この記事では、映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:SF、アクション、ヒューマンドラマ
監督:ルパート・ワイアット
キャスト:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー、デヴィッド・オイェロウォ etc
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』の登場人物(キャスト)
- ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)
- 製薬会社ジェネシスで、アルツハイマーの特効薬の研究を行う男性。研究員の中でもトップクラスの成果を挙げていたが、“ALZ112”の失敗で地位を失う。実験動物のチンパンジーの世話を任されているフランクリンから、ブライトアイズの子供シーザーを託される。シーザーのよき友人で、父親代わり。シーザーに高い知能があるとわかってからは、自宅で研究を行う。
- キャロライン(フリーダ・ピント)
- 獣医をしている女性。怪我をしたシーザーの治療を頼んだことがきっかけで、ウィルと付き合うようになる。人間が踏み込んではいけない領域に通じるウィルの研究に、不安を感じている。
- チャールズ・ロッドマン(ジョン・リスゴー)
- ウィルの父。アルツハイマー病を患っている。シーザーの名づけ親。ウィルが開発した“ALZ112”を極秘裏に投与され、一旦は病から逃れる。
- シーザー(アンディ・サーキス)
- アルツハイマーの特効薬“ALZ112”を投与されたチンパンジー、ブライトアイズの息子。肩に特徴的なあざがあり、目には緑色の虹彩がある。ブライトアイズから遺伝したALZ112の影響で、高い知能を得た。チェスが得意で、手話で会話することができる。
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のあらすじ【起】
製薬会社ジェネシスでは、チンパンジーを動物実験に使い、アルツハイマーの特効薬“ALZ112”の生成に成功する。
あとは臨床治験への承認を得るだけになったが、唯一の成功例ブライトアイズは急に暴れだす。
ブライトアイズは殺され、“ALZ112”の研究は中止に。
112を投与された、他のチンパンジーも殺処分された。
しかしブライトアイズのお腹には子供がいて、身を守るために暴れたとわかる。
フランクリンに頼まれ、ブライトアイズの子供を家に連れ帰ったウィル。
アルツハイマー病の父を救うためにALZ112の研究をしていたウィルは、落ち込んでいた。
ブライトアイズの子供にシーザーと名付けたチャールズは、シーザーを可愛がる。
シーザーは高い知能を持ち、手話で会話ができるようにもなった。
チャールズの病気が悪化し、会社からALZ112をくすねたウィルは、チャールズに投与してしまう。
そしてチャールズは元気になる。
外で遊びたがるようになったシーザーは、怖がる隣人に殴られて怪我をしてしまう。
動物園の獣医キャロラインに、シーザーを診せたウィル。
それがきっかけで、ウィルとキャロラインは親しくなる。

映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のあらすじ【承】
ゴールデンゲートブリッジの先にある森へ、シーザーを連れて遊びに出かけたウィル、キャロライン、チャールズ。
遊ぶ許可を得たシーザーは、森の中では自由だった。
5年後。
ウィルとキャロラインは、大きくなったシーザーを連れて森に出入りしていた。
だが、自分の存在に疑問を抱くようになったシーザー。
ウィルは、キャロラインとシーザーにすべてを話した。
やがて、チャールズの病状は悪化。
勝手に隣人の車に乗り込み、車を壊してしまった。
責められるチャールズを助けようとしたシーザーだったが、隣人に怪我を負わせたことがきっかけで、ランドン親子が経営する霊長類保護施設に入れられてしまう。
他のチンパンジーと暮らした事のないシーザーは、施設内で怯えて暮らし始めた。
ウィルはシーザーを取り戻そうと奮闘し、チャールズの病を治すために研究を始める。
会社にチャールズの事を話すと、ALZ112の改良版の研究の許可が下りた。
そうして作られた“ALZ113”を、チンパンジーのコバに投与した。
コバへの投与中、マスクが外れたフランクリンは、ALZ113を吸い込んでしまった。
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』のあらすじ【転】
檻の中に、自分の部屋にあった窓の絵を描き、ランドンからの虐待と、他のチンパンジーからのいじめに耐えるシーザー。
面会に来たウィルとキャロラインは、シーザーを連れて帰ることができなかった。
裏切られたと感じたシーザーは、施設内のチンパンジーのボスのロケット、ゴリラのバックを手なずける。
そして、手話ができるオラウータンのモーリスとの間には、友情が芽生えた。
その頃、チャールズが息を引き取る。
ALZ113の危険性を感じ、研究を止めようとするウィルだったが、コバの実験結果に目が眩んだジェイコブズは、それを無視。
ウィルは大金を出して、シーザーを施設から連れ帰ろうとするが、シーザーはそれを拒否した。
施設を抜け出し、家に残っていたALZ112を盗み出すと、それを施設内のチンパンジーに投与。
シーザー同様に知能を得た猿たちは、言葉を話せるようになったシーザーをリーダーとして、人間に牙をむく。
家の中に違和感を感じ、霊長類保護施設に向かったウィルは、ランドンの息子の死体を発見。
ALZ112の容器を見つけ、シーザーの仕業だと気付く。
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』の結末・ラスト(ネタバレ)
フランクリンが、死体となって発見される。
彼の死は、ALZ113が人間にだけ与えるウィルスの影響だった。
その連絡を受けたジェイコブズだったが、シーザーの暴走への対応を最優先にする。
ゴールデンゲートブリッジを渡り、かつて自由に過ごした森に向かうシーザーたち。
動物園や研究所のチンパンジーを仲間に入れ、数を増やしていった。
橋の上でシーザーたちを殺そうとする警官たちと、シーザーの後を追うウィル。
シーザーたちは警官を蹴散らすが、ヘリからの襲撃を受ける。
命を賭して仲間を救い、ヘリを墜落させたバック。
ヘリに乗っていたジェイコブズは、コバにとどめをさされた。
シーザーを追って、森までやってきたウィル。
一緒に家に帰ろうと願うウィルに、自分の家は森なのだと答えたシーザー。
シーザーには、多くの仲間がいた。
ウィルは別れを受け入れた。
フランクリンから、ALZ113ウィルスをうつされていたウィルの隣人。
何も知らないウィルの隣人は、飛行機のパイロットの仕事をこなすために、海外に飛ぶ。
そして感染は広がり始めた。
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
CGを駆使したチンパンジーの人間味ある繊細な表情や、群れを成す猿たちの迫力ある戦闘シーンなどの映像美には見応えがあった。
人間に対する怒りが頂点に達したシーザーが、他のチンパンジーたちを仲間に入れ、その群れを導いていくところに結束力の強さが表れていてかっこよかった。
いつも自分たち優先で、世界を壊すのは決まって自分勝手な人間たち。
”人と自然との共存”は、言うまでもなく人類にとって永遠のテーマであろう。
人類目線で物語が進行するが、シリーズを追うごとに視点が変わるところもポイント。
これが本当に世界で起こってもおかしくない、と思うほどに現実味を感じ、観るものに迫る作品だ。(女性 20代)
このシリーズには失敗作がない。どれも脚本がしっかりと作り込まれているため、面白い。原点となった作品「猿の惑星」に、それまでの経緯や新解釈を盛り込み、なかなかボリュームのある作品だったと思う。ただ、意外性や新鮮味は欠ける。
自分たちが当たり前だと思っている動物実験などに関して、動物側の目線に立って考える機会はあまりない。この映画は、そういった人間の当たり前について考えるチャンスを与えている。「これは人類への警鐘」という宣伝文句が、まさにこの映画を表している。(男性 20代)
あの名作『猿の惑星』の原点となったエピソード。アルツハイマーの研究者・ウィルが、実験で使ったチンパンジーから生まれた子猿をシーザーと名付けて大切に育てた。
しだいにウィルとシーザーの愛情は深くなっていくのだが、不運なトラブルからシーザーが動物管理局に引き取られ、そこで酷い仕打ちを受ける。シーザーが人間にはウィルのような前任だけではないと痛感するところが何とも悲しい。
そして、一緒にはいたいが、別々の世界で生きようと決意する姿は勇ましく、それぞれの「誇り」を示してくれる。
種別を通り越した絆、そこに立ちはだかる運命がドラマをより骨太にしている。(男性 40代)
新薬によって知能を持ってしまったシーザー。他のチンパンジーとも人間とも違うことに苦悩し、施設内で怯えて暮らしている様子が可哀そうだった。果たして、知能を持ったことは幸せだったのか、疑問が残る。CGだと分かっていてもシーザーの動きや表情がとてもリアルで、本当に生きているように感じた。父を救おうとしたウィルは心優しい人物だと思うが、シーザーのことを思うと少し身勝手な人だなとも思う。ラストでシーザーとウィルの決別が、はっきり描かれていたのが衝撃的だった。(女性 30代)
大好きな『猿の惑星』のリブート作品である今作は、過去の作品との繋がりはあるものの、設定や世界観に新しいストーリーを盛り込んでいるので過去の作品を鑑賞せずに今作を筆頭とした新しいシリーズだけ見ても楽しめると思います。
人間の開発した薬により高度な知能を持つチンパンジーのシーザー。そして彼の面倒を見る博士を演じたジェームズ・フランコ。この2人の関係がすごく素敵で、前半は親友のような2人の様子が描かれるので新しいストーリーはこうなるのかと驚きました。
後半で描かれるシーザーに生まれる怒りや憎しみの心。この描写がかなり繊細で、シーザーに対する恐怖も感じました。(女性 30代)
名作のリブートということでいささかの不安を感じたが、そんな気持ちを払拭してくれる素晴らしい出来だった。
CGの技術はまだ未完成な気がするが、脚本が練りこまれている。しかも、単純な娯楽作品ではなく現在のマイノリティの実情とも重なる部分があり考えさせられる。
シーザーがウィルと決別を決意する場面では、切なさが込み上げてきた。問題が山積みで、どうしても双方がハッピーエンドになれる未来が見えないのが実にリアルだ。(男性 30代)
人類の薬による「進化」が、結果的に自らの滅亡を導くという展開に、深い皮肉を感じました。シーザーが知性を得て、苦しみながらも仲間と共に自由を求めて立ち上がる姿には感情移入せずにいられませんでした。特に「No!」と初めて言葉を発するシーンは鳥肌もので、まさに物語が大きく動き出す瞬間。人間と猿の立場が反転していく序章として、非常に完成度の高い作品です。(30代 男性)
シーザーの視点から見る人間社会は、どこか暴力的で残酷に感じました。愛情深く育てられた彼が、人間の身勝手な行動によって裏切られ、仲間を守るために闘う決断をする過程が切なくてリアル。最初の1作目として申し分なく、シリーズに引き込まれました。CGとは思えない表情の豊かさ、そして感情の機微に驚かされました。(40代 女性)
「猿が話す」という非現実的なテーマを、ここまで重厚でリアルに仕上げた作品に驚きました。SFアクションというよりは、完全に社会派ドラマ。特にシーザーの成長の物語としても見応えがあり、彼の苦悩や葛藤に胸が締めつけられました。人間のエゴと科学の暴走の結果が、こうした悲劇を生むというメッセージ性も強いです。(20代 男性)
シリーズ初見でも全く問題なく入り込めました。むしろここから観ると世界観をしっかり理解できてよかったです。シーザーが「家族」と「自由」の間で揺れる姿は人間以上に人間らしく、終盤に「森に残る」と決意する場面は涙が出ました。猿たちの団結と知性の進化を描くことで、単なるエンタメを超えた深みのある映画でした。(50代 女性)
映画『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』を見た人におすすめの映画5選
チャッピー(Chappie)
この映画を一言で表すと?
人工知能が”心”を持ったとき、世界が揺れる!
どんな話?
近未来の南アフリカで、廃棄寸前の警備ロボット「チャッピー」にAI研究者が自我を持つプログラムを与えたことから始まるSFドラマ。成長しながら言葉を覚え、感情を得ていくチャッピーの姿は、人間とAIの境界を問いかけてきます。
ここがおすすめ!
『猿の惑星 創世記』で描かれた“進化する存在の葛藤”が好きな方にはドンピシャのテーマ。チャッピーの無垢な視点と成長する過程は感動的で、観る人の倫理観を揺さぶります。アクションも重厚で見応えあり!
アイ・アム・レジェンド(I Am Legend)
この映画を一言で表すと?
人類が消えた世界で、たった一人の希望を描く黙示録。
どんな話?
ウイルスにより人類の大半が死滅し、ニューヨークに一人取り残された科学者ロバート・ネビルが、感染者と闘いながら治療法を探す孤独なサバイバルドラマ。愛犬との絆や日常の描写が胸に迫る、静かな感動作。
ここがおすすめ!
『猿の惑星』と同様に、“科学の暴走”と“人類の終焉”がテーマ。ウィル・スミスの圧巻の一人芝居と美しくも荒廃した世界観が印象的。文明の崩壊を見つめるもう一つの傑作です。
エクス・マキナ(Ex Machina)
この映画を一言で表すと?
AIと人間、その境界は“心”にある。
どんな話?
天才プログラマーが開発した美しい女性型AI「エヴァ」をテストするために招かれた青年ケイレブ。交流を重ねる中で、次第にAIの“意志”に疑念を抱き始める心理SF。人工知能の進化と危険性を描いた緊張感溢れる作品。
ここがおすすめ!
『猿の惑星 創世記』が“動物の進化”なら、こちらは“機械の進化”。AIが感情を持ち、自由を求める姿は、まるでシーザーのよう。静謐ながら張り詰めた展開が続き、最後まで目が離せません。
ブレードランナー2049(Blade Runner 2049)
この映画を一言で表すと?
人間とレプリカントが問い続ける「生きる意味」。
どんな話?
人造人間“レプリカント”が存在する未来を舞台に、自分の記憶と存在に疑問を抱き始めたブレードランナー“K”が、人間と機械の境界を探しながら真実に迫る壮大なSF叙事詩。
ここがおすすめ!
圧倒的な映像美と哲学的なテーマが融合したSFの金字塔。『猿の惑星』のように、“人間とは何か”を問いかける深さが魅力。静かに、そして重く心に残る物語です。
アバター(Avatar)
この映画を一言で表すと?
異星の森で芽生える“共感”と“反逆”の物語。
どんな話?
身体障害の元兵士ジェイクが、異星人ナヴィ族の肉体に“アバター”として転送され、彼らと心を通わせていくうちに、人類の開発行為に疑問を持ち始める。美しい自然と共存するナヴィ族と、破壊的な人類との戦いを描く。
ここがおすすめ!
『猿の惑星』と同様、自然と文明、抑圧と反逆という構図が明確。感情移入必至のビジュアルと壮大な世界観に圧倒されます。“異なる種との共感”というテーマも重なり、感情の深みも見どころの一つ。
みんなの感想・レビュー
当然といえば当然なんですが、本作はあの『猿の惑星』シリーズの最新作に当たりますので、テーマはマイノリティと関わってくるわけです。
元祖『猿の惑星』は、白人が黒人、当時飛ぶ鳥を落とす勢いで経済発展を遂げていた日本人などの有色人種に支配されてしまうディストピアを表現していました。ラストシーンはあまりにも有名ですね。架空の世界だと思っていたら、現実だった、地球だったという恐ろしいラスト。我々有色人種が見ても恐ろしく感じるのですから、白人が抱いた恐怖は計り知れないでしょう。
あの作品は多民族国家であるアメリカだからこそ味わえる感覚がウリでしたが、移民問題で揺れる現代日本においては、考え方も変わってくるかもしれませんね。
本作ではマイノリティの逆襲が描かれています。つまり、元祖作品の前日譚に当たります。人類が衰退し、猿の世界が構築されるまでのお話でした。とても普遍的なテーマですね。