『エスター』あらすじとネタバレ映画批評・評価

エスターの概要:ジャウム・コレット=セラ監督、ヴェラ・ファーミガ主演の2009年のアメリカ映画「エスター」。一人の孤児を引き取ったことから、その家族が崩壊していく様子を描いた作品。

エスター

エスター あらすじ

映画『エスター』のあらすじを紹介します。

3人目の子供、ジェシカを流産で亡くしたケイト。
長男ダニエル、聴覚障害がある妹のマックス、夫ジョンと幸せな生活を送ってはいたが、流産が原因で心に傷を負ったケイトは、ジョンと相談して孤児院から養子をもらうことに。

そして出会ったのはエスターという聡明な少女。
ジョンとケイトはエスターを気に入り、彼女を引き取ることに決める。
首と手首にリボンをつけた変わった少女だったが、マックスとはすぐに仲良くなる。

やがて、エスターをいじめていたクラスメイトが怪我をし、エスターの様子を見に来た孤児院のシスターが姿を消す。
エスターがマックスを利用して、シスターの命を奪ったのだ。

ケイトはエスターに不信感を抱き、エスターについて調べ始める。
ロシア出身の孤児のはずのエスターだが、彼女の養子縁組に関する記録はなく、存在したものはエストニアの精神病院に入院していた、エスターによく似た少女の古い記録だけだった。

エスターの策略でツリーハウスにいるところを放火され、さらには病院で殺されかけるダニエル。
そこでパニックになったケイトは、一晩入院することに。
その夜遅くジョンのところへやってきたのは、大人のような化粧をして洋服を身にまとい、大人びた事を言う9歳の少女エスター。

同じ頃ケイトにエストニアの医師から、エスターについての連絡が入る。
エスターの本名はリーナといい33歳の女性だった。
彼女は特殊な病気で子供にしか見えない体形をしており、それを利用して養子として家庭に入り込んでは、一家全員を殺害していた凶悪犯だった。

ジョン、マックス、そして2人を助けるために帰宅したケイトにも、リーナの魔の手が忍び寄る。
ケイトはマックスを救うため、リーナと対峙する。

エスター 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年10月10日
  • 上映時間:123分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:ジャウム・コレット=セラ
  • キャスト:ベラ・ファーミガ、ピーター・サースガード、イザベル・ファーマン、CCH・パウンダー、ジミー・ベネット etc…

エスター 批評 ※ネタバレ

映画『エスター』について、2つ批評します。※ネタバレあり

9歳のエスターと33歳のリーナ

エスターは、珍しいホルモンの病気から、外見が子供に見える女性でした。
9歳の女の子として養子縁組を受け、養父に恋愛感情を持って接し、拒否されるとその一家を惨殺しては生き残った女の子として再び養子縁組を待つ、恐ろしい殺人鬼だったことがエストニアの医師からの知らせで明らかになります。
その会話の中で、病院で暴れて手がつけられなかったために拘束した事があった。その時についた傷が首と両手首にある、とケイトが説明を受けると、シーンが変わってエスターがリボンを外し、傷跡があらわになります。
そして、濃いメイクと大人びたドレスで鏡の前に座り、ジョンに拒否されたショックで泣きながらメイクがゆっくり崩れて、隠されていた33歳のリーナが現れてくるという、9歳から33歳への切り替えは素晴らしく、エスターという人間が見事に表現されています。

当時11歳から12歳のエスター役、イザベル・ファーマンの演技力、特殊メイク、演出の全てが凝縮されたシーンです。
また、ダニエルが運び込まれた病院で、ジョンの母に無垢な笑顔を向けたエスターが、一瞬の光の点滅の後に無表情になり、ダニエルのもとへ向かい殺人をしようとする、この切り替えも素晴らしくできています。

エスターの最期

ケイトが大切にしていた、ジェシカの遺灰を撒いて育てたバラを摘み取り、ケイトにつかまれた腕の骨を自分で折るということまでしますが、ここまでするのは恐るべき執念としか言いようがありません。

ラストで夫ジョンを殺され、ダニエルとマックスも危険にさらされたケイトと共に湖に落ちてからも、彼女の執念やケイトへの憎悪は消えません。
後ろにナイフを隠しながら「助けてママ」と言うエスターですが、それを同じ世代であろうケイトに「あんたのママじゃない」と蹴られながら言われるシーンには納得ですし、今までドロドロとしていたストーリーをスッキリと感じさせる爽快感があります。

ジョンは亡くなりダニエルは病院のICU、マックスの心も傷ついたでしょうしケイトも心身傷だらけですが、この一言と派手な蹴りはなぜか笑いを誘います。

まとめ

この映画の見せ場は、エスターが豹変する姿と、一人の少女に翻弄される家族の様子です。
エスターが9歳の少女から33歳の女性に戻るシーンは、特殊メイクの腕もさることながら、当時12歳のエスター役のイザベル・ファーマンの演技力もずば抜けていると思います。

そして、ホラー映画オーメンのダミアンのように「悪魔に憑かれた不幸を呼ぶ少女」という展開と思わせておいて、実は少女の姿をした33歳の凶悪犯、という展開になるストーリーが斬新です。
別エンディングが存在していて、湖から生還したエスターは再び化粧で傷をごまかし、警察に向かってきちんと挨拶をして堂々と逃げるのですが、これは後味が悪くて嫌です。
別エンディングはDVD特典に入っており、未公開シーンと共に鑑賞できます。

また、マックス役のアリアーナ・エンジニアは本当に聴覚に障害があり、作中の手話と読唇術は作品のために覚えたものではなく、本人が普段から使っているものなんです。

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