映画『鈴木先生』あらすじネタバレ結末と感想

鈴木先生の概要:『鈴木先生』は、武富健治の同名漫画を原作とするドラマシリーズの続編。クラスの問題児ではなく、平凡な生徒に注目してクラスづくりをする教師・鈴木先生を中心に、現代の中学生の姿を描く。

鈴木先生 あらすじネタバレ

鈴木先生
映画『鈴木先生』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

鈴木先生 あらすじ【起・承】

緋桜山中学の国語教師・鈴木先生は、一般的な考え方ではない彼独自の教育理論に基づいてクラスづくりをしている。ドラマや漫画などのフィクションでも、現実においても、教師は手の付けられない不良や不登校の生徒など、目立った生徒にばかり目を向けがちだが、鈴木先生は目立たない生徒にこそ目を向ける必要があると考えている。
その教育理論「鈴木メソッド」を実践していく中で、クラスはいい方向に進んでいくが、実際はいい面ばかりではなく苦労も多い。

クラスの頼れる女子生徒・小川蘇美や、現在妊娠中の妻・麻美の助けも得つつ、今二学期を迎えていた。
二学期は行事が目白押し。文化祭や生徒会選挙も控えている。そんな中、一学期にヒステリーで問題を起こし、自宅療養していた家庭科教師の足子先生が戻ってきた。今学期も苦労が多そうである。

ある日、学校に卒業生が訪ねてくる。不良で問題ばかり起こしていた白井だ。一見平凡な生徒こそ重視する鈴木先生のやり方は、こうした不良生徒には冷たく映っていたらしい。不良に対して熱心だった先生への挨拶との違いを感じた鈴木先生は、「鈴木メソッド」の弱点を改めて感じる。

その頃、同じく緋桜山中学の卒業生である勝野と田辺は毎日のように公園にたむろしていた。中学時代平凡に生活していた二人は卒業後に落ちこぼれていったのだ。家にいても煙たがられるので、公園でタバコを吸うのが癒しだった。
鈴木先生が受け持つ2年A組は、文化祭の演劇の練習を公園で始める。そこは勝野と田辺がいつもいる公園だった。
生徒たちはこの2人を気味悪がる。学校では、生徒も利用する公園に喫煙所があると怪しげな人物を引き寄せてしまうと問題視する。喫煙所は撤去されることとなり、勝野と田辺は唯一の憩いの場所も失ってしまう。

鈴木先生 あらすじ【転・結】

一方、学校では生徒会選挙についても問題が起こっていた。今までの選挙で無効票が多いことから、有効投票率を上げるため、投票数が少なければ記名投票でやりなおすことにしたのだ。鈴木先生はこれに疑問を持ちながらも、やむを得ないと受け入れる。
そんな中で、A組の中から生徒会長に立候補したのは、普段目立つことを好まない出水だった。おまけに、選挙で勝ち抜きたいとも思えないようなやる気のないポスター。鈴木先生は、出水には何か他の目的があるように感じるのだった。

居場所を失った卒業生の一人、田辺が事件を起こした。母親を金属バットで殴ったのだ。逮捕される田辺を見て、勝野はやり場のない感情をある所へ向ける。

生徒会選挙の演説の日、ついに出水の目的が明らかになった。彼は、「投票しない権利」さえも奪った学校に対して一言もの申すために立候補したのだった。彼の意見に賛同する生徒たちは立ち上がる。

翌日。いよいよ投票の時が来た。生徒たちは体育館に集められたが、A組の生徒何人かの姿が見えない。教室に呼びに行った小川が目にしたのは、生徒を人質に立て籠る勝野だった。
いかにも真面目でかわいらしい小川は人質に取られ、勝野は「今から小川蘇美ちゃんをレイプする」と宣言する。

中学時代真面目に生活していた果てがニートだった勝野は、真面目にしていたって何もいいことがないと思い知らせようとしたのだ。レイプするのは小川のためだと言い張る。
その後、鈴木先生や足子先生も駆けつけ、大乱闘の末勝野は逮捕される。その姿を見て鈴木先生はやりきれない後味の悪さを感じる。

生徒会選挙の投票は終わり、会長選で最も票を集めたのは出水となった。会長になるつもりはなかったが、立候補した責任はある。出水は生徒会長を引き受けることにした。

二学期になり、鈴木先生は自分の教育理論に疑問を感じていた。平凡な生徒を重視しているが、卒業した生徒たちが自分を訪ねてきたことはない。白井が訪ねて来た日から寂しさを感じていたのだ。
そんな鈴木先生を救ったのは、「卒業生が先生を訪ねて来ないのは、みんな自分の人生に向き合って生きているからではないか」という生徒の言葉だった。

鈴木先生 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
  • 監督:河合勇人
  • キャスト:長谷川博己、臼田あさ美、土屋太鳳、北村匠海 etc

鈴木先生 批評・レビュー

映画『鈴木先生』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

学校に限った問題ではない

ドラマシリーズからそうだったが、『鈴木先生』でテーマとなる学校の問題は、なにも当事者である中学生たちに限った問題ではない。「学校は社会の縮図」というが、まさにその通りで、問題の大小はあれども、どこでも起きるようなことを扱っている。
今回の生徒会選挙がその最たるものだろう。有効投票率を上げるために、記名投票にすると生徒を脅して選挙を実施する。教師たちは相手が子供だと思って無意識に舐めてかかっているが、同じことが衆議院選挙などで起こったらどうか。考えられないことである。人には投票する権利があるが、同様に投票しない権利もある。そのことに気付き、冷静に、そしてルールに則り意見を述べたのは他でもない、生徒である。
教師は問題を未然に防ぐためにそれが正しいことと信じて生徒を誘導するが、大人も間違うことがあると子供に気付かされた一例である。

二つの問題を一つの映画でまとめる必要はあったのか

この劇場版で大きなテーマとなるのは、「生徒会選挙」と「勝野立て籠もり事件」である。今いる生徒と、卒業生による別々の問題。この二つをまとめているのが、鈴木先生が抱える「鈴木メソッド」への疑問であろう。
その構成は良かったと思うが、選挙と事件の二つを並行して描く必要があったのか、疑問が残る。劇場版ではなく、スペシャルドラマにすればそれぞれの問題をより丁寧に見せることができたのではないだろうか。両方とも時間をかけて描いてもいいテーマだったと思う。

鈴木先生 感想まとめ

ドラマシリーズからの映画化ということで、映画から入った人にはわかりにくいのかと思うが、序盤でシリーズの世界観は説明されるので問題ない。
しかしその分、大きなテーマの二つが詰め込み気味になった感じは否めない。ただ、さすが古沢良太の脚本だけあって、まとめ方はうまかった。ドラマシリーズでは完璧に思われた「鈴木メソッド」だが、この劇場版では二つの問題を扱いつつ、鈴木先生が今まで実践してきた理論が本当に正しいといえるか自問自答する。
学校で起きる問題は、誰が正しい・間違っているとは判断しにくい。それは今まで良い面ばかりが強調されていた鈴木先生の教育理論でも同じで、どんなことも白か黒か二択では測り切れないことを考えさせられた。

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