映画『マーダーボール』あらすじとネタバレ感想

マーダーボールの概要:その熾烈なゲームからこの異名がついた車椅子ラグビー。02年から’04年、アテネパラリンピックまでの米国ナショナルチームの軌跡を追うドキュメンタリー。

マーダーボール あらすじ

マーダーボール
映画『マーダーボール』のあらすじを紹介します。

アテネパラリンピックのメダルを狙う米国車椅子ラグビーチームの面々は揃いも揃って荒くれものだ。

キャプテンのスパンは、交通事故で酒気帯び運転の車に激突した末に、四肢麻痺となった。車椅子ラグビーは彼の行き場のない怒りを発散させ昇華させる絶好の機会でもある。
スパンは事故の前の荒くれた生活に戻りたいとは思わないと語る。四肢麻痺になり車椅子ラグビーと巡りあい得たものは、足が動いていた時とは比べ物にならないと語る。

選手たちが車椅子ラグビーに巡りあったきっかけは様々だ。

ルハノは子供の頃に患った髄膜炎が原因で車椅子生活になっていた。アンディは16の時に起した事故、ホグセットは19の時のケンカが原因で車椅子になった。
が、全員が往々にして、足が動く前の生活に戻りたいとは思わないという。

そんな彼らの元に、今日新入りがやってきた。モトクロスのレースで事故に遭い車椅子生活を余儀なくされたキースだった。
ケガの後遺症で感情の起伏が激しくなり、安定しなくなったキースガールフレンドのコッパから別れを告げられてしまい途方に暮れる。

彼の目の前にあったのは車椅子ラグビーだった…。

マーダーボール 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:85分
  • ジャンル:ドキュメンタリー、ヒューマンドラマ、アクション
  • 監督:ヘンリー=アレックス・ルビン、ダナ・アダム・シャピーロ
  • キャスト:マーク・ズパン、ジョー・ソアーズ、キース・キャヴィル、アンディ・コーン etc

マーダーボール ネタバレ批評

映画『マーダーボール』について、感想批評です。※ネタバレあり

障害者を不憫な人と扱わない

精神、身体どちらでも構わず、映画やドキュメンタリー監督は、障害者を良心的で可愛そうな人に描きたがる傾向にある。

本当に障害をものともせず乗り越えた先にあるものを知っている人間からしてみると、その様なフィルターは迷惑極まりない。健常者がつけたフィルターに甘えて障害を持っているから労わってとわめきたてる人には向かない厳しい映画の作りにはなっている。

車椅子ラグビーという題材もさることながら、強烈なキャラクターを持つ選手をあえてピックアップする事で、観るものから障害者への憐憫意識を取り除いている所に好感が持てる作品なのだ。

かつてのスター選手の目を通して見える障害者の扱い

この映画には、もう1人大事なキーマンとして元米国スター選手のジョーが出てくる。彼は選手とし盛りを過ぎたという理由で解雇されるのだが、妻子を抱えた身として待遇に不満を抱き、報復として宿敵のカナダチームに監督として移籍する。
米国のノウハウを全てライバルチームに教えるのだから裏切り以外何ものでもなく、彼は両国からみて『招かれざる客』となる様子が映画では浮き彫りにされている。

そんな彼は大人しい息子に暴力をふるい妻は、暴力以外の感情表現は出来ないのかと頭を悩ませる。車椅子ラグビー選手という道を選んだ時から、ジョーの感情表現は『外に向ける怒り』しかなかった。それが『家族』を持ち、かつてのチームを裏切る事で感情表現の変化を迫られる事になるシーンも見どころだ。

ジョーは何故、ここまでして車椅子ラグビーに固執したのか、その理由は彼の祖国の障害者に対する扱いにある。
彼の祖国ポルトガルでは障害は恥という文化がある。日本もそこまで行かなくても、自分と違う障害を持つ人間を邪険に扱う風潮はないとは言わせない。

選手たちは歩けなくなって最初に何を心配したか?

車椅子ラグビーの選手たちは、歩けなくなった時にまず何を心配したか。明日セックスできなくなったらどうしようという事だったらしい。
何故か彼らは女性にモテる。しかも彼らのガールフレンドは美女ばかりだ。ドキュメンタリーでは赤裸々に、この手の話が出てくるので、彼らもまた一人の人間である事が理解出来る。

彼らに車椅子をオーダーメードで作る職人たちは、車椅子をマッドマックスの戦車の様にしてやるのさと意気込み、両手両足のない選手はボールを持てる奴からは殺しても奪えとまさに『マーダーボール』そのものの発言も出る。
自分たちに第二の人生を与えてくれた車椅子ラグビーの為なら、彼らは本気で死ねるのだ。

そんな中、唯一諦めきれない様子で出てくるのが、キースである。
彼は自力で車椅子を押せる様になった時、自分が事故を起こしたモトクロスバイクをみにいく。もう乗れないと判っていても。
そこから、仲間に囲まれて車椅子ラグビーにのめりこんでいくまでの過程は見物である。

マーダーボール 感想まとめ

米国は’04年のアテネパラリンピックではカナダには破れますがカナダも宿敵ニュージーランドに破れ2位となります。
ですが米国はアテネでの雪辱を果たし、’08年の北京で優勝する。

映画は、イラク戦争で下半身不随になる軍人もいるだろうから、車椅子ラグビーを教えに行くというエンディングになっている。
これはいかにも米国ならではの考えではないだろうか。

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