映画『約束の地(2014)』あらすじネタバレ結末と感想

約束の地(2014)の概要:ビゴ・モーテンセン主演のロードムービー。共演はビールビョーク・マリン・アガー、ギタ・ナービュ。リサンドロ・アロンソ監督の2014年製作映画。ビゴ・モーテンセンが音楽や製作も手掛けた。

約束の地 あらすじネタバレ

約束の地
映画『約束の地(2014)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

約束の地 あらすじ【起・承】

パタゴニア。技師のディネセン(ビゴ・モーテンセン)は、15才の娘インゲボルグ(ヴィルビョーク・マリン・アンガー)を連れて荒野に来た。

ハウワは豊穣の地。楽園だと言われていた。娘は荒野に立ち、早く家に帰りたいと思う。
〝パパ、犬を飼えないの?〟 〝飼えるとも〟
〝そばを離れない犬が欲しい〟と娘は言う。

少し離れた場所では、男が荒野に出来た沼で沐浴をしていた。その男とディネセンは話す。
〝いつ、荒野に向かうんだ?〝 〝娘も連れてゆく〝と。

男は、娘に馬を贈りたいと言ったが、ディネセンは丁寧に断った。2人は荒野を抜け、デンマークへ向かう予定だ。

コルトという従者がいて、彼と娘は親しげに話をしていた。この地の噂で、ディネセンは、スルアガ大佐という男が女装をし、賊を引き連れているというのを聞いた。

彼が行方不明後、2つの店に寄ったが、まだ遺体は発見されていないらしい。愛犬のヘルセイが飼い主と同じ日にいなくなっている点から、スルアガ大佐は存在している可能性が高い。

そこで、従者のコルトに〝彼を探せ!〟と命令した。ところが、コルトと共に娘インゲボルグが父親であるディネセン大佐のもとを飛び出してしまう。

異変に気が付いたディネセン大佐は、ピッタルーガ中尉(アドリアン・フォンダリ)の制止を聞かず、娘を探しにゆく。

約束の地 あらすじ【転・結】

一方、娘インゲボルグと従者コルトは、馬に水と休息を与える為、小川に立ち寄った。
馬が水を飲む間、2人は下着姿になっていた。その後、キスをして求め合った。

風にすすきが揺れていた。小1時間後、2人は馬に乗り小川を後にした。

娘と従者コルトを追うディネセンは、大地を掘削する現場で働く男達に、娘の行方を尋ねるが誰も知らないという。

〝きっと山中にいるに違いない〟とも考えるが分らない。荒野の風が強くディネセンに吹いてきた。数時間後、ようやく娘と従者が立ち寄った小川に来たが、2人の姿はなかった。

それでも、馬の足跡から誰かが小川に来たのではないかと感じるのだった。銃を持ち、ディネセンは構えた。すると、木のそばに顔を撃たれた男がいるではないか?

〝娘はどこにいる?〟銃口を向けたまま、ディネセンは聞いた。従者コルトなのか?
彼は、〝スルアガ…〟と言うだけで黙ってしまう。再度、娘の居場所を吐かせようとするが、彼は答えない。

怒りを抱えたまま、ディネセンは男を銃殺した。その間、原住民らしき男から、馬を盗まれてしまう。娘の姿を探し、荒野を彷徨うディネセン。

ある日、荒野で犬の形をした岩を見た。実は、痩せた本物の犬だった。ごつごつした岩だらけの荒野に夜が訪れた。

翌朝、犬を連れた洞窟に住む女性(ギタ・ナービュ)と出会う。ディネセンは洞窟に案内され、一晩を過ごした。

洞窟に住む女性から、不思議な話を聞いた。ディネセンが、娘の行方を捜していると云うと、
〝娘さんの母親はいないのね…家族は消え去る運命にあるわ。〟と。

ディネセンは方位磁針を渡されて、まだ何か声が聞こえた様な気がしたが、振り向いてももう誰もいなかった。

とあるお金持ちのお屋敷。ある朝、目覚めた少女は、紫色の下着姿だった。
庭に出ると、数十匹の犬がいた。その中には、ストレスで毛が抜け落ち、皮膚を傷めた犬もいた。

庭師が、娘に〝犬は人間が思っているよりもずっと賢い。未来の事を視る能力があるんだよ〟と語った。

娘は犬を連れて、森に散歩に出かけた。森には湖があり、1つ石を投げると、パタゴニア平原へと想いが飛ぶのだった。

約束の地 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ファンタジー
  • 監督:リサンドロ・アロンソ
  • キャスト:ヴィゴ・モーテンセン、ヴィールビョーク・マリン・アガー、ギタ・ナービュ、アドリアン・フォンダリ etc

約束の地 批評・レビュー

映画『約束の地(2014)』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

犬はなんでも知っている?〜ディネセン親子はどこへ向かうのか

ビゴ・モーテンセンといえば、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの王子アルゴルン役で有名な俳優です。

彼が主演だけでなく、音楽と製作にも挑戦した作品が本作です。そんな気合いの入った作品なのですが、映像は美しいのに同じアングルの風景ばかりで単調で退屈という印象を持つ人もいるようです。

本当に単調で退屈でしょうか?確かに静止画かなと思えるシーンもありますが、撮影監督をアキ・カウリスマキ監督作品の大半を撮っているティモ・サルシネンが手がけています。

撮影には、35㎜フィルムを使用し、正方形のフィルムに収まった映像が特徴です。通常のサイズよりも狭いため、最初は違和感を感じるかもしれません。

しかし、見慣れてくると、まるで1つの風景画の様に見えてきます。この独特な空気感が本作では生かされています。単調に見えて、構図が美しく、見る者をパタゴニアの荒野に誘ってくれます。

特に小川など、水の描写がきれい!リアルなんだけど、蜃気楼の様に幻想的です。
また、物語に〝犬〟の存在が重要視されていて、犬映画と言っていい程、犬で人生を哲学的に語る台詞に注目して欲しい。

ビゴ・モーテンセンがこの映画で表現したかったことは?原風景を再発見する旅

ビゴ・モーテンセンの生い立ちと作品について見てゆくと、本作で1度、自分の原点に帰りたかったのではないかと思います。

彼は幼少期から、アルゼンチン等で過ごし、フランス語をはじめとした語学にも堪能です。
加えて、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで、壮大な魂の冒険を体験した彼が大自然に惹かれるのも必然かもしれません。

作品には、水と犬が象徴的に描かれています。〝水〟は万物を潤す生命で、〝犬〟は人間の良きパートナーです。

娘は、庭師から〝犬は人間よりもずっと賢い〟と言葉を投げかけられます。不思議なのは、この娘とパタゴニアの荒野を父親と共に旅した少女が同じ人物なのかということ。

分からないけれど、どこかで繋がっているのかもしれません。家族が離散してしまう運命や犬に人生を導かれる展開に心を持っていかれました。

荒野での娘の逃亡劇とラストシーンで描かれる、森の散歩。彼女は、〝楽園〟の夢を見ていたのではないでしょうか。美しい風景に心を奪われながら、しみじみとした音楽にも癒されます。

約束の地 感想まとめ

「約束の地」は、遠い。だが、求めようとすれば必ず目の前に現れる〝楽園〟なのかもしれない。ビゴ・モーテンセンが主演だけでなく、製作と音楽を手がけた本作の雰囲気は他の出演作と違う。

ティモ・サルシネン撮影監督による、35㎜フィルムの美しい画像も話題になりました。
パタゴニアの荒野で娘を探し続ける父親の姿、洞窟に住む女性から予言された、〝家族離散〟という悲しい運命。

また犬が、人よりも多くの事を知っているという言葉に、1度でも犬を飼ったことがある人なら共感するのではないでしょうか。

人との繋がりが何より重要で、人は1人では生きてゆけない事が心に沁みてくる作品です。

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