映画『遠くの空に消えた』あらすじとネタバレ感想

遠くの空に消えたの概要:2007年に公開された、行定勲監督、脚本の作品。主演は神木隆之介。大人になりたくない子供たちが、空港建設に揺れ動く大人たちに巻き込まれつつ、友達のために奇跡を起こそうとする姿を描いた。

遠くの空に消えた あらすじ

遠くの空に消えた
映画『遠くの空に消えた』のあらすじを紹介します。

空港建設反対運動が盛んに行われている田舎の村に、空港建設の責任者の父と共に引っ越してきた少年、亮介。
女の子にもてはやされる亮介が癪に障る公平はケンカを仕掛けるが、2人一緒に肥溜めに落ちてふざけているうちに、不思議な雰囲気の少女、ヒハルに遭遇。
その頃、望まない結婚を控えた小学校の教師、サワコ先生は空から落ちてきた奇妙な青年を助け、彼に恋をしてしまった。

いつの間にか亮介と公平は意気投合し、丘の上で星を見ていると、ヒハルが天体望遠鏡を持ってやってきた。
信じるかどうかが大切だと語るヒハル、亮介と公平の3人は仲良くなる。
鳩を抱えて歩く男性、赤星が絡まれているところを助けた亮介は赤星に気に入られ、やがて亮介、公平、ヒハル、赤星の4人は秘密基地を作ることに。

ある日、海外を放浪していた公平の父親が帰国。
公平の父は空港反対派の先頭に立って建設場の敷地に向かい、亮介の父と対面。
彼らはかつて、その村で親友だったのだ。

やがて反対派の中でも過激な行動を起こしていた青年団のリーダー、トバが赤星を利用して亮介の父を銃で撃つように仕向ける。
壊された秘密基地を見たヒハルは悲しんで、丘から飛び降りて大怪我をしてしまう。
結婚式を間近に控えたサワコ先生は、想いを寄せる青年から満月の夜に旅立つと聞かされ思い悩む。

亮介と公平はヒハルのために、自分たちの手で奇跡を起こそうと約束する。
そして大人たちへ一矢報いようと、子供たちは一致団結して、サワコ先生の結婚式のどさくさにまぎれて行動を起こす。

遠くの空に消えた 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2007年
  • 上映時間:144分
  • ジャンル:青春、ファンタジー
  • 監督:行定勲
  • キャスト:神木隆之介、大後寿々花、ささの友間、小日向文世 etc

遠くの空に消えた ネタバレ批評

映画『遠くの空に消えた』について、感想批評です。※ネタバレあり

絵本のような世界観と豪華なキャスト

声変わり寸前の神木隆之介や、彼と同い年の大後寿々花など、成長期の途中にある子役たちの魅力を取り入れた作品。
また、小日向文世、三浦友和、大竹しのぶ、石橋蓮司といった有名俳優たちがしっかりと脇を固めており、キャスティングの豪華さが目立つ。
公平に手を焼いているものの、しっかり者の母親スミ役の鈴木砂羽や、サワコ先生役の伊藤歩の透明感のある演技もいい味を出している。

ロケ地は北海道の帯広がメインで、田舎の大自然の美しさを見事に表現している。
月の満ち欠けで日数を表現するという、オリジナリティあふれる演出が多い。

年代は不明で、日本にある「馬酔村(まよいむら)」が舞台という設定だが、ロシア語を話す村人や文字が書かれた看板、タイトルにヘブライ語を使うなど、近いけれど遠い不思議な世界を表現している。
しかし、肝心の奇跡がミステリーサークルを作るだけという、どこか意味のわからない設定であり、ツッコミどころになってしまっている。

無駄が多く140分という長いストーリー

飛行機から降りた一人の青年が、コンクリートに残る不思議な靴の跡を客室乗務員に教え、それにまつわる物語を話していくという展開。
ラストに彼が成長した亮介であり、空港建設がどうなったのかも語られる。
しかし140分という長い作品の割には、深みが感じられないストーリーでもあり、起伏が少ないストーリーのために飽きてしまう。
特に、サワコ先生とスミス提督の淡い恋愛の部分は、全く必要性が感じられない。
また、謎の2組の老人の存在も必要ないだろう。

亮介の父と公平の父、それからBAR「花園」のママの幼馴染としての設定により、亮介、公平、ヒハルの友情に奥行きが生まれて、縦にもストーリーが広がっているのは面白い。
だが、横にストーリーを広げ過ぎたことで時間もかかり、集中できない作品になっている。
また重要な存在の赤星の全てが、噂話の延長としてしか語られておらず、どこか納得できないものになっている。

”大人になんてなりたくないと想っていた子供の頃”の話としては、信じるかどうかが問題だというヒハルの言葉、奇跡は自分たちで起こせば良いという公平の台詞は上手くできている。

遠くの空に消えた 感想まとめ

誰もが1度は通るであろう、大人になりたくないと感じる多感な子供時代の友情、親との関係などを描いた、ファンタジーに近い青春映画。
世代や生まれた地域によってはなじみの無い、牛糞を溜め込んだ”肥溜め”という言葉や、男の子なら共通して笑える話であろう爆弾といった、子供ならではのネタも詰め込まれている。

「蜂は飛べる構造をしていないのに飛ぶことができる。それは信じているから飛ぶことができる。」という台詞や、ヒハルの「信じているかどうかが問題なんだ」という台詞が、どこか胸を突く作品でもある。
大竹しのぶが演じたBAR「花園」のママが、暴れた青年団のリーダーを黙らせた威勢の良い台詞には、圧倒されるものがある。

作中に何度も流れる楽曲は、鑑賞後も印象に残る不思議な曲だ。

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