映画『フィッシュ・タンク』あらすじとネタバレ感想

フィッシュ・タンクの概要:飲んだくれの母と、暴言を吐く妹と共に生活保護をうけながら暮らすミア。ダンスが好きな彼女の元にある日やってきた母親の新しい恋人によってミアの人生は変わるかにみえたが、それは幻だった。

フィッシュ・タンク あらすじ

フィッシュ・タンク
映画『フィッシュ・タンク』のあらすじを紹介します。

英国エセックス低所得者向け公団に住む15歳の少女ミア(ケイティ・ジャービス)の家は荒れている。シングルマザーのジョアンヌ(キアーストン・ワリング)は酒びたりの無職。妹のテイラー(レベッカ・グリフィス)はまだ10歳なのに煙草を吸い悪口雑言を言いまくる。
自分の殻に閉じこもるミアが唯一自己表現出来るのはダンスだけ。しかし不器用なミアは学校でもトラブルメーカー扱いされ、グループのラスボスと思しき女子生徒に頭突きをして退学処分になって以来、学校に行っていない。唯一の友人だったキーリー(サラ・バイス)もそんな彼女に愛想をつかし疎遠になってしまった。
母親はミアを、悉く邪魔者扱いし、民生委員に頼みミアを特別学校に転校させようとしていた。

このままではダンスも出来なくなってしまう…そんな時、ミアの前に現れたのは、母親の新しい恋人だという、DIY店に勤めるコナー(マイケル・ファスペンダー)だった。
ミアが、ダンスをする事も認め、一人の人間として扱ってくれるコナーには、ある後ろめたい事があった…

フィッシュ・タンク 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:123分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
  • 監督:アンドレア・アーノルド
  • キャスト:アンドレア・アーノルド、マイケル・ファスベンダー、カーストン・ウェアリング、ハリー・トレッダウェイ etc

フィッシュ・タンク ネタバレ批評

映画『フィッシュ・タンク』について、感想批評です。※ネタバレあり

全ては主人公の思い込みから始まる悲劇

主人公のミアは閉塞的な家庭で育った為に、物事を客観的な視野で見る事が出来ず常に『私はこうしたい。自由になりたい。私に同意してくれる人になら好意を示してもいい』と強く周囲に求める生き方をしている。
ミアの生き方は周囲の人間だけでなく両親でさえも圧迫感を感じてしまう。だからこそミアは父親に父親に会いに行っても邪険に追い返され、母親には、こんなモンスターを生んだ覚えはないと毎日罵られる結果となる。
同じ欠点を持つ妹は家の中で罵詈雑言を叫び倒す事になる。

映画冒頭で、ミアは近所につながれている白馬をみて、逃がしてあげようとする。彼女は白馬は衰弱しているだけで自由になれば元気になると思い込んでいるのだ。直接このエピソードは、この映画には関係しないが、彼女がいかに思い込みを周囲に通して生きてきたかという事が判る。

恋愛慣れした男性を見破れない母娘

そんなミアの前に現れたのが、母親の恋人コナーである。
コナーは、痒い所に手が届く男性。恋愛なれした心に芯のある女性であればその素性はすぐに見破れるはずだ。しかし母親がこの通りなのだからミアも見破れない。
ミアの一番の望みであるダンスをさせようとしてくれる。

しかし映画を観れば一目瞭然なのだが、彼女はダンスが上手いわけではない。
コナーは、どうすれば女性のご機嫌が治るか判っている。ただそれだけの話でミアのダンスの採納を伸ばす伸ばさないは二の次なのだ。
次第にコナーはミアの家に居つく様になり、母娘共関係を持ってしまい、その翌朝ミアの家を出て行ってしまう。

辛い事実を知った後に、ミアが知った事

ミアはコナーを追いかけていくと、コナーは既婚者であった事が判る。しかも自分とは正反対の育ちのいい娘が居たのだ。
家族ぐるみで、弄ばれた事に腹を立てたミアはコナーの娘を誘拐し、誤って川に転落させあわや溺死させてしまい、コナーに殴られる。

さらに彼女に追い討ちをかけたのは、親しくなった白馬の持主の青年ビリー(ハリー・トレードウェイ)から、あの馬はもう寿命だから殺したといわれた事だった。
全てはミアの勘違いだった。馬の事もコナーの事も。そこでミアはある決意をする…。

フィッシュ・タンク 感想まとめ

ミアは、白馬が寿命で殺された事と、コナーに殴られた事で、身の上を知り、勘違いと思い込みが自分の人生を狂わせていた事を知る。
そして人生をリセットする為に、家族から離れて一人荷物を纏めて何もいい事がなかったこの町を出て行く。
勿論母親は止めない、だがその時の妹の姿が印象的だ。

『大嫌い!』と叫びながら彼女は去り行く姉にすがっている。妹はついていきたくても、ついていけない。町という名の『水槽(フィッシュ・タンク)』を抜けたくても抜けられないのだ。
自分の中にある弱さを切り離し、一回り大きくなって生まれ変わるミアの姿に、夜明け前の暗い空が一番美しいのを感じる作品でもある。

マイケル・ファスペンダー以外、有名な俳優が出ているわけでもない。
主人公のミア役のケイティ・ジャービスは、ケンカしている所を抜擢されたというのだから異例中の異例だ。

が、この作品がカンヌ映画祭審査員賞に選ばれている所をみると、観る価値はあるのだと思う。

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