『ブレードランナー』あらすじとネタバレ映画批評・評価

ブレードランナーの概要:「ブレードランナー」(原題: Blade Runner )は、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とする1982年のアメリカ映画。監督は「エイリアン」のリドリー・スコット。主演は「スター・ウォーズ」、「レイダース/失われたアーク」のハリソン・フォード。本作はSF映画の金字塔として評され、1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。

ブレードランナー

ブレードランナー あらすじ

映画『ブレードランナー』のあらすじを紹介します。

2019年。劣悪な地球環境により地球人は宇宙へ進出し、残された人々は人口過密の高層ビルの林立する都市に住んでいた。遺伝子工学から開発された「レプリカント」と呼ばれる人造人間たちが、宇宙開発の最前線で奴隷として過酷な作業に従事していた。レプリカントは、本物の人間と見た目は全く同じだが、家庭や社会での成長過程というプロセスがないため、感情移入をする能力に欠如していた。製造から数年経ち、学習能力は備わっている彼らに感情が芽生え、人間に謀反を起こす事態に進展していた。社会に紛れ込んだ反乱分子のレプリカントを処刑するため結成されたのが、専任捜査官“ブレードランナー”である。

その1人デッカード(ハリソン・フォード)は、ガフと名乗る男に同行され本署に入る。彼は元上司のブライアントに、人間を殺害して逃走したレプリカント4名が地球に侵入したので、彼らを見つけ出せと命じられる。デッカードはブレードランナーの中でも一流の捜査官だった。

デッカードはレプカリントメーカー最大手のタイレル社に向かい、タイレル博士と美人秘書のレイチェル(ショーン・ヤング)に出合う。彼はレイチェルをテストし、レプカリントであることを知るが、彼女は自分がレプカリントであることを知らなかった。そしてデッカードは次第にレイチェルの魅力に惹かれてゆく。

その後、街で捜査を続けるうちレプリカントの手掛かりをつかんだデッカードは、酒場でダンサーとして踊っている女の正体をレプリカントと暴き、人混みに紛れて逃走した女を追って射殺する。隙を突かれレプリカントのレオンに襲われるが、危機一髪の場面でレイチェルの銃弾がレオンの頭を撃ち抜いた。

レプリカントのリーダーであるバッティは、自分の死期を知ろうとタイレル社に訪れ、生き延びる術がないことを嘆き社長を惨殺。やがてデッカードはレプリカントの潜伏先であるアパートに踏み込み、マネキンに扮し不意を突き襲ってきた女レプリカントのプリスを銃殺する。最後にデッカードとバッティが対決になるも、死期を悟ったバッティは彼を見逃し、雨の中で静かに自らの寿命を終えた。そしてデッカードはレイチェルを伴い果てしなく続く大地へと旅たった。

ブレードランナー 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1982年
  • 上映時間:116分
  • ジャンル:SF、サスペンス
  • 監督:リドリー・スコット
  • キャスト:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ etc…

ブレードランナー 批評 ※ネタバレ

映画『ブレードランナー』について、2つ批評します。※ネタバレあり

「エイリアン」の作風を引き継ぎ、そしてスケールアップしたリドリー・スコットの名作

2019年と言えばすぐそこへ迫っている近未来の時代設定だが、車が空を飛ぶ時代はいつになるのだろうか?と「バックトゥ・ザ・フューチャー・パートⅡ」を観た時にも思ったのであるが、現代の文明はSF映画の中で描かれる時代背景に遠く及んでない。「エイリアン」との大きな違いは、H.R.ギーガーからシド・ミードのデザインに影響されたというところだろう。シド・ミードはアメリカNASAやフォードというクライアントを持つ工業デザインのオーソリティーである。彼のデザインした車のみがこの映画の未来性を大きく反映している。あとの部分は地球の未来都市というイメージを打破し、酸性雨が舞い落ちる退廃的な近未来都市を、リドリー・スコットお気に入りの新宿の雑多な街を象徴に取り入れて、ロサンゼルスのカオス的な未来都市像を表現している。エンキ・ビラルの作品の世界観を参考にしたというのも頷ける部分である。「エイリアン」では人間の住む街は登場しないが、どこかその作品の空気感が継承されており、暗くじめじめした風景に潜む得も言われぬ不快感が漂っており、現在の社会問題をそのままに科学のみが進歩したら、このような都市が存在しても何の不思議もないだろう。そしてヴァンゲリスの音楽も映画の世界観に大きく貢献している。

『E.T.』の陰に隠れた公開当時

アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存されたという作品にもかかわらず、同じ年に全世界を席巻したスピルバーグの『E.T.』に客を取られ、日本では全く振るわなかったという哀しい運命の上映当時だった。他にも「トッツィー」、「愛と青春の旅だち」、「ロッキー3」など人気作品が目白押しで、本作品は10位以内にもランクされていなかった。憶測ではあるが、本作品の持つ陰湿な近未来設定という内容にも相俟って、「エイリアン」の監督という部分も駆け出しであったがゆえにさほどクローズアップされなかったのかも知れない。主演のハリソン・フォードは「スター・ウォーズ」や「インディアナ・ジョーンズ」のシリーズで人気を博していたにも拘わらずである。制作費2800万ドルで興行収入はアメリカとカナダ併せて3280万ドル。300万ドルほどの利益しか上がっていない。同時期に上映された『E.T.』の制作費は、ブレード・ランナーの半分以下の1050万ドル。売り上げはアメリカだけでブレードランナーの15倍にも及ぶ4億3500万ドル。全世界で8億ドルの興行収入を記録している。日本ではカルト映画扱いされたという哀しい話である。

まとめ

リドリー・スコットも後に「グラディエーター」でオスカーを受賞し、遅咲きながら成功を収め映画界の名士になったが、彼の持つ独特な世界観はやはり万人には受け入れがたい部分も多いと感じる。しかしその世界観に影響された監督も多く、隠れた名作も多く残しているアメリカでも数少ない映画人のひとりに間違いない。本作のような万人受けしない名作を撮れる監督が一体何人いるというのか考えると、商業主義に陥りやすいハリウッドでは希な存在である。年齢を考えるとあまり新作も期待できないが、いつかまた彼がメガホンを取った衝撃作品を目の当たりにしたいものだ。

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