映画『愛と哀しみの果て』あらすじとネタバレ感想

愛と哀しみの果ての概要:『愛と哀しみの果て』(原題:Out of Africa)は、アイザック・ディネーセンの回想録を基に脚色を加えた作品。アカデミー作品賞その他多数受賞作。アフリカに渡り農場を経営することになった女性の半生を描く。

愛と哀しみの果て あらすじ

愛と哀しみの果て
映画『愛と哀しみの果て』のあらすじを紹介します。

舞台は20世紀初頭のデンマーク。
裕福だが、オールドミスになることを恐れたカレン・ディネーセンは、友人のブロア・ブリクセン男爵に結婚を持ち掛ける。貴族ではあっても経済的には不安定だったブロアは快諾し、二人はアフリカのケニアに移り住み、カレンの所有する土地で酪農を始めることにする。

カレンがンゴングの農園に到着してみると、ブロアは酪農ではなくコーヒー豆を栽培すると勝手に決めていた。結婚した最初から不満が生じたが、しかしそれでもブロアを愛するようになっていく。
ブロアは農場経営に全く取り組まず、カレンは一人で経営者として奮闘し、多くの従業員をまとめ上げていく。ケニアで知り合ったバークレーやデニスらと親交を深め、そしてカレンの所有地に住まう原住民の従業員たちとも絆を深めていく。

そんな中、第一次世界大戦が勃発。さらに、ブロアの浮気が発覚し、そのせいでカレンは梅毒を患いデンマークへの帰国を余儀なくされる。
実家での療養の末、病気は完治するが、子供は望めない体になってしまう。
ケニアに戻った頃には戦争は終結していた。
ブロアの浮気癖は変わらず、カレンも病気の件から愛情は薄れていた。そして二人はとうとう別居する。

一方で、カレンはデニスと愛し合うようになっていた。デニスはカレンの家に移り住み、愛を育んだ。
しかし、デニスは自由と自然を愛し、束縛を嫌う。カレンは結婚を望むが、デニスは契約に縛られるのは嫌だとして二人は反発し合う。

カレンは、子供が産めなかったが、子供は好きだった。原住民の子供たちのために学校を作り、農場経営の傍らで支援をしていた。
農場のコーヒー豆栽培は、その年は多く収穫できた。しかし、突然の火事により何もかもが焼け、カレンは全財産を失ってしまう。

デニスとの別れも決心し、デンマークへ旅立とうとしたカレンの元に、デニスがやってくる。失ってお互いの大切さを再確認した二人だったが、最後にダンスをして別れを受け入れる。

数日後飛行機でカレンを送ると言って出ていったデニスだったが、飛行機事故で帰らぬ人となってしまう。
カレンはケニアで出会い、そして失った人や物を思いながらデンマークへと向かうのだった。

愛と哀しみの果て 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1985年
  • 上映時間:161分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:シドニー・ポラック
  • キャスト:メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラウス・マリア・ブランダウアー、マイケル・キッチン etc

愛と哀しみの果て ネタバレ批評

映画『愛と哀しみの果て』について、感想批評です。※ネタバレあり

故郷となったアフリカの大地

デンマーク人であるカレンは、ケニアに移住して生活を始める。彼女のケニアでの結婚生活は順調とはいえず、夫ブロアとの関係は悪化してついに破綻してしまう。
しかしカレンはそんなことでふさぎ込むことはなく、農場経営と学校の設立に尽力する。
デンマークへ一時帰国した際にナレーションで語られたように、彼女にとっては既にケニアの地こそが帰るべき故郷になっていたのである。
農場経営に全く関心を示さなかったブロアに対し、カレンは一生懸命取り組んだ。農場のことだけでなく、所有地に住む原住民たちを気遣い、特に召使いのファラー等とは強い信頼関係で結ばれるほどになっていた。
カレンはケニアの地と人を心の底から愛したのである。映画のラストでは、愛する人デニスとの永遠の別れが描かれる。カレンにとっては哀しい別れだったが、それと同じくらいにケニアの地を去ることは哀しく辛いことだったであろう。

雄大な景色の美しさ

カレンとデニスの哀しいラブストーリーもさることながら、この映画は映像の美しさも印象的であった。
サバンナで自由に駆け回る動物たちや、昼間と夜で違う顔を見せる大地は素晴らしい。160分を超える長い映画の中で、ケニアの大地の映像にはそれなりに時間を使っていて、それだけここに重点を置いていたのだと思わせる。
なかなか軌道にのらない農場経営、そして戦争で使う物資を運び、辛い長旅をしたり、サバンナでライオンに襲われそうになったりした経験ですら「楽しかった」と思い出し語るカレンが、このケニアを如何に愛していたかがよくわかる。
楽しいことばかりではなかったはずだが、カレンの目を通すと景色はいつも美しく愛おしいのである。

愛と哀しみの果て 感想まとめ

カレンという一人の女性の仕事と恋愛を描きながらも、その頃に起こった第一次世界大戦もうまく組み込み、アフリカの植民地問題にも触れている。イギリス領の土地で、デンマーク人であるカレンが肩身の狭い思いをするなど、かなり時代背景を意識した作りになっており、アカデミー賞作品賞を受賞したことにも納得できる。
20世紀初頭、ようやく女性が参政権を得る時代である。そんな社会での女性の生きづらさも垣間見える。
そんな社会で、女性一人で農場を守ってきたカレン。作中最も心が揺さぶられるのは、デニスとの死別の哀しいラブストーリーではなく、ケニアに来てからずっと支え合い信頼を深めてきた召使い達との別れ、そしてアフリカの地との永遠の別れであった。

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