映画『コッポラの胡蝶の夢』のネタバレあらすじ結末

コッポラの胡蝶の夢の概要:フランシス・フォード・コッポラ監督がミルチェ・エリアーデの小説「若さなき若さ」を原作に製作した幻想的な作品。自殺を決意した老人が雷に打たれて若返るというファンタジックな内容だが、哲学的要素も強く不思議な余韻が残る。アメリカ・ドイツ・イタリア・フランス・ルーマニアの合作映画。

コッポラの胡蝶の夢の作品概要

コッポラの胡蝶の夢

公開日:2007年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ファンタジー、ラブストーリー
監督:フランシス・F・コッポラ
キャスト:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ララ、ブルーノ・ガンツ、アンドレ・M・ヘンニック etc

コッポラの胡蝶の夢の登場人物(キャスト)

ドミニク・マティ(ティム・ロス)
「言語の起源」について研究している言語学者。70歳の時に雷に打たれ、40歳近く若返ってしまう。さらにあらゆる言語を理解し、未来を予知できる特殊能力まで手に入れ、自分の分身が見えるようになる。そのことで数奇な運命を辿る。
ラウラ / ヴェロニカ(アレクサンドラ・マリア・ララ)
ラウラはドミニクが若かりし頃愛した婚約者。ドミニクに別れを告げて別の男性と結婚し、1年後に子供を産んで死亡した。ヴェロニカは若返ったドミニクが愛したラウラそっくりの女性。彼女も雷に打たれたことで前世の記憶が蘇り、1400年前のインドの少女ルピニやそれ以前の人物となってあらゆる言語を話し始める。
スタンチェレスク教授(ブルーノ・ガンツ)
雷に打たれたドミニクの主治医となり、ドミニクの特異現象を記録していく。第二次世界大戦中に死亡した。
ルードルフ博士(アンドレ・ヘンニッケ)
人間に強力な電流を流すと根源的な特別変異が起こるという仮説を持ち、ヒトラーのもとでその研究をしていた博士。ドミニクに興味を示し、執拗に追いかけてくる。

コッポラの胡蝶の夢のネタバレあらすじ

映画『コッポラの胡蝶の夢』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

コッポラの胡蝶の夢のあらすじ【起】

1938年4月24日。ブカレスト北駅。言語学者として長年「言語の起源」について執筆してきた孤独な老人のドミニクは、この本が完成しないまま死を迎える自分の人生に絶望して自殺を決意する。死に場所を探して歩き出したその時、ドミニクは雷に打たれてしまう。

全身を火傷する重傷を負うが、奇跡的にドミニクは生きていた。主治医となったスタンチェレスク教授は、ドミニクの驚異的な回復力に驚き、詳しい研究を始める。ドミニクは自分を70歳だと申告したが、包帯を外したその姿はどう見ても30代後半にしか見えない。さらに全ての歯が抜け落ちたドミニクの歯茎から、新しい歯が生えてくる。

ドミニクの存在は医学界で話題となり、ナチスドイツもドミニクに強い関心を寄せていた。特にナチスのルードルフ博士はどうしてもドミニクを自分の研究材料にしたいと熱望しており、スタンチェレスク教授にドミニクを渡すよう執拗に迫ってくる。危険を感じた教授は、ドミニクをスイスのジュネーブへ逃がす。

若返ってからのドミニクには自分の分身が見えるようになり、未来を予知する能力まで備わっていた。さらに驚異的な言語能力が自然と身についており、ほとんどの言語を操れた。

コッポラの胡蝶の夢のあらすじ【承】

1941年、「マルタン・オードリクール」という偽名を使ってスイスに亡命したドミニクは、ホテルや下宿を転々としながら執筆活動を続ける。戦況が激しくなる中でスタンチェレスク教授との連絡も途絶え、教授の消息は不明となる。ドミニクはスパイ並みの能力を身につけ、何とか逃げ延びていた。

1942年10月。本来なら74歳になっているはずだったが、ドミニクは若いままだった。ルードルフ博士はまだ諦めておらず、ドミニクを拉致しようとする。しかしドミニクの特殊能力で博士の銃口は自らに向けられ、自分の頭を撃ち抜く。

第二次世界大戦終了後もドミニクはスイスのジュネーブにいた。1955年8月20日。ドミニクは山道で昔の婚約者ラウラそっくりのヴェロニカという25歳の女性と出会う。ヴェロニカが落雷の事故に遭ったことを察知したドミニクは、彼女の救助へ向かう。ヴェロニカはサンスクリット語を話す少女ルピニとなって岩陰で怯えていた。ドミニクはサンスクリット語で彼女に語りかけ、病院へ保護する。

1400年前のインド北東部にある洞窟で瞑想していたというルピニの話を確かめるため、ドミニクは東洋学に詳しい教授たちとともに眠らせたヴェロニカを連れてインドへ向かう。その場所には確かに洞窟があり、中には骸骨となった少女の骨が横たわっていた。

コッポラの胡蝶の夢のあらすじ【転】

その後ヴェロニカはルピニからもとのヴェロニカに戻り、輪廻転生を証明する生き証人として大きな注目を浴びる。ドミニクはヴェロニカの中にラウラを感じており、恋に落ちた2人は静かな時間を求めてマルタ島へ渡る。

2人は深く愛し合い幸せな時間を過ごすが、夜中になるとヴェロニカには再び別の人格が現れるようになる。ヴェロニカは過去に遡って古代の言語を話し始め、ドミニクは彼女の言葉を録音して言葉の起源の研究を続ける。しかしヴェロニカにはその時の記憶がなく、疲労感だけが残る。ドミニクの研究は進むが、ヴェロニカは過去に戻るたびに急速に老け込んでいき、たった2週間で40代後半の容姿になってしまう。ヴェロニカは鏡で自分の姿を見て泣き崩れる。

あと一歩でヴェロニカの過去は原始言語にたどりつきそうだったが、彼女の老化はますます進んでいた。このままいけば彼女は近々死を迎えると感じたドミニクは、本の完成よりもヴェロニカとの別れを選択する。ヴェロニカは本当に年をとったわけではなく、ドミニクと離れれば本来の姿に戻るはずだった。ヴェロニカは“行かないで”と泣きつくが、ドミニクは彼女のために姿を消す。

コッポラの胡蝶の夢のあらすじ【結】

それから数年後の1969年12月20日。ドミニクは雪の降り積もったブカレストにやってくる。ヴェロニカは若さを取り戻し、幼い少女の母親になっていた。ドミニクは彼女のことを想い続けていたが彼女は新しい人生を歩み始めており、その邪魔はできない。密かに撮ったヴェロニカの写真を眺めながら、ドミニクは涙を流す。そんなドミニクを鏡の中の分身は“本を完成できなかった君は敗残者だ”と罵る。ドミニクは鏡を破壊し、自分の分身を殺す。分身はみるみる老け込み姿を消す。

ドミニクは昔よく行った“カフェ・セレクト”へ向かう。客のいない店内に座ると、昔の友人たちが、ドミニクが戻ったことを喜んで集まってくる。ドミニクは友人たちに荘士と蝶の話を聞かせ、これは夢なのだと語る。しかし友人たちは“これは現実で、今夜は1938年12月20日だ”言い出す。ドミニクはいつの間にか白髪の老人になっており、歯が抜け落ちていくのを感じて急いで店を出る。ドミニクが戻らないことを心配したホテルの従業員が店へ電話すると、店員は“さっき来たが奥に誰もいなくてすぐ出て行った、口に手を当てて”と答える。

翌朝。駅前には101歳の老人となったドミニクの死体が横たわっていた。コートの胸ポケットにあったパスポートには「マルタン・オードリクール 1938年4月24日生まれ」と記され、若いドミニクの写真が貼られていた。

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