映画『ブロークバック・マウンテン』あらすじとネタバレ感想

ブロークバック・マウンテンの概要:「グリーン・ディステニー」のアン・リー監督が描く、カウボーイの男達が紡ぐラブ・ストーリー。主演はヒース・レジャーとジェイク・ギレンホール。第78回アカデミー賞で監督賞など3部門を受賞。2005年アメリカ映画。

ブロークバック・マウンテン あらすじ

ブロークバック・マウンテン
映画『ブロークバック・マウンテン』のあらすじを紹介します。

1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンでの羊の世話の仕事を得た、ジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)とインス・デルマー(ヒース・レジャー)が出会う。寡黙なインスと明るい性格のジャックは次第に打ち解けてゆくが、ある晩、2人は一線を越えた関係になってしまう。
互いに1回切りの関係だと言うが、その後も秘密の関係は続いてゆく。やがて、雇い主のアギーレも2人の様子を見て感ずくと、予定より早くブロークバック・マウンテンでの仕事を短縮するのだった。

ブロークバック・マウンテンでの仕事を終えた2人は、再会の約束をすることなく別れた。インスは、アルマと結婚し、子供に恵まれた。一方、ジャックはロデオ乗りで稼いでいた。ジャックもまた、ラリーン・ニューサム(アン・ハサウェイ)と出会い、結婚します。そんなジャックから、葉書が届く。
4年ぶりに再会した2人。気持ちを抑えられず、キスを交わすがその様子をインスの妻アルマが目撃していた。夫の様子に驚愕する妻。更に”今夜は帰らない”と夫に言われ、妻は2人を見送ったあと泣くのだった。
逢瀬を重ねる2人。ジャックは、”俺と一緒に農場をしよう”と誘うが、インスは世間一般の生活を捨てることはできない。インスは幼い頃、父にゲイ・カップルのうち1人が惨殺された現場を見せられたのだ。2人の秘密の関係を誰かに知られてしまったらどんな悲惨なことが起きるのかと恐れていた。

その後、インスは妻と離婚をした。子供と会えるのは月に1回だけだからと、ジャックの誘いを断ります。ジャックは、イニスに会えない寂しさを埋めるようにメキシコで見知らぬ男と関係を持つ。それを知ったイニスはジャックを責めます。
イニスはジャックに葉書を出した。しかし、葉書には”受け取り人死亡”と判が押され戻ってきたのだ。ジャックの妻に電話をすると、”ジャックは事故死した”と言われます。イニスは確信していた。ジャックは殺されたのだと。
ジャックの自宅を訪ねたインスは、ジャックの遺言に従い、彼の遺灰をブロークバック・マウンテンに撒こうとするが許されない。しかし、ジャックの母に部屋を案内され、ジャックの形見のシャツを見つけた。失くしたと思っていたインスのシャツと重ねてかけてあったのだ。ジャックの愛を知ったインスは涙を流す。

トレーラー・ハウスで暮らす、インスのもとへ娘が訪ねてきた。結婚が決まったので、式に出席してほしいという。イニスは、喜び、結婚式に出席することを告げた。そして、クローゼットに大切にしまってある、2人のシャツを見つめ、ジャックへの想いを強くするのだった。
1963年代から約20年間の秘密の恋だった。

ブロークバック・マウンテン 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:ラブストーリー
  • 監督:アン・リー
  • キャスト:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ etc

ブロークバック・マウンテン ネタバレ批評

映画『ブロークバック・マウンテン』について、感想批評です。※ネタバレあり

いくつもの謎がある!同性愛者のラブストーリー。讃美する映画ではない

本作は、ゲイを描いた作品であるが、観客の半数近くに好感度を持って受け入れられています。その評価に期待して観たのですが、とんでもなかった!というのが筆者の第1印象です。友情から恋愛に発展して?のように見える予告編も観ましたが、誤っています。とても確信的に作られた作品です。
まず、カウボーイの2人が出会うシーン。ジャックが、車のミラーを使って遠目で男を見つめています。まるで、男を探しているかの様です。次にブロークバック・マウンテンでの仕事を終えて、2人が分かれたあと、ジャックは嗚咽をもらしながら苦しそうにしています。
泣いてるようにも吐いているようにも見えるのですが、何故そんな行動を取るのか?会えなくて辛い気持ちが堪えきれなくなったからという見方もありますが、筆者には掴みかねます。また時代背景と宗教的な観点から、2人が羊の世話をし、その羊が大嵐や雪で他の羊と混ざってしまうことやコヨーテに羊が殺されたというシーンは2人の運命を表しているようにも思えます。
後半では、再会した2人が”釣りに行こう”と誘い合っています。この釣りという言葉にもゲイの雰囲気がします。個人的には、2人の行動に共感することができませんでした。

1960年代と現代~同性愛者を取り巻く世界はどう変化したのか

アメリカ社会と同性婚についての意識の変化をみてゆきたいと思う。1969年に”ソドミー法”という同性愛禁止条例が施行されていた時代が本作の物語と重なります。その法律に反対し、ストーン・ウォールの反乱という3日間にわたる警察とのにらみ合いもありました。カトリックの教えが根強く、アメリカ各地で差別意識が高まる時代だったのです。
もし、周囲に同性愛者であることが知られてしまったら実際に命の危険があったでしょう。1973年には、ハーヴェイ・ミルクがゲイをカミングアウトした初のサンフランシスコ市長に当選。一気にゲイらしく生きようという機運が高まってきました。そして、2015年6月29日に連邦最高裁で同性婚をアメリカ全州で認めるという法案が可決しました。
同性婚が認められ、法的に彼らの人権が守られるようになるでしょう。しかし、人の心はそう簡単には変わりません。本作のように、”自由に生きたい”と思っても難しいのです。個人的には、不快な気持ち(性的な事を言うなど)を与えないでもらえればいいのですが、テレビ等で観る同性愛者はそんなことおかまいなしでいることが多いですよね。
隠さないでもいいが、そんな態度にどん引きしてしまう人がいることも分かってほしいと思います。アメリカだけでなく、日本でも渋谷区のように同性パートナーシップ条例が認められるようになりました。課題は多いですが、相互理解が進むようになればと思います。

ブロークバック・マウンテン 感想まとめ

本作「ブロークバック・マウンテン」がアカデミー賞の3部門を受賞した時、アン・リー監督が、「最優秀賞を取れないのは、偏見があるからだ」と怒ったといいます。本作の感想や評価がおおむね好印象を持って受け入れられていると知れば、喜ぶでしょう。1つの愛の形として、異性であっても同性であっても変わらないのです。ただあまりにも周囲を傷つけ、苦しむ愛なんです。
2人の考え方や生き方の違いが、2人を引き裂いたのでしょうか?本編をじっくり観てほしいと思います。主演2人の繊細な演技には引き込まれるところもありますが、筆者は2人の行動に共感することはできませんでした。いくら互いを好きでいても、周囲を傷つける行動をしてもいいのか。それぞれの立場で本作を観れば、同性愛者を取り巻く現実への理解や切なさに胸が締め付けられるでしょう。
それこそが、アン・リー監督が異文化を通して見つめた視点として描きたかったものではないでしょうか。

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