『私の男(2014)』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

直木賞を受賞した桜庭一樹の小説を映画化。浅野忠信と二階堂ふみによる禁断の愛を描く。監督は『青春☆金属バット』の熊切和嘉、脚本は『夏の終り』の宇治田隆史。撮影は近藤龍仁が務めた。

あらすじ

私の男(2014)』のあらすじを紹介します。

北海道南西沖地震による津波で家族を失った花(二階堂ふみ)は、遠い親戚の腐野淳吾(浅野忠信)に引き取られた。花と淳吾は引き取られて日の経たないうちにキスをし、以降”性的虐待”という名の歪んだ愛を育んでいく。
淳吾の元恋人・小町は色白の美人だが、淳吾に無償の愛を捧げられている花に露骨に嫉妬し、花も小町の気持ちを逆なでするような発言を繰り返した。小町は淳吾の花への愛情の前になすすべなく敗れ去り、務めていた拓殖銀行の倒産と共に上京する。
花が高校生になると、淳吾は仕事で家を空けることが多くなった。その分二人の愛は激しさを増し、花の登校前にセックスするほどになっていた。しかし、その現場を親しくしていた大塩(太賀)に目撃され、花と淳吾にピンチが訪れた……。

評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年6月14日
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:ラブストーリー
  • 監督:熊切和嘉
  • キャスト:浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、モロ師岡 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『私の男(2014)』について、考察・解説します。※ネタバレあり

いびつな愛情は枯れていく

浅野忠信と二階堂ふみの演技が素晴らしいことについて触れるのは野暮なので、演技については触れません。二人はお互いのすべてが理解できていた北海道での生活をある事情で捨て、上京します。そこから二人の心境に変化があったのか、二人が大人になったのか、互いの気持ちを理解できなくなってしまいます。花が同僚に「昔は淳吾の何もかもを理解できたけど、今はできない。子どもだったんですね」と話したり、帰宅した花が淳吾に向かって「何してるの?」と質問するといったセリフからこれがわかります。
で、最も難解なのは終盤ですよね。花が同僚を家に連れてきた時の淳吾の対応、結婚した花、その旦那と淳吾がレストランで食事をするシーン。これらは「互いの心境が理解できない」ということが深く関係しています。淳吾は花の気持ちを理解できないあまり心のバランスを崩しており、無職で花の収入に頼る生活をしていましたね。そして花の同僚を上半身裸にし、花の唾液の臭いを嗅いだり指を咥えたりします。花の気持ちが理解できていればお前を認めてやるけど、体から唾液の臭いがしないし指を加えられて嫌がっているようでは花の気持ちは理解できない。だからこそ「お前には無理だよ」というセリフが飛び出たのでしょう。
そしてレストランのシーンは、淳吾がついに花の気持ちを完全に理解できなくなってしまったことを表現しているのではと思いました。花よりも淳吾に気を使う旦那に対し「お前には無理だよ」と言い放つも、旦那が料理を注文している時に花から誘惑され、いよいよ混乱してしまった淳吾の表情。花のことはもう誰にも理解できなくなってしまったのでしょうね。

まとめ

冬の北海道の映像美、主演の圧倒的な演技力、いびつな愛情表現。これらは完璧でした。ただ、いかんせん難解すぎるのではないかと思います。というか、「おい、あの件はどうなったんだ」という突っ込みどころがありすぎ。特に上京してから花が就職するまでの間に突っ込みどころがあり、その後の展開に乗れません。スマートな脚本は私の好みですが、もっとブラッシュアップが必要でした。
ただ、なんとなく腹が立つのは、「いやいや、こういう説明されない部分も含めて芸術だから」と製作陣が考えているのでは?と想像できてしまうこと。すげームカつく!いやしかし、ガッツリ手のひらで踊らされているような気もして腹が立つ。そもそも映画はすべからく芸術なんだから、芸術的な映画ってのは言葉としておかしいの!気取ってんじゃねー!
なんて考えてしまうほど芸術的な映画でございました。見て損なし。理解できなきゃおとといきやがれ二階堂ふみで妄想してろ!という映画です。

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