映画『愛を積むひと』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『愛を積むひと』のネタバレあらすじ結末

愛を積むひとの概要:「釣りバカ日誌」の朝原雄三監督が、エドワード・ムーニー・Jrの小説を日本に置き換え映像化。豪華俳優陣が創り出す、大人の愛の物語。第二の人生を北海道で始めた妻が最期に頼んだ願いは、夫の手で石を積む事だった。

愛を積むひとの作品概要

愛を積むひと

公開日:2015年
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
監督:朝原雄三
キャスト:佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平 etc

愛を積むひとの登場人物(キャスト)

小林篤史(佐藤浩市)
東京で町工場を営んでいた男。工場を潰した金で、北海道に移り住む。昔気質の職人肌で、不器用な性格。苦労をかけてきた妻の頼みには、逆らえない。
小林良子(樋口可南子)
篤史の妻。心臓病を患っている。人付き合いの苦手な夫に代わり、工場の渉外と経理を一手に担ってきた。人を信じ、人からも愛される、懐の深い女性。
杉本徹(野村周平)
造園業者のアルバイトの青年。高校を中退し、補導歴がある。母親から蔑まれて育ち、自分に自信が無い。無口で人に心を開かないが、中学からの付き合いの紗英を大切に想っている。
上田紗英(杉咲花)
徹の恋人。上田牧場の一人娘。土いじりが得意。明るく気が利く性格で、小林夫妻にもよく懐く。父親は血のつながりが無いが、関係は良好。
小林聡子(北川景子)
篤史と良子の娘。東京で一人暮らしをしている。不倫相手と揉めた過去を持ち、それ以来篤史とは疎遠になっている。心臓の弱い母を心配し、厳しい父の事も気にかける優しい娘。

愛を積むひとのネタバレあらすじ

映画『愛を積むひと』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

愛を積むひとのあらすじ【起】

北海道美瑛町。初夏の美しい緑が一面に広がる平原に、小さな一軒家がポツンと建っている。かつて外国人の写真家が住んでいたその家には、小林篤史と良子の中年夫婦が東京から移り住んでいた。移住から一年。心臓の弱い良子が時たま東京の主治医にかかり、娘の聡子に会いに行く他は、大自然に囲まれた平穏な毎日だ。

ある日、家に造園業者がやって来た。良子が、石塀を作るために呼んだのだ。言われてみれば、前の住人がやりかけた形跡がある。良子の計画では、家をぐるっと囲む100mの大作業だ。石を積むのは、造園業者のアルバイトと篤史。しぶる夫に駄々をこね、良子はついに、篤史に石積みを了解させた。

アルバイトの徹は、高校を中退した無口な青年だった。目も合わせないが、作業は真面目に取り組んでいる。良子は同じく愛想の無い篤史をけしかけ、次第に、徹も一緒に昼食をとる仲になる。相変わらず口数は少ないが、小林家のシャワーを借りるまでになった徹。

しかし、徹には悪い仲間が付きまとっていた。徹が東京から来た夫婦の家で働いていると知り、彼らが札幌まで出かける日を狙って、空き巣に入る。すると、そこへ良子が予定外の帰宅をした。物陰に潜んでいた徹と顔を合わせるかというその時、仲間が良子を突き飛ばす。良子が失神している間に二人は逃げ、良子は後から帰宅した篤史によって病院に運ばれた。取り調べに、犯人の顔は見なかったと証言した良子。検査入院から戻った二人を、徹と、徹の彼女・紗英が待っていた。紗英は、恋人がお世話になっている恩を返す為、家事を手伝うと言う。断ろうとする篤史を止め、良子は承諾した。そして、徹の目を真っ直ぐに見つめて、石積みを続けると約束させた。

愛を積むひとのあらすじ【承】

良子は、徹と紗英を本当の家族のように可愛がっていた。実際、紗英が娘の聡子に重なって見える事もある。しかし、娘と折り合いの悪い篤史には同意できなかった。篤史は、不倫の末に相手の妻を自殺未遂まで追い込んだ娘を、いまだに許す事ができていない。

その年の良子の誕生日祝いには、もちろん徹と紗英も招待された。篤史念願の、庭でのバーベキューだ。十勝岳を眺め、若かりし頃の思い出を語る良子。もう一度登りたかったという彼女に、来シーズン、石堀が完成したら皆で登ろうと提案して励ます篤史達。しかし、良子の心臓は既にかなり悪く、心臓移植をしない限りもう永くはない事を本人だけが知っていた。

お祝いの夜、紗英と徹は良子にブランケットをプレゼントする。篤史からのプレゼントは、ひと粒の真珠だ。結婚以来、毎年ひと粒ずつ贈られる真珠。親の町工場を継ぎ、金の無い篤史にとって精一杯の贈り物だった。良子は、長年貰い続けた不揃いの真珠達をネックレスにしていた。そして、そのネックレスは空き巣に盗まれ、盗んだ徹の仲間は行方知れずだ。徹と紗英は、寂しそうな篤史達に何も言葉をかける事が出来なかった。

秋になり、良子は倒れた。医者から、次に大きな発作が起きたら危ないと言われていた身だ。良子は、そのまま帰らぬ人となった。葬儀には聡子も駆けつけ、篤史の世話をしてくれる。しかし、父が北海道に残りたいと言うと、為す術もなく東京に帰っていった。父娘のわだかまりは、解けぬままだった。

篤史の生活は荒れ、身なりもかまわず、酒浸りになっていた。そこへ、紗英が訪ねて来る。良子直伝の味噌汁をふるまった紗英は、篤史に一通の手紙を渡した。良子が、事前に紗英に預けていたのだ。自分に何かあった時、篤史が独り北海道に残る事になったら渡してほしいという頼みだった。良子は、篤史が一人暮らしになり、荒れた生活になる事を心配していた。身ぎれいにして、外に出て、友達を作ってほしい。そして石を積んで、空から自分が見えるような立派な石塀を作ってほしい。手紙には、そう綴ってあった。

愛を積むひとのあらすじ【転】

徹が、警察に連行された。空き巣を持ちかけた仲間が、また強盗をして逮捕されたのだ。篤史の元には、ネックレスが返ってきた。しかし、篤史は裏切られたショックから、紗英にまで普通に接する事が出来なくなっていた。ネックレスを妻の仏前に備え、今年のひと粒も添えようと引き出しを開ける。すると、そこには再び良子からの手紙があった。

空き巣に入られた夜、良子は、徹の顔をしっかりと目にしていた。その事実を心にしまっていたのは、徹にとって、石積みを続ける事こそが罪を償い更生するチャンスになると信じていたからだ。ネックレスを取り戻し、空き巣の犯人が誰かわかっても、犯人を責めないでほしい。それが、手紙を書いた良子の願いだった。

篤史は、仕事をクビになり社宅も追い出された徹を引き取った。徹は、良子と篤史の気持ちに応えるため、休む間もなく働いた。しかし、徹にはもう一つ解決しなければいけない事があった。紗英が妊娠したのだ。紗英は子供を産みたがったが、母は許さず、何より徹との関係を断ち切らせようとしていた。徹自身も、自分の母が自分を疎んじていたように、金も仕事も無い、なんの価値もない男が紗英に子を産ませていいわけが無いと感じていた。

すっかり自信を無くした徹を励ましたのは、篤史だった。石積みに必要なのは、立派で形の良い石だけじゃない。いびつで欠けた石こそ必要な場所もあるのだ。篤史は、徹を連れて紗英の家に向かう。上田牧場だ。紗英の義父・熊二は、娘の出産を応援する気でいた。しかし、徹の存在は認められない。それでも、徹は熊二にすがりついた。徹と紗英の熱意に押され、熊二は、徹を石狩の牧場に送り出す。一年間の、跡取り修行だ。

それ以来、熊二は酒を持って篤史を訪ねる仲となっていた。冬は石塀づくりも中断だ。熊二に促され、古いアルバムをめくる事になった篤史。可愛かった聡子の子供時代を辿っていくと、そこには再び良子の手紙が挟んであった。良子もまた、昔を懐かしんでアルバムを開いていたのだ。彼女は、幸せな人生だったという。その中で、たった一つの心残りが聡子の事だ。確かに娘は過ちを犯したが、それで父の愛が消えて無くなるわけではないだろうと、良子は信じていた。しかし、それを聡子に伝えられるのは、篤史しかいないのだ。

冬が終わり、篤史は東京を訪ねていた。かつての仕事仲間から、結婚式に招待されたからだ。北海道に戻る前、聡子のアパートを訪ねる篤史。聡子は今、妻を亡くした子持ちの男と交際していた。もうじき娘を迎えに恋人が来るから、会って欲しいと頼まれる篤史。しかし、彼は飛行機の時間を理由に、そそくさと聡子の元を去ってしまう。聡子に渡すつもりだった真珠のネックレスと、篤史が書いた手紙は、そのまま良子の仏前に戻された。

愛を積むひとのあらすじ【結】

石堀が完成した。完成したら、十勝岳に登るのが良子との約束だ。十勝岳は、かつて篤史が良子にプロポーズした場所だった。良子の写真と共に、山頂を目指す篤史。しかし、篤史は気づけば病院に運ばれていた。山の天候が急変し、雨で足を滑らせ崖下に転落したのだ。

篤史を見舞う、上田父娘。聡子も、知らせを聞いて東京から駆け付けていた。娘を前に、何と声をかけたらいいか悩む篤史。そんな父に、聡子は首に巻いたストールを外して見せた。その首元には、良子のネックレスが輝いている。聡子は、篤史が一日中目を覚まさず、両親の家に一泊していたのだ。そこで、母の仏前に供えられた紙袋を見つけた。中にはこのネックレスと、不器用な父の、自分を想う精一杯のメッセージを記した一筆箋が入っていた。いつか恋人とその娘を、北海道に連れて来いと言う篤史の目には、涙が浮かんでいるのだった。

良子からの最後の手紙には、篤史への感謝がいっぱいに綴られていた。自分のわがままで、北海道まで越してきてくれた事。石塀づくりに励んでくれた事。命の終わりが迫っても、夫が石を積み続けてくれると思うと、不思議と寂しさは感じない。篤史の優しさは、周りの人達皆を幸せにしてくれるだろう。下積みの石が新しい石を支えるように、自分達は次の世代の為に、最期の最期まで石を積み続けていこう。

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