映画『スコルピオ』あらすじとネタバレ感想

スコルピオの概要:知りすぎた男を消せ!一線を退こうとするCIA局員の命を狙う国際戦が始まった・・・。アラン・ドロン、バート・ランカスター、ポール・スコフィールドという豪華キャストで送り出すオールロケスパイ映画。

スコルピオ あらすじ

スコルピオ
映画『スコルピオ』のあらすじを紹介します。

殺し屋ローリエ(アラン・ドロン)は、中東某国の任務完了の後、CIAのフィルチョック(J.Dキャノン)に咎められる。何故クロス(バート・ランカスター)を殺さなかったのかと。
クロスは、ベテランCIA諜報員で彼に生きる術を教えてくれた先輩でもあった。彼が秘密裏に情報を売り渡している事も知っていたが、その事情を知るとなおさら男の友情を感じその手にかける事は出来なかった。

クロスは、先の対戦で親友でもあったKGBのザーコフ(ポール・スコフィールド)を通じ、お互いの情報を交換していた。それも諜報界でお互い生き抜く為の知恵だった。二人が顔をあわせれば、対戦時代の思い出ばかり。全てを疑わなければいけない諜報員ながら二人は身分こそ敵同士とはいえ心が許せる間柄だった。
業を煮やしたCIAは、ローリエにヘロリン密売の冤罪をかけ、30年の実刑を受けるか、クロスを殺すか究極の選択を迫る。CIA長官マクラウド(ジョン・コリコス)は、ローリエに殺害成功の暁には莫大な報酬と共にCIAでのポストも用意すると約束した。

ローリエはウィーンにあるザーコフの隠れ家に飛び、ザーコフがいち早くそれに気づき、彼を片付けるべきかクロスに了解を得ようとするが、クロスは首を横に振った。
何故クロスは首を縦に振らなかったのか。そこには意外な、もう一人の『裏切り者』の存在があったからだった・・・。

スコルピオ 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1973年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:アクション、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:マイケル・ウィナー
  • キャスト:バート・ランカスター、アラン・ドロン、ポール・スコフィールド、ゲイル・ハニカット etc

スコルピオ ネタバレ批評

映画『スコルピオ』について、感想批評です。※ネタバレあり

紛争の影に女あり

クロスにもローリエにも、私生活で女がいる。クロスにはサラ(ジョアンナ・リンビィール)、ローリエにはスーザン(ゲイル・ハニカット)だ。
サラは世界各国の紛争地帯をクロスと共に連れ添ってきた世話女房でもあり、クロスがこの様な事態になる前から電話も全て盗聴される生活を余儀なくされている。その為彼のありとあらゆる行動の『小間使い』も引き受けるようになっている事は拒めない。

ローリエがザーコフの隠れ家を突き止めウィーンへ出向いたとき、CIAはサラがクロスにかけた電話の情報を元に国会図書館を張り込んでいた。情報元どおりにサラは現れた。
CIAの見解では、クロスの代わりに彼女が敵側の誰かと通じて代理で図書館で情報を交換しているという説だったのだが、敵側の人物が誰かがウィーンに来るまで誰か判らなかったのだ。それがスーザンだった。
その事を最後まで知らなかったのは灯台下暗し、ローリエなのである。彼が麻薬密売容疑でCIAに冤罪をかけられたのも全てスーザンの仕業だった。クロスの手助けをして自分を欺いていたのがスーザンだとマクラウドから証拠のフィルムを見せられローリエは彼女を殺そうとする。

スパイとは抜けられないゲームと同じ

スーザンを使いローリエを欺いたクロスとて無傷ではいられない。マクラウドの手先であるCIA局員によりサラを殺され、クロスは敵討ちの為マクラウドを殺す。だがそれで彼の戦いは終わったわけではなかった。
彼がマクラウドを殺した後に戻った駐車場には既に殺されたスーザンが横たわっていた。拳銃を握り締めるローリエにクロスは言う。CIAから俺の後釜に座れるという条件でも出して貰ったのだろうと。そんな訳がない。甘い条件を鵜呑みにしたんだなと。殺したければ殺せばいい。だがスパイというのは抜けられないゲームと同じで、勝っても負けてもいけない。関わらないのが一番だ。

もしも勝ち負けを考えたその時に、殺される。そういい遺しクロスは殺される。
そしてその後、ローリエが、どんな運命をたどるのか・・・それは容易に判断がつくだろう。

オールロケのアクションシーン

監督はブロンソン版『メカニック』を手がけたマイケル・ウィナー。
オールロケをポリシーとし、撮影当時は37歳と新進気鋭の監督として注目を浴びていた。ただ今回は出演する俳優が俳優なだけにオールロケ敢行にかなり手間取った様子が伺える。
この頃のドロンといえば、人気絶頂期。どこに姿を現しても、ドロンを人目見ようとする人々に囲まれてしまう。ワシントンのドッジハウスの前では観光バスを待たせたまま見物する団体客が現れ、飛び掛ろうとするおばあさんまで居たらしい。パリではランカスターを見るために人だかりが出来た。

名作映画を彷彿とさせるロケ現場が多く盛り込まれている所も素晴らしい。
撮影当時は’72年なので、『大統領の陰謀』の舞台となったウォーターゲート事件の現場となったウォーターゲートホテルがカメラに収まっている所も見どころであるし、ランカスターとスコフィールドが密会を重ねるウィーンのダニューブ川のリバー・ボートは『第三の男』が目に浮かぶ情景だ。

そんな中、ランカスター、ドロン、二人がスタントを使わずに街中で繰り広げた体を張ったアクションは見ごたえがある。今でこそアクション映画撮影前に俳優にアクションチームがついて何ヶ月も前からトレーニングしてくれる時代であるが、この頃にそういったサポートはない。
ぶっつけ本番で還暦をすぎたランカスターと、壮年のドロンが、町中を体を張って飛んで、走りまわる様は見ごたえがある。

スコルピオ 感想まとめ

オールロケで、豪華キャスト、ストーリー展開上、どう考えても今では『ミッション:インポッシブル』級に莫大な製作費用がかかってしまう映画でもある。
その上、この映画はスパイアクション映画というジャンルにとどまらず、登場人物の深い人間性にも触れている。

古本で原作の訳書も出ているが、これがまたあわせて読んでみると時代背景を理解する事が出来るので面白い作品でもある。

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