『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

人気SFシリーズ『猿の惑星』を現代風にリブートした作品。過去シリーズ及びティム・バートン版との連携性はない。監督はルバート・ワイアット、脚本は『ゆりかごを揺らす手』のリック・ジャッファ&アマンダ・シルヴァー。

あらすじ

猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のあらすじを紹介します。

主人公は薬物研究者のウィル。彼は父のアルツハイマーを治すために新薬を開発していた。実験台のメス猿に薬品を投与すると猿は凶暴化したのち死亡した。実験は失敗したのだ。ウィルは罪滅ぼしとしてメス猿が死亡前に産んだ仔猿を引取り、シーザーと名づけて育てることにした。

シーザーは驚異的な知能を持っているようで、他の猿とは比べ物にならないほどかしこかった。しかしある日、シーザーはトラブルを起こしたウィルの父を助けようとして隣人を襲ってしまい、保護施設送りになってしまう。高い知能を持つシーザーは施設になじむことが出来ず、施設の持ち主からの執拗な虐待を受ける中で、人類に対する憎悪を抱くようになる。ウィルの助けの手まで拒んで、人類への復讐を果たすために準備を始めた。施設から脱走したシーザーは、あの新薬を他の猿達に投与した。高知能猿軍団が人類を襲う……。

評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2011年10月7日
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:SF
  • 監督:ルパート・ワイアット
  • キャスト:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』について、考察・解説します。※ネタバレあり

普遍的なメッセージ性

当然といえば当然なんですが、本作はあの『猿の惑星』シリーズの最新作に当たりますので、テーマはマイノリティと関わってくるわけです。

元祖『猿の惑星』は、白人が黒人、当時飛ぶ鳥を落とす勢いで経済発展を遂げていた日本人などの有色人種に支配されてしまうディストピアを表現していました。ラストシーンはあまりにも有名ですね。架空の世界だと思っていたら、現実だった、地球だったという恐ろしいラスト。我々有色人種が見ても恐ろしく感じるのですから、白人が抱いた恐怖は計り知れないでしょう。

あの作品は多民族国家であるアメリカだからこそ味わえる感覚がウリでしたが、移民問題で揺れる現代日本においては、考え方も変わってくるかもしれませんね。
本作ではマイノリティの逆襲が描かれています。つまり、元祖作品の前日譚に当たります。人類が衰退し、猿の世界が構築されるまでのお話でした。とても普遍的なテーマですね。

日本においてのマイノリティ差別はアイヌ、琉球人、在日朝鮮人、部落民などがありますが、本作の要素に近いのは在日朝鮮人差別ですね。今最も問題になっている差別です。
マイノリティである彼らに日本が支配されているというのがネトウヨの差別の口実に当たるわけですから、本作のテーマと非常に近い。既に『創世記』は始まっている!と謳いながら、その日が来るのを極度に恐れている姿です。
アメリカにおいては、黒人や日本人よりも中国人でしょうね。今やアメリカは中国なしでは成り立たない国になってしまったわけです。

そう遠くない未来、アメリカでは白人がマイノリティになることが確実です。今、あの名作シリーズをリブートすることの意味が伝わってきますね。
本作は、単なる娯楽作だと思って見ないでください。現代社会の人種問題が的確に投影されている傑作です。

まとめ

1作目の悪魔が何故メリン神父のことを知っていたのかがこの映画を観るとわかります。この映画を観てからまた1作目を見直すとまた新たな発見があるかもしれませんね。

「エクソシスト」に登場する悪魔パズズは元々メソポタミアのバビロニア神話に登場する風と熱風の魔人で悪霊の王といわれています。そのためハエの王であり悪魔の王でもあるベルゼブブとイメージがオーバーラップして物語の途中頻繁にハエやウジが登場します。他にもショッキングなシーンはありますが、顔面の出来物がうごめくのだけは本当に勘弁してください。実際人間に卵を産み付ける虫がいるそうなので妙にリアルで怖かったです。

人間って歴史を知っていてもそこから何も学ばず結局同じ過ちを何度でも犯してしまう生き物なんだなと考えさせられる映画でした。

Amazon 映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』の商品を見てみる

関連作品