映画『ザ・フライ』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「ザ・フライ」のネタバレあらすじ結末

ザ・フライの概要:科学者のセスは、物質を瞬間的に移動する装置の研究をしていた。物体の移送には成功したものの、生物のような複雑な構造物では失敗が続いた。ある日、セスは自分の身体を移送することを試みる。すると、セスは偶然紛れ込んでしまった蝿と融合してしまった。

ザ・フライの作品概要

ザ・フライ

公開日:1986年
上映時間:97分
ジャンル:SF、ホラー
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:ジェフ・ゴールドブラム、ジーナ・デイヴィス、ジョン・ゲッツ、ジョイ・ブーシェル etc

ザ・フライの登場人物(キャスト)

セス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)
科学者。ワープ装置の研究をしているが、実験最中に蝿と融合してしまう。
ヴェロニカ・クエイフ(ジーナ・デイヴィス)
記者。セスの密着取材をしている内に、彼に惹かれるようになる。

ザ・フライのネタバレあらすじ

映画『ザ・フライ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

ザ・フライのあらすじ【起】

大勢の人が集まるパーティ会場。セスはヴェロニカに、自分の研究について聞かれていた。世界と人間生活を変えるものだとセスは言った。ヴェロニカから具体的な話を聞かれたが、ライバルの研究者に聞かれたくなかったセスは自分の研究室に誘った。

セスの研究室にあった装置は、テレポッドという名で、物質を転送させるものだった。ヴェロニカのストッキングを装置に入れて起動すると、ストッキングは別の場所にある同型の装置の中にワープしていた。ヴェロニカは驚き、更なる情報を少しでも得ようとセスに隠れて録音機に電源を入れて取材を続行した。しかし、セスに勘付かれてしまう。ヴェロニカは録音テープを持って、逃げるようにセスの研究所を出た。

セスを取材したヴェロニカのテープは、パーティクル誌に持ち込まれた。自信たっぷりのヴェロニカだったが、パーティクル誌の編集長は鼻で笑った。セスの研究成果をその目で見ていない編集長は、ヴェロニカは手品のトリックを見せられたのだと言った。ヴェロニカは反論するが、編集長は相手にしなかった。

ザ・フライのあらすじ【承】

ヴェロニカを追って、パーティクル誌にやってきたセスは、編集長がヴェロニカの話を間に受けてなかったと知って安堵した。ヴェロニカは出版化を諦めず、オムニ誌という出版社に売り込もうとした。セスはハンバーガーショップにヴェロニカを誘ってそれを回避した。

セスはヴェロニカに好意があった。そこで、セスは記事をすぐに出版社へ売ろうとするのではなく、研究の完成まで、密着取材を続けたらどうだともちかけた。完成のあかつきには、セス自身が装置に乗り込んで、その成果を実証してみせるという。それならば、疑り深い編集長も自分の話を信用してくれるだろうと考えたヴェロニカは、セスの話に従うことにした。

セスは猿を使って、装置を実験した。しかし、生物のような複雑な構造を持った物を完全に移動させることは叶わず、装置にかけられた猿は瞬間移動の際に肌の表裏が逆になってしまった。猿の死体を見て、自分の能力と経験不足のせいだとセスは落ち込んだ。

ザ・フライのあらすじ【転】

密着取材を続ける内に、ヴェロニカはひたむきなセスに心惹かれていった。二人は装置の歓声に向けて協力した。

数度の実験を経て、セスとヴェロニカは遂に動物の転送を成功させた。実験の成功を祝おうとしたその矢先、ヴェロニカはパーティクル誌の一面でセスの記事が扱われると知った。ヴェロニカに好意を抱いていた編集長が、彼女の気を惹こうとしていたのだ。ヴェロニカは編集長に文句を言いに出版社へ向かったが、セスはヴェロニカが密会に行ったのだと誤解する。自暴自棄になったセスは自分の身体でワープの実験を始めた。電源を入れて装置に乗り込んだセスだが、転送先の装置に蝿が紛れ込んでいたことに、彼は気付かなかった……。

編集長との話をつけて、セスの研究所に戻ったヴェロニカ。セスはベッドの上で眠っていた。編集長との関係を疑うセスに、ヴェロニカは身の潔白を説いた。

寝付けないセスは、気晴らしに身体を動かした。すると、彼には超人的な能力が身についていた。セスは驚いたが、篭もりがちだった性格から一転、自信を持つようになった。

ザ・フライのあらすじ【結】

自分はあまりに自分のことに無関心だったとセスは言う。もっと個人生活に目を向けるべきだったと話すセスは、口数が増え、食欲も旺盛になった。生まれ変わったようだと話すセスは、ヴェロニカを装置に入れようとする。ヴェロニカが断ると、セスは彼女に別れを告げ、自分に見合う女性を探すと言って、研究所を飛び出した。

バーを訪れたセスは、チンピラを相手に、女性を賭けた腕相撲の勝負をしかけた。賭け金の100ドルに目が眩んだチンピラと戦ったセスは、相手の腕を折ってしまった。

セスはバーから連れ込んだ女を装置に入れようとする。しかし、ヴェロニカによって邪魔されてしまった。ヴェロニカは、セスの毛を検査した。すると、彼の毛は人間のものではなく、虫と同質のものだということが解った。そのことをセスに告げても彼は信用せず、セスはヴェロニカのことを追い出した。

一人になったセスは、自分の身体の異変に気付いた。身体中から妙に堅い毛が生え、爪が簡単に剥がれ落ちた。剥がれたところからは白濁色の液体が噴き出た。セスは装置の記録を確認した。すると、彼は自分が蝿と融合してしまっていることに気付いた。

セスはヴェロニカに救いを求めた。ヴェロニカがセスに会うと、彼は豹変していた。ほとんどの細胞が死に、先はもう長くない。一刻も早い治療が必要だった。

セスの病状は悪化し、遂に人よりも蝿の要素が強くなってしまった。一方で、ヴェロニカはセスの子を身籠っていたことを知る。時期を考えると、蝿男と化した頃のセスの子供の可能性がある。ヴェロニカは、自分が蛆虫を生む悪夢を見た。悩んだ末、ヴェロニカは子供のことを打ち明けようとする。しかし、まだ理性が残っているセスは、ヴェロニカのことを研究所から追い出した。

ヴェロニカはセスの子を中絶することにした。しかし、病院にセスが現れ、ヴェロニカを浚っていってしまう。セスは自分の遺伝子を持つ子と融合すれば、蝿の遺伝子の影響を小さくできるかも知れないと考えていた。セスは身籠ったヴェロニカを装置に入れ、自分も装置に入ろうとする。しかし、後からやってきたパーティクル誌の編集長にそれを阻まれ、セスは装置と融合してしまう。セスは最後の力を振り絞って、ヴェロニカに自分を殺すよう訴えた。ヴェロニカは泣きながら、それに応えた。

ザ・フライの解説・レビュー

クローネンバーグの「グロ注意」的作品

SF作品としての設定は見事であり、よくあるマッド・サイエンティストの暴走が緻密に描かれ、ストーリーの緊迫感も存分に表現されている。しいて言えばクローネンバーグ監督のお得意グロ描写が苦手という人には、クライマックス付近で早送り必須の映画であることには間違いない。元ネタはジョルジュ・ランジュランの小説「蝿」を映画化した1958年のリメイクだが、SFというカテゴリー以外でも、フランツ・カフカの「変身」という小説は特に有名であり、他でも多くの作家が変身譚を採り上げていることなどを考えれば、物語のネタとして変身願望というものはどのようにでも話を変化させられる特別な材料だろう。クローネンバーグは映画監督として最も変身というものを映画に採り上げた人物ではないか。小説家ウィリアム・バロウズの「裸のランチ」を映画化したのはその典型的な例であり、バロウズの異常な世界観を、クローネンバーグならではの異常な表現で描き上げ、グロの展覧会ともいえる内容の夢想世界をくり広げている。奇異な映画を撮らせればこの人の右に出る者はいないだろう。この映画でもその辣腕振りは存分に発揮されている。

マッド・サイエンティストの悲哀

何というかマッド・サイエンティストというのはどんな場合にも悲哀がつきまとう。天才となんとかは紙一重という例えが、見事なまでに当てはまっているという設定が多く、社会性が欠如されるような生い立ちなどのトラウマを持っているのがお約束なのだが、ここでのセスも横恋慕して酔っぱらい自分の発明した恐ろしい機械に飛び込むというところは、その社会性の欠如というところに起因するものだろう。根が純粋で真っ直ぐな性格だけにこういった人は誰かの管理の下に置かなければ大変なことが生じるのだが、マッド・サイエンティストは必ずといっていいほど、自分のラボで自閉症のように閉じこもり研究に没頭していると言うスタイルが確立している。映画のネタにはもってこいの人物なのだろうが、天才という特殊性から「悲哀」の対象にされ、哀しい運命を辿る犠牲者のような存在である。

ザ・フライの感想まとめ

この作品を現代風にリメイクするという考えは他の監督に思い立つことはなかっただろう。正しくクローネンバーグが撮ってこその映画だと感じる内容だ。SF作品という特異性と心理的な異常を併せ描くというのは、監督にしても相当なスキルが必要だろうし、役者の選定にも悩んだだろう。主演のジェフ・ゴールドブラムはこの人しか主役はいないのではないかというほどの嵌り方で見事な演技だったが、後々に出演した映画の役どころも学者肌のイメージが強いが、この映画によって巷の一部では「ハエ男の人」という変な呼ばれ方をされるようになってしまったのである。自分の知る限りではあるが。

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