映画『ヤギと男と男と壁と』あらすじネタバレ結末と感想

ヤギと男と男と壁との概要:かつて米軍に所属していた超能力者と言われる男に同行する記者の奮闘をコメディタッチで描いた2010年公開のアメリカ・イギリス合作映画。邦題の『ヤギと男と男と壁と』は、千原ジュニアにより決められた。

ヤギと男と男と壁と あらすじネタバレ

ヤギと男と男と壁と
映画『ヤギと男と男と壁と』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ヤギと男と男と壁と あらすじ【起・承】

地方新聞社に記者として勤めるボブ・ウィルトン(ユアン・マクレガー)はある取材の中で、ヤギを見つめるだけで殺すことができるリン・キャシディ(ジョージ・クルーニー)という男の話を聞かされる。

そんな馬鹿げた話ばかりを聞かなければならない仕事にやりがいを感じられない一方、ボブは妻との幸せな生活には満足していた。

だがある日、職場の同僚が急死したことをきっかけに「人はいつか死ぬ」という考えが頭から離れなくなったボブの妻は、人生を謳歌するために浮気をしてしまう。

悲しみに暮れたボブは妻と離別し、思いつきで戦場取材を決意してイラクへと向かう。

イラクに行ったはいいものの、取材もできず何も起きない日々が続く中、ボブはある男と出会う。その男こそ、リン・キャシディであった。何かが起こることを期待したボブは、任務のために目的地へと向かうリンと行動を共にする。

リンはかつて、超能力兵士を育てるために米軍に存在した極秘部隊『新地球軍』に所属していた兵士であった。

臨死体験がきっかけで“何か”に目覚めたビル・ジャンゴ(ジェフ・ブリッジス)を筆頭に、世界を平和に導くための善の力・フォースを身につける『ジェダイ計画』が新地球軍では行われていた。

彼らは、壁のすり抜けや透明化、遠隔視の訓練などを本気で行っていた。

その中でも群を抜いて特別な能力を持っていたリンは、心理実験を研究するラリー・フーパー(ケヴィン・スペイシー)に敵視されていた。

ヤギと男と男と壁と あらすじ【転・結】

目的地への道中、車が故障したボブとリンは現地の犯罪集団に拉致され、別の組織へ売られそうになる。

機転を利かせたリンによってなんとか逃れることができたボブだったが、驚きの事実を知らされる。

実はリンには任務などなかったのだった。幽体離脱したビルに呼ばれてここまで来たと語るリンにあきれるボブだったが、砂漠で道に迷ったため仕方なくその場に留まることにする。

夜、なかなか寝付けないリンは、新地球軍でのことを思い出していた。

ラリーの身勝手な心理実験によって自殺者が出てしまい、責任を問われたビルは軍を追放された。そして、ラリーが事実上のリーダーとして活躍するようになる。

ビルのいない新地球軍に意義を感じなくなったリンだったが、実験用のヤギを殺すようラリーに命じられて従ってしまう。

善の力を鍛えてきたリン自身、力を試したいという欲求に抗えなかったのだった。念力によって見つめるだけでヤギを殺すことに成功したリンは、それ以降、罪悪感に苛まれていた。

夜が明けてボブが目を覚ますと、目の前には一頭のヤギがいた。そして、ヤギを追うボブとリンの頭上にヘリコプターが現れる。

そのヘリコプターの持ち主は、軍を退役して会社を設立したラリーだった。彼はイラクで、マインドコントロールによる心理実験や超能力実験を行っていた。

ラリーに保護されたボブとリンは、なんとそこで働いているビルに会う。だが、アルコール中毒のビルにかつての面影はなかった。

ボブの説得により昔の気持ちを思い出したビルは、ボブとリンとともに、心理実験の対象者や実験用のヤギを解放する。

ラリーの実験施設を壊滅させ、リンとビルと別れて帰国したボブは、自分が体験したことを記事にする。

そして、自分が信じるもののために闘うことを決意したボブは、真っ直ぐと見据えた壁に向かって走り、壁をすり抜ける。

ヤギと男と男と壁と 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:94分
  • ジャンル:SF、コメディ、戦争
  • 監督:グラント・ヘスロヴ
  • キャスト:ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシー etc

ヤギと男と男と壁と 批評・レビュー

映画『ヤギと男と男と壁と』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

戦争はヤギを殺す

劇中で、リンが敵との闘い方をボブに教える場面がある。

「笑顔で近づいて目をえぐるんだ」とリンが説明するのだが、今作はまさにそんな映画だ。笑いながら戦争を、そして社会を風刺している。

米軍に超能力部隊があったという事実が基になった設定なのだが、その訓練に取り組む者たちはヒッピーそのもの。ハッパを吸って踊り明かし、自分たちが世界を平和に導くのだと本気で信じている。

「お前たちがやっている戦争や、それに伴う人体実験はこれと大差ないんだぞ」と言わんばかりに、笑いを交えながらチクリチクリとアメリカ政府に針を刺す。

実験用のヤギを解放するシーンも、訓練や核実験に動物を使う人間たちへの批判が込められているのだろう。

そういった社会的メッセージを入れながらも、しっかりと笑えるコメディになっていたのは良かった。

名優揃いで be all you can be

あまり話題にならず、可もなく不可もなくといった印象を受ける今作だが、出ている人たちを見てみると名優揃い。

まずはユアン・マクレガー。『スター・ウォーズ』に出演している彼に、フォースやジェダイといった単語を言わせるあたりには遊び心を感じた。

そして『新地球軍』のメンバーには、ジョージ・クルーニーにジェフ・ブリッジスにケヴィン・スペイシー。

この布陣に興奮する人は多いだろう。

そして物語の中で彼らが口々に言う、「be all you can be(なりたい自分になる)」というセリフ。これは、今作のテーマでもある。テーマだから登場人物たちに繰り返し言わせる。

今作は、仕事にやりがいを感じず最愛の妻さえも失った男が、なりたい自分になるために奮闘するロードムービーでもあるのだ。

ヤギと男と男と壁と 感想まとめ

今作は、『実録・アメリカ超能力部隊』という本が原作になっている。

血迷ったアメリカ政府が、超能力によって敵を制圧する部隊を軍に作ったという実話が基になっているというから驚かされる。

武力制圧する軍が平和的解決を目指す部隊を内包しているというこの矛盾。いかにもアメリカらしい。

笑いを誘う部分は多いものの、物語としてはインパクトに欠けている気もする。ケヴィン・スペイシーの使い方ももったいないし。

でもボブ役のユアン・マクレガーが最後にジェダイになれたから何でもいいか。

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