映画『バイロケーション』あらすじとネタバレ感想

バイロケーションの概要:2014年に公開されたサスペンスホラー映画で、表・裏とエンディングが違う2種類がある。監督は安里麻里、主演の水川あさみは、一人二役を演じた。原作は日本ホラー小説大賞を受賞した、法条遥の長編小説。

バイロケーション あらすじ

バイロケーション
映画『バイロケーション』のあらすじを紹介します。

OLを辞め、プロの画家を目指す桐村忍は、下の階に越してきた高村と恋に落ち結婚した。
一人暮らししていた部屋をアトリエ代わりにし、コンクールに向けて絵を描きながら家事もする日々。
ある日、すれ違う人々の視線が妙なことに気が付き、夫も忍そっくりな人を彼女がいるはずもなかった場所で見かけたと言う。
そして買い物中に偽札使用の疑惑をかけられ、ひとりの刑事に突き出されてしまう。

だがその刑事に連れて行かれたのは、大きな鏡や不気味な人形のある屋敷。
そこで”バイロケーション”というもうひとりの自分が、大切なものを奪っていくという話を聞かされる忍。
半信半疑だった忍だが、刑事の加納のバイロケから襲われ、会に加わる決意をする。
メンバーはリーダーの飯塚、刑事の加納、主婦の門倉、大学生の御手洗、高校生の加賀美。

やがて加納のバイロケの悪意が暴走を始め、犯罪を起こしたことをきっかけに、加納が命を落としてしまう。
それをきっかけに、オリジナルとバイロケとの戦いが始まってしまい、忍はアトリエにひきこもる。
御手洗と門倉の中で、バイロケの被害のない飯塚に対する不信感が募っていく中、忍と門倉の目の前で御手洗が襲われ、門倉がバイロケに殺害されてしまう。

飯塚に呼び出された忍は、加賀美から予想だにしなかった真実を聞かされることになる。

バイロケーション 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー
  • 監督:安里麻里
  • キャスト:水川あさみ、千賀健永、高田翔、滝藤賢一 etc

バイロケーション ネタバレ批評

映画『バイロケーション』について、感想批評です。※ネタバレあり

無理が多い設定とストーリー

バイロケーションを、理不尽な上司に対する悪意から作ってしまった刑事の加納、難病の息子を守りたいという強すぎる愛情から作ってしまった門倉の2人が、バイロケーションによって命を奪われるのはわかりやすい設定だ。
だが主人公の忍は、絵に集中したくてインターフォンには応答したくないというきっかけで、玄関先で将来の夫になる勝と会話をしているのにもかかわらず、オリジナルが気が付かないというツッコミどころが存在している。
御手洗のバイロケ発生原因や和解に至った経緯、加賀美の口元の大きな傷も謎のまま放置されており、意味深な映し方をしておいてそれはない、というストーリー。

肝心な部分の、高村忍と桐村忍、どちらがオリジナルでバイロケなのかという部分も、粗が多くて何度見ても納得できない部分が増えるだけ。
表と裏の2作品とは言いつつも、ラスト2分の桐村忍と高村忍の行動が違うだけで、妊娠していたためにバイロケの高村忍が生き残れたというラストは無理やりすぎる。
「オリジナルとバイロケに差異はない」という加賀美の台詞も、このエンディングによって台無しになっている。
また、バイロケを愛してしまった飯塚がバイロケとの共存を望むと言いながら、結局は加納殺害の手引きをしていた設定もツッコミどころだ。

演出がバイロケのルール設定を台無しに

バイロケが出現する際の不気味な目の動きや、作中で独特の雰囲気を放っている人形など、作品自体の今までの映画にはあまりなかった作風はひきつけられるものがある。
オリジナルとバイロケとの間にもきちんとしたルールが存在し、バイロケは鏡に写らないがオリジナルの記憶や傷は写し取ることが出来る。
しかし完全ではない、という宣言もされていて、思い込みの怖さも表現している。

だが最初のシーンで水溜りに映ったバイロケの忍と勝のシーンが第三者視点の演出になっているなど、それなりの雰囲気が出ればいい、と感じられる場面も多い。
また、どちらがバイロケかを悟られないようにしながらヒントを入れる演出なのか、「タバコを吸っていないはずが味が残っている」という忍の台詞には違和感しか感じられない。

バイロケーション 感想まとめ

眉唾ものではあるが実際に報告例があるとされ、現れると死期が近くなるという伝説のドッペルゲンガーとは違って、自分の強い意志で作り出せるものという説の”バイロケーション”、別名”一身二ヶ所存在”を扱ったホラーサスペンス映画。
最初のシーンで、海外の教会のような場所でひとりの女性のバイロケーションが出現するのは、報告例のひとつに挙げられているフランスの教師エミリー・サジェをモチーフにしたと考えられる。

もしも自分の強い感情からバイロケーションが発生し、大切なものを奪いに来るとしたら…という設定は面白いのだが、「『シックスセンス』を超える結末」というキャッチフレーズでハードルを高くし、ストーリーの緻密さに欠けてしまったという残念な作品。
原作の長編小説は、かなり緻密なストーリーで続編も販売されており、作品の内容に納得できずに読んでみたところ、勝の両親が結婚を許さなかった理由まで判明して細かい部分の謎が解けた。

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