弁護士の許を訪ねたドメニコは結婚が成立するかどうかを立証させ、フィルメーナは本妻になる資格が無いことを知り落胆する。最後の手段として、彼女は散り散りになっていた3人の息子を全て呼び寄せ、自ら母を名乗り、ドメニコに会わせる画策をする。その内の1人が自分の息子だと知ったドメニコは誰が実の息子なのかを追究するも、折り合いがつかないままフィルメーナは出て行った。そしてドメニコに大きな心境の変化が訪れ、それぞれの子供の許を訪ねるうちにフィルメーナとの距離も縮まってゆく。ようやく互いの気持ちに素直になれた二人は晴れて結婚式を挙げ、三人の息子は全てドメニコを「父さん」と呼んだ。22年の苦労が報われたフィルメーナは、心から喜びの涙を流した。

ああ結婚 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1964年
  • 上映時間:102分
  • ジャンル:ラブストーリー、コメディ
  • 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
  • キャスト:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、アルド・プリージ、ピア・リンドストロム etc

ああ結婚 ネタバレ批評

映画『ああ結婚』について、感想批評です。※ネタバレあり

役者の圧倒的なチカラ

マストロヤンニはどんな役でも演じられるオールマイティな名優だが、ここではソフィア・ローレンのじゃじゃ馬っ振りに引けず劣らず、奔放なプレイボーイを演じ互角に渡り合っている。自分の個性は前に出さず、演ずる役の持ち味を充分に噛み砕いたキャラクター作りは、正に役者の鑑みたいな存在である。一方のソフィア・ローレンはどんな役を演じてもソフィア・ローレンそのものであり、画面に登場するや否や存在感がスクリーンいっぱいに花を開かせるような女優だ。その対比的な二人の組み合わせは実に魅力的である。同監督の「昨日・今日・明日」や「ひまわり」でも共演した二人だが、シナリオは異なれど息のぴったり合った演技はこの二人ならではのものだろう。シナリオはどんなものでも、この二人が主演する映画なら悪かろう筈がないという見本のような作品である。

ソフィア・ローレンの嵌り役

本作のソフィア・ローレンは17歳から39歳までを一人で演じており、特殊メイクなのかと思うほどの変身に驚かされる。撮影当時は30歳だったのでこなせたのだろうとは思うが、すっぴん風で出てくる少女時代などはやはり素材の良さが窺える。そして奔放で逞しく生きる娼婦を、これほどナチュラルに演じられる女優はそういないだろう。シンデレラストーリーながらそのキャラクターでドタバタコメディの要素が強いシナリオだが、男のエゴと女の忍耐という部分が強調され、崩れかけた男女の関係が、子供の出現という理由から家族へと向かうところはドラマチックであり、ドメニコの使用人が皆フィルメーナの味方に付いているところも救われる設定である。

ああ結婚 感想まとめ

恋の相手が娼婦というところは「プリティ・ウーマン」を想い起こすのだが、本作は主人公のフィルメーナが22年も殆ど放ったらかしにされた挙げ句、その間に三人の子供をもうけ、泥沼の裁判を経て敗北しながらも、最後には子供のおかげで愛を勝ち取ったという長いストーリーである。正しく”子はかすがい”という見本である。したたかに生きる女性の強さをコミカルに描いた、笑いあり涙ありのバラエティ感に富んだイタリアらしい人情ドラマであり、重くなりがちなテーマをさらりとテンポ良く仕上げたヴィットリオ・デ・シーカ監督の手腕が冴えている。

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