映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』あらすじ・ネタバレ結末と感想

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日の概要:「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督が、ブッカー賞受賞の「パイの物語」を映画化。出演はイルファン・カーン、スラージ・シャルマ。海で遭難した少年パイとベンガルトラの漂流物語。2012年の米国映画。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 あらすじ

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のあらすじを紹介します。

大学で宗教学を教える、パイ・パデル(イルファン・カーン)を訪ねてきたのはカナダ人の作家(レイフ・スポール)。彼に漂流生活について話を聞きたいと言われ、パイ・バデルは数奇な物語を語り始めた。

1960年。インド、ポンディシェリ。動物園を経営する両親のもとに生まれたパイ少年(スラージ・シャルマ)。本名は、プール・ピシン。愛称は円周率を意味するπ(パイ)だ。少年は動物と人間の違いがよく分からず、ベンガルトラに直接エサを与えようとする一面もあったと言う。そんな彼に父親はトラの本性を見せるのだった。

パイは頭は良いが、学校では浮きまくり。12才の時にキリスト教に出会ってから、イスラム教やヒンドゥー教にも関心を持つ。16才になった時、家族で動物園を売り、カナダへの移住することになった。

ところが、家族と共に乗った貿易船が嵐に遭い、沈没してしまう。家族を失い、1人助かったパイ。避難ボートにベンガルトラが乗ってきたから大変!トラに食べられるんじゃないかという緊張感の中、はじめは離れて生活していたが、ある日、笛とエサで調教する事を思いつく。

どうにかベンガルトラを従わせることに成功。非常用の食料は尽きて、魚を釣るなどして食いつないでいた。ある日、パイはイルカが飛び跳ねる幻想的な夜を体験します。そして、ついに陸地を発見した。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 ネタバレ結末・ラスト

パイとベンガルトラが上陸した島は、ミーアキャットが住んでいて大きな湖があった。昼は楽園で、夜になると死が支配していた。真水が夜になると有毒な水に変わり、沼に来た魚たちを食中植物のように食べてしまうらしい。パイたちはすぐに死の島を離れた。

数日後、メキシコにたどり着いた。しかし、パイは消耗しきっていてもう動けない。海岸に倒れたまま、数時間後に村の人々に助けられたのだった。一方、ベンガルトラは、しばらくジャングルを見つめたまま動かなかった。

そして、ベンガルトラは姿を消した。パイが気が付いた時にはもうどこにもいなかった。パイの脳裏に”生きることは手放すこと”という父の言葉が甦ります。

パイは現地の病院に入院し、日本から来たという保険外交員と面会。漂流生活について話すが信じてはもらえなかったという。実はもう1つの話があり、漂流したのはパイ、パイの母親、コック、そして足を怪我している日本人の船員だった。

漂流生活の中で、まずパイの母親がコックに殺されてしまう。次に、コックをパイが殺したのだった。その話の方がリアルだと思ったのか、保険外交員は第2の話を信じたという。

”君はどちらの話がいい?”

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:127分
  • ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー、ミステリー
  • 監督:アン・リー
  • キャスト:スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、アディル・フセイン、タブー etc

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 批評・レビュー

映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

神のみぞ知る?豊かな宗教観で紡ぐパイの冒険!

この映画を観て、ただのトラと漂流する話かと思っていたら、実はとても深い話なんです!主人公パイの半生を語る、前半部分がやたらと長いですが、ぜひ最後まで観て欲しい。

後で前半は伏線だったのかな、と気づくと思いますが、パイのキリスト教からイスラム教、ヒンドゥー教に至るまでの深い教養と信仰心を持っている点に注目して下さい。

私は宗教に詳しくないのですが、漂流ものにしては驚くくらい、宗教を象徴しているもので溢れています。例えば、水に浸されるという行為は、キリスト教では洗礼を表しています。

またトラやシマウマ、ハイエナ、オラウータンといった動物がたくさん登場します。主人公パイと格闘するトラは、力や権力、知性の象徴です。オラウータンは猿なので、悪意や狡猾さという具合に読み解いていきましょう。

漂流生活の中で、主人公パイは自分の内面と向き合い、自分の力が及ばない自然や神に触れたのではないだろうか。また、ミーアキャットの住む不思議な島で、パイは小さな歯を発見します。

歯の象徴は拷問や殉教。信仰心がない者には死を!と叫んでいるように見えて不気味です。

次に、本編とは別の第2の物語が病室で語られます。そこにもシマウマ、ハイエナ、トラ、オラウータンが出てきます。もし、人に当てはめるとしたら、トラはパイ、オラウータンはパイの母親、ハイエナは意地悪なコック、シマウマは足を痛めた日本人です。

すると、オラウータンをコックに殺されて、パイがそのコックを殺した事になりますね。どちらの話を信じるかですが、これはもう観ている人に委ねられています。

解釈が広がるほど、謎だらけです。最後に漂流した日数が227日とありますが、この数字はどこからでてきたのだろう?主人公のニックネームは円周率のπ(パイ)なので、数学に関係するのだろうか。

意欲的な作品を発表し続ける、アン・リー監督~タブーに踏み込む映画魂!

「グリーン・ディスティニー」(00)や「ブロークバック・マウンテン」(05)と様々なジャンルに挑戦しています。特にマイノリティーに向ける視線が鋭く、一筋縄ではいかない作品が多い。

「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」では、VFXを駆使したリアルで美しい映像、そしてファンタジーな展開に心躍ります!一見、童話のような世界ですが、宗教的観点から観ると全然違う景色が観れるのが面白い。

2つの側面を持つ作品だからこそ、評価が高いのだと思います。アン・リー作品の特徴として、不変的な愛が表現されることが多い。しかし、この映画は謎だらけです。

ある見方では、この映画をM・ナイトシャマラン監督のような”大どんでん返し”だと考える人もいます。そこまでの驚きはなかったが、大人向けによく練られた作品だと思う。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 感想まとめ

この映画には、隠された謎を解く楽しみがあると思う。原作は、ブッカー賞を受賞したヤン・マーテルの小説「パイの物語」です。童話のようでいて、深い精神性に溢れています。

映画では、VFXを駆使して描く嵐や海の動物が生き生きと泳ぐ様子や逃げ出したトラやミーアキャットの住む不思議な島など見どころがたくさんあります。ぜひ、家族で楽しみたい。

難しい宗教的な事柄が分からなくても、映像を観ているだけで面白い!ベンガルトラなんて、とてもCG画像とは思えないほど動きがリアル。イルカが大きくジャンプする、幻想的な夜の風景は巻き戻して何度でも観たいシーンです。

最後に少年とトラの漂流生活は面白かったけど、大人になったパイを演じる、イルファン・カーンの存在感がもう少し欲しかったかも。少年時代を演じたスラージ・シャルマにご苦労様と言いたい。

あなたなら、どちらの話が真実だと思いますか?

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