映画『僕らのバレエ教室』あらすじとネタバレ感想

僕らのバレエ教室の概要:「僕らのバレエ教室」は、2004年の韓国映画。3人の男子高校生がひょんな事で始めたバレエ教室。恋や進路に悩む青春ラブストーリー。ビョン・ヨンジェ監督、ユン・ゲサン主演。ドンワン役イ・ジュンギに注目。

僕らのバレエ教室 あらすじ

僕らのバレエ教室
映画『僕らのバレエ教室』のあらすじを紹介します。

高校生活最後の冬休み。進学先を決める試験も終わり、ミンジェ(ユン・ゲサン)は、ダンサーを夢見るチャンソプ(オン・ジュワン)と明るくやんちゃなドンワン(イ・ジュンギ)に久しぶりに会う。ミンジェは数年前に母親を癌で亡くし、たまにしか帰って来ない飛行機の機長をしている父親とは確執があった。
3人が話していると、同じアパートに住む同級生スジン(キム・ミンジョン)の姿が。ミンジェはスジンに片思いをしているが、想いを伝えることができない。

ある日、ミンジェは無免許運転で人を轢きかけてしまう。(実際は酔い潰れた男性がひき逃げされて死亡)偶然、その現場に居合わせたバレエ講師のヤン・ジョンスクに人を轢いたと誤解されてしまう。
また彼女に無免許運転をばらされるのではないかと不安になります。バレエ講師のヤン・ジョンスクは、ミンジェの秘密を口外しない見返りにミンジェら3人を公民館で開講しているバレエ教室へ強引に入会させてしまう。
バレエ教室の初日。公民館には片思いの相手スジンの姿が!ミンジェはラッキーだと喜びます。バレエ教室には、レンタルビデオ屋のドイルやヤクルトおばさんのヒャンジャ、バレエが得意なジョンソクなど個性豊かなメンバーがそろいました。
ミンジェとドンワンは初日から、あわてふためいてばかり。

バレエ教室やレンタルビデオ屋などでたびたび会うようになるミンジェとスジン。2人は急速に仲を深めてゆきます。そんな2人を見て、”ついにヤッたんだな”というドンワンの一言でスジンは怒ってしまいます。優等生のスジンにも悩みがありました。両親の自分への無関心さ、そして動物嫌いなのに済州島の獣医学科に進学すること。
それぞれが悩みながら、3ヶ月後のバレエの発表会を目指して練習に励みます。

無免許運転がきっかけで出会った、父親を亡くしたギテと小児がんの弟。そのギテが働くコンビニが襲われてしまう。ミンジェやレンタルビデオ屋のドイル、ヤクルトおばさんのヒャンジャらの助けで必死にコンビニを守ります。
旧正月。父と親戚に会うが、その場で連判状の話を聞く。”小児がんが感染ると困るからよそへ引っ越せ”という偏見でギテとその弟は引っ越しを余儀なくされてしまう。母親が亡きあと、食事などをみてくれていた義姉の裏切り(”連判状に判を押したわよ”)に激怒してしまう。また鈍感な父親にも腹をたててしまう。
父親は、”お前の好きなレンコンを食べなさい”というが、”違う、レンコンは死んだかあさんの好物なんだよ!”

ミンジェは家を出て、公民館で寝泊まりしながら肉体労働などを経験してゆく。そして迎えたバレエ発表会の日。ミンジェは仕事で一人遅れて会場に入った。みんな笑顔でいっぱいの最高の舞台だった。ミンジェの心の中で何かが変わっていく。

僕らのバレエ教室 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2004年
  • 上映時間:120分
  • ジャンル:青春、ラブストーリー
  • 監督:ピョン・ヨンジュ
  • キャスト:ユン・ゲサン、キム・ミンジョン、オン・ジュワン、イ・ジュンギ etc

僕らのバレエ教室 ネタバレ批評

映画『僕らのバレエ教室』について、感想批評です。※ネタバレあり

韓国の若者への応援歌~悩みと恋愛のあいだ

本作を観ると、韓国の若者の現実に悲観せざるを得ない。日本の若者と比べて、貧富の差が激しく、また病気の子への偏見が強い。本人の明確な目標が見えないまま、大学受験へ駆り立てられているようです。

韓国の若者の自殺率が高いのも、そういった韓国社会独特の風潮や親の押しつけなどにあるのではないでしょうか?誰もが抱える悩みや恋愛を描いていながら、鬱々とした雰囲気が漂う映画です。

共感する点が何もないとはいいませんが、理解できないなと思う点はいくつかあります。例えば、ミンジェの無免許運転がばれそうになった時、偶然、その場に居合わせたバレエ講師が秘密を口外しない代わりに強引に自分のバレエ教室へ入会させるなんてヒドイいと思いませんか?

当たり屋かと思いますよね。また”小児がんの子供がいたら病気が感染るなんて”平然と思っている事に驚きます。知識がないうえに連判状を書いて子供を追い出すなんて、全く人権無視です。観ていてとても悲しくなります。加えて、暴力的なシーンも多い。

本作が韓国で人気にならなかったのもよく分かります。では何故、あえて取り上げるのか?それは、イ・ジュンギの魅力があるからなんです。

繊細でやんちゃなイ・ジュンギの魅力。ブレイク前とブレイク後の秘密がここに

イ・ジュンギは、2004年に「ホテルビーナス」で俳優デビュー。本作は2作目なのですが、やはりというか興業的に失敗作だといわれています。本人としても出番が少なくて物足りない印象があります。ファンとしては、バレエの発表会シーンでもっとイ・ジュンギを観たかったと思います。

しかし、存在感とドンワンのキャラクターはどの出演者よりも光っています。注目シーンは、バレエ教室の初日。レオタードを始めて着るのですが、着方が分からず、ミンジェと一緒にあたふたとし笑いを誘います。またバレエの練習シーンでも、先生に”僕を困らせないで”と言って体に触れられるのを避けたり、とコミカルな演技が面白い。

スジンに”ついにヤッたんだな”と言ってみたり。鈍感なのか鋭いのか、周囲を明るくかき回すのです。イ・ジュンギはコミカルな演技が得意なんです。もし、ドンワンが主人公だったらもっと面白い作品になったのになぁ。本作のくやしさが、大ブレイクした「王の男」(05)女形芸人コンギル役へ繋がるのです。

僕らのバレエ教室 感想まとめ

韓国の若者たちの現実(青春や恋愛も含めて)を描いた作品としては、厳しく悪意に満ちた側面もあります。しかし、少しのことではくじけないのが若者たちの良いところ。イ・ジュンギが演じるドンワンの明るさに癒されて応援したくなります。

本作のくやしさと演技への欲求が次作「王の男」(05)の大ブレイクへとなったのなら、ブレイク前の作品として大変貴重な1作なのではないでしょうか。また日本と韓国の高校生活の違いを発見できますし、どんな悩みも自分だけが悩んでいるわけではないと勇気を持てますよ。

韓国映画は良作でもそうでなくても、文化の違いや問題点を明らかにし、それを超えてゆこうとする反骨精神があります。そんなたくましさは私たちも学ぶべき点だと思います。

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