映画『あの子を探して』あらすじとネタバレ感想

あの子を探しての概要:1999年製作の中国映画で監督はチャン・イーモウ。田舎の小学校に代理教師としてやってきた13歳のミンジが、生徒のホエクーが出稼ぎに行くため学校に来なくなったことを知り連れ戻そうと町へ行き奮闘する物語である。

あの子を探して あらすじ

あの子を探して
映画『あの子を探して』のあらすじを紹介します。

ある田舎の村の小学校の話である。
担任のカオ先生はお母さんの看病のため1カ月休職することになった。
その代理教師として赴任して来たのが、13歳のミジンだった。
自分が帰ってくるまで生徒を一人も減らさなかったら自腹で10元追加するという。
校長から50元で連れてこられた普通の少女ミジンはもちろん教師ではない。
こんな田舎の学校には誰も来たがらないのだ。
授業はほぼ自習。
ミジンは後ろの席に座ってただ見ているだけだった。

ある日クラスの生徒のホエクーが来なくなった。
どうやら親の借金を支払うため町に出稼ぎにいったと言う。
ミンジは町まで行って連れ戻すことに決めた。
生徒に町までのバス代を聞いたところ往復9元だと知る。
生徒の持ち金と合わせてもバス代が無いミンジは、レンガ工場でアルバイトが出来る情報を仕入れる。
そこで15元稼ぎ出し、6元でジュースを買い皆で飲んだ。

バス停についてみるとバス代金が本当は20元5角だという事実が判明。
稼ぐ方法も見当たらない生徒とミンジはただ乗りしようと試みるがあえなくばれ、ミンジは山の途中で降ろされてしまう。
仕方なくそこからは歩いて向かうことに。

町に着いたミンジはホエクーの母親から聞いていた共同宿舎を訪れる。
しかしそこに彼の姿は無かった。
ホエクーと同じ車で町に来たジメイという少女に居場所を聞くも、駅でいなくなったと言う。
とりあえずジメイの案で迷子放送をかけてもらった。
しかし手掛かりはない。

次にTV局で人探しの放送をしてもらったらどうかとアドバイスをもらい、早速向かう。
しかし見ず知らずのミンジを簡単に入れてくれるわけはない。
3日間TV局の前で局長を探し、直々にお願いしょうとしているということを知った幹部はそのことを局長に伝える。
そして遂に局長から了承を得ることができた。

放送が始まり、たまたま飲食店の前にいたホエクーに気が付いた店主が教えてくれる。
そして再会することが出来た2人。
TV局の車で取材を受けながら村に戻るのだった。
TVのおかげで寄付金が集まり、チョークなどを買うことができた。

あの子を探して 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1996年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:チャン・イーモウ
  • キャスト:ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン etc

あの子を探して ネタバレ批評

映画『あの子を探して』について、感想批評です。※ネタバレあり

簡単に言うと生徒を探す話

本作品はタイトル通り「あの子を探して」である。
見ると納得できるが、出稼ぎに出た生徒をひたすら先生が探し出すのである。
それ以上でもそれ以下でも無い。
一見つまらなそうなのだが、質素で地味で何とも心地よい。
さすがチャン・イーモウ監督である。
こんなに面白くない題材を見事に映画にしてしまった。
中国版プライベート・ライアンとでも言うべきか。
しかし段々とその世界観に引き込まれ、再会できた時にはぐっと来てしまう。
静かに見ることが出来る映画である。

ミンジの目的の変化

最初は生徒を減らしたら10元もらうことが出来ないという目的で必至だったに違いない。
しかし探しているうちに気持ちが変わっていったのだろう。
最後のTV局で呼びかけるシーンは弟を探しているような優しい気持ちになっているのが見ていてもわかる。
この心の動きを見せてくれる手法がチャン・イーモウの技である。
ミンジに心がほだされているのは生徒だけでは無い。

中国の農村教育の実態

カオ先生が休職するからと連れてこられたのがただの13歳の少女である。
当然授業などできるわけもなく、自習と言い見ているだけの授業なのだ。
日本ではそんなことはまずありえない。
さらにミンジは校長先生から50元支払うと言われるものの、一向に賃金をもらうことが出来ない。
ミンジが掛け合ってもノラリクラリと適当に交わすのである。
子供相手だからといって、農村の小さな学校だからといって教育者のトップがそれで良いわけがない。
このあたりは非常に苛立ちを覚えるシーンが多かった。

あの子を探して 感想まとめ

中国映画のヒューマン映画はドキュメンタリーなのかと思うほど質素で素朴なものが多い。
この実態を描きたいのか、それともこのような描写が好きなのかそれは不明だが、人の気持ちの変化を撮るのが非常に上手である。
表情だけで汲み取れるように演出が施されていて、その描き切れていない裏側をも想像して感動することが出来てしまう。

本作品もただの人探しであるのにも関わらず、大掛かりなドラマにしてしまったのは流石。
中国の知らない農村部での苦労や生活を垣間見ることが出来る作りになっており、ある種異文化コミュニケーションを勉強しているようなそんな感覚である。
見たままではなく、その画から何かを感じ取る。
独特の感性であるが、それが美しい中国映画を作り出している。

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