映画『ダウン・バイ・ロー』あらすじネタバレ結末と感想

ダウン・バイ・ローの概要:インディペンデント映画の寵児として一世を風靡したジム・ジャームッシュのオリジナル脚本による1986年の映画。カラー映画がもてはやされた時代に、あえてのモノクロフィルムを駆使し、主に若い世代から絶大な人気を博しました。

ダウン・バイ・ロー あらすじネタバレ

ダウン・バイ・ロー
映画『ダウン・バイ・ロー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ダウン・バイ・ロー あらすじ【起・承】

無実の罪で拘留されたDJのザックとチンピラのジャックは、同じ監獄の一室で暮らしています。根っからチンピラで自分を大きく見せたがるジャックと、アーティスト気質でアンニュイなザックは気が合いません。そんな二人の鬱屈とした監獄生活に、ひとりのイタリア人が飛び込んできました。
名前はロベルト。イタリア人中年で、英語もまともに話せない彼こそ、ザックをハメた男でした。
最初こそ怒るザックでしたが、ロベルトのその調子が良く明るく抜けた性格や、片言の英語に毒気を抜かれて、次第に親しみを覚えていきます。

ある日、ロベルトはふたりに脱獄を提案します。
いざやってみると、驚くほどあっさりと、監獄近くの沼地を抜け、脱獄が成功してしまいます。ボート小屋に何とか辿り着き、川沿いを進むことを決める三人でしたが、道に迷った上にボートが浸水してしまいます。
先導していたザックをジャックは責め立て、取っ組み合いの喧嘩が巻き起こるも、ロベルトの仲裁で何とか沈静化するふたり。
そんなこんなで、三人の脱獄珍道中は続いていきます。

ダウン・バイ・ロー あらすじ【転・結】

ジャックが右へ行くと言えばザックは左へ進もうと言い、言い合いになり、ロベルトが仲裁する。野山の獣を狩って、なんとか調理してみても、食べられた味ではない。そんなことを何度も繰り返しながら数日歩き、疲れ切った三人の目の前に、とある店が目に入ります。
「ルイジの店」と銘打たれたそのレストランらしき店に、ロベルトは様子を見てくるとひとりで入っていきます。脱獄犯だとばれるのを恐れるジャックとザックでしたが、ロベルトはなかなか戻ってきません。恐る恐る店に入ると、そこには女主人にもてなされるロベルトの姿がありました。

どういうことだと詰め寄るふたりに、ロベルトは、「恋をした!」と宣言します。女主人のニコレッタは何とイタリア系であり、故郷の話で盛り上がっているうちに意気投合したのだとふたりは頬を染めます。

ふたりの様子にあきれ返るジャックとザックでしたが、久しぶりのまともな食事とニコレッタのもてなしにより、しばし骨を休めます。

翌朝、ロベルトを店に残し旅立ったジャックとザック。
ジャックが右に行くと言えば、ザックは左に行くと言い、ふたりは別れた道で、挨拶もそこそこにそれぞれの道へ向かうのでした。

ダウン・バイ・ロー 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:1986年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:ジム・ジャームッシュ
  • キャスト:トム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ etc

ダウン・バイ・ロー 批評・レビュー

映画『ダウン・バイ・ロー』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ダウン・バイ・ロー

直訳すると、法律からの落ちこぼれ、になりますが、刑務所で使われるスラングでは、親しいやつら、の意味になるそうです。
ところが、諍いの絶えないジャックとザックに、とぼけた仲裁を入れるばかりのロベルトの三人は、ウマの合う三人、という感じではありません。ですが、その様子が見ているほうからしてみると、愉快だったりチャーミングだったりします。その三人の絶妙なバランスこそ、「ダウン・バイ・ロー」なのかもしれません。

トム・ウェイツ

ジャームッシュ映画の特徴として、ジャームッシュ自身が音楽家と交流が多いことから、シンガーの配役が多かったり、使われる劇中音楽のセンスがとても高かったりというのが挙げられます。今作でも、主人公のアンニュイなDJを演じるのはトム・ウェイツ。
「酔いどれ詩人」というニックネームがつけられるほど人気者の彼は、グラミー受賞など、数々の栄光に輝くトップ・アーティスト。そんな彼に、こんなにしみったれた役をあて、音楽好きの観客を喜ばせるあたりが、ジャームッシュのズルいところです。

臭わない白黒映画

今作の特徴のもう一つに、モノクロであるということが挙げられます。美意識の高いジャームッシュの得意技のひとつである、モノクロ映像にすることでクールな印象の映画に仕上がります。
よく考えたら三人、脱獄して沼地を抜けて何日も野山を歩いているわけです。カラーだったらと思うと、恐ろしくないですか?ニコレッタもよく店にあげたな…絶対臭いじゃん…という感想を抱かせない、白黒映画の収まりの良さ。

おしゃれぶりたいそこのあなた、恋人を部屋に呼ぶ際は、ジャームッシュの映画を控えめな音量で流しておくといいですよ。

ダウン・バイ・ロー 感想まとめ

今作は、ジャームッシュ映画の中でも取り立てて内容の薄い作品です。
「三人の男が脱獄して、そのうちのひとりがレストランで恋に落ちる話」以上です。

そんな今作に70点をつけた理由は、居心地の良さに他なりません。居心地の良さってどういうこと?と思われるかもしれませんが、他に表現のしようがないのです。今作を観始めると、ふっと肩の力が抜け、なんなら少しまぶたが重くなります。つまらない映画の呼ぶ睡魔ではない、安眠を呼ぶ映画なのです。
これは、文字で表現しようとすると言葉が足りません。ぜひ、鑑賞して味わってみてください。

Amazon 映画『ダウン・バイ・ロー』の商品を見てみる