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映画『17歳のカルテ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『17歳のカルテ』の概要:精神病を患い入院することになったヒロイン。現実と向き合うことに恐れている少女達が、現実を受け入れ社会復帰するまでの心の成長を描いた作品。スザンナ・ケイセンの自伝に惹かれたウィノナ・ライダーが製作総指揮を行っている。

映画『17歳のカルテ』の作品情報

17歳のカルテ

製作年:1999年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ジェームズ・マンゴールド
キャスト:ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー、クレア・デュヴァル、ウーピー・ゴールドバーグ etc

映画『17歳のカルテ』の登場人物(キャスト)

スザンナ・ケイセン(ウィノナ・ライダー)
抑うつを患う17歳で大人しい性格。後に境界性人格障害と診断される。いつも憂鬱で不安に苛まれているが、リサと過ごすうちに自分らしさを取り戻す。デイジー自殺後、現実と向き合うことに勇気を得て、社会復帰を目指すようになる。
リサ・ロウ(アンジェリーナ・ジョリー)
病棟のボス的存在。粗野で常に強気。自由奔放。病院内での過ごし方をスザンナに教える。自分より先に退院する者をやっかみ、追い詰めてしまう。入院歴8年。
ジョージーナ・タスキン(クレア・デュヴァル)
スザンナの同室者で、妄想虚言症を患っている。リサに怯えている。
デイジー・ランドネ(ブリタニー・マーフィ)
便秘薬に固執している薬物依存症。いつもツンとしているが、ベッド下に隠し物をしている。状態が安定したため、退院するも脱走して来たリサに追い詰められて自殺する。
ポリー・クラーク(エリザベス・モス)
半身の右側に酷い火傷の痕がある女の子。気弱だが、心優しい。動物が大好き。
ヴァレリー・オーウェンス(ウーピー・ゴールドバーグ)
女子病棟の責任者。精神異常者と長年付き合って来た人物。時に厳しく寛容な心でもって、患者たちと接している。

映画『17歳のカルテ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『17歳のカルテ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『17歳のカルテ』のあらすじ【起】

1960年代後半、抑うつにより夢と現実の狭間にいるスザンナは17歳。彼女はある夜、頭痛を緩和させようとしてアスピリン1瓶とウォッカ1瓶を併用し、病院へ担ぎ込まれる。
回復後、精神科医のカウンセリングを受けたスザンナは、本人が知らぬ間に両親が手続きをとっていたため、否応なしに精神病院クレイモアへと入院することになった。

クレイモアへやって来たスザンナ。彼女はそこで、女子病棟のボス的存在であるリサ・ロウに絡まれる。リサはクレイモアから2週間ほど逃亡していたようで、その間に彼女の親友だった患者が亡くなったらしい。その患者がいた病室へ、スザンナが入ることになったために絡まれたようだった。
リサはすぐさま、看護師たちによって捕縛され保護室へと隔離された。

過去の夢を見ては現実に戻る。行ったり来たりを繰り返すスザンナ。監視付きの入浴、定期的な投薬、周囲は頭のおかしい人だらけだったが、徐々に周囲と溶け込み始める。

リサが解放され、彼女が自由奔放に行動を開始。攻撃的だった面は成りを潜め、一転してスザンナと友好を深める。

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映画『17歳のカルテ』のあらすじ【承】

両親を交えたカウンセリングで、境界性人格障害と診断されたスザンナ。そのせいで更に落ち込んでしまうも、その姿を見たリサが友人達を引き連れ、夜中に病室を抜け出す。リサはあらゆる場所の鍵を隠し持っており、前回はそれを使って脱走したらしい。

隠し部屋でひとしきり遊んだ後、院長の執務室へ潜入した一行。各々が自分自身のカルテに目を通し、病気の自慢大会で盛り上がった。

季節は秋から冬へ。ある日、ヴァレリーに連れられ、大雪の中をみんなでアイスクリームを食べに町へ出た。しかし、店でスザンナの同級生親子と鉢合わせしてしまう。
同級生は立派な大学へ進学しているが、対してスザンナは精神病院に入っている。しかも、病院は彼女の地元にあるため、スザンナの事情は同級生なら誰もが知っていた。そのせいで、肩身の狭い思いをするスザンナだったが、リサと仲間達のお陰で相手を追い返すことに成功する。

それから数カ月。病院の生活にも慣れ、仲間達とも親交を深めたスザンナの元へ、元彼が面会に訪れる。スザンナは彼を自室に誘い、身体を重ねようとするもヴァレリーに注意されて庭へ。元彼はスザンナを病院から連れ出そうとするがしかし、彼女は仲間達を思い、自分は病気だからと彼の申し出を断るのだった。

映画『17歳のカルテ』のあらすじ【転】

その日の夜、ポリーが悲観的になり騒ぎを起こして保護室へ隔離される。スザンナとリサは、2人でギターを持ち出して彼女に歌を唄って慰めた。スザンナに気がある看護師が止めに入るも、彼女は看護師を誘惑して身体を重ねてしまう。

翌朝、そのことがヴァレリーに露呈し、スザンナは院長と面会することになる。院長は彼女にアンビバレンスの言葉の意味を説き、自分の弱点を抱えて一生この病院に留まるか、それとも弱点を受け入れ退院するかをよく考えるように言う。

スザンナの後はリサが面会に向かったが、彼女はそれきり戻って来なかった。関係を持った看護師も男子棟に異動となり、1人になったスザンナは隠し持っていた薬を服用し、数日を寝てばかりで過ごす。だが、それに業を煮やしたヴァレリー。スザンナに自分が置かれた状況をよく見ろと促すも、彼女はヴァレリーの言葉を素直に受け入れられなかった。

その日の夜、リサが密かにスザンナの元へ。どうやらリサはショック療法を受けさせられていたらしい。彼女はスザンナを以前の親友の名前で呼び、共に脱走することになった。町へ出た2人は、ヒッチハイクした人々に誘われていかがわしいパーティへ参加。リサがそこで資金を調達する。

退院したデイジーを頼って、真夜中に彼女の自宅を訪ねた2人。デイジーは快く受け入れてくれるも、リサが彼女の腕にためらい傷を発見。デイジーを言葉で追い詰めてしまう。そんなリサの行動にスザンナは不審を覚えるのだった。

翌朝、散歩に出たスザンナが帰って来ると、同じ曲をずっと繰り返し鳴らしており、デイジーが起きて来ないとリサに聞かされる。スザンナは家の2階へ行き、バスルームでデイジーを発見。彼女は首を括って自殺していた。
スザンナは恐慌状態に陥りながらも、すぐさま救急車を呼んだが、リサはデイジーの姿を見ても驚かずにスザンナを置いて逃亡を図るのだった。

映画『17歳のカルテ』の結末・ラスト(ネタバレ)

遺体の第一発見者となってしまったスザンナ。知らせはすぐさま病院へも知らされ、カウンセラーが迎えに来た。悲しみに暮れるスザンナは、デイジーが飼っていた猫を連れて病院へ戻る。猫はたちまち仲間達の間で人気者となった。

その日の夜、ヴァレリーが病室へやって来る。スザンナは自分の気持ちを素直に吐露。ヴァレリーは彼女に、自分の気持ちをノートに書いて精神を落ち着かせるようアドバイスした。
その後、スザンナは一転して前向きとなり、社会復帰を目指すようになる。

数か月後、発見されたリサが病院へ戻って来る。彼女はまるで人が変わったかのようで虚ろな目をしていた。
退院前日の夜、ふと目覚めたスザンナ。保護室のドアが開いているのを発見し、地下通路へと誘われる。そこでは、リサがスザンナの日記を朗読していた。側にはジョージーナと猫を抱いたポリーもいる。スザンナはリサにより言葉で追い詰められ逃げ回るも、リサの真実を彼女に告げ返し戦意を喪失させた。

翌日の退院前、ヴァレリーの好意により、保護室のベッドに拘束されたリサの元を訪ねることができたスザンナ。彼女が告げた真実によって、リサはこれから快方に向かう可能性が見えてきた。スザンナはリサに病院を退院して、自分に会いに来るのを待っていると希望を託し、笑顔でクレイモアを去るのだった。

映画『17歳のカルテ』の感想・評価・レビュー

精神科病棟という特異な環境を描いていますが、紛れもなくみずみずしい青春。
同時に、そこはまさに社会の縮図、女子が生きる大変さに胸が苦しくなります。
思春期の危うさが見事に描かれた作品です。
アンジェリーナ・ジョリーのエキセントリックな演技が魅力的過ぎます。

映画の中で自然発生的にみんなで歌い出すシーンが好きです。
この映画でも「恋のダウンタウン」をみんなで歌います。
こんな時、人は楽しくないわけがない、たとえ一時でも幸せな気持ちが伝わります。(女性 40代)


正常と異常の違いとは、それは映画を見終わった今でも分からないし、答えがあるかもわからない。でもこのテーマはいつの時代になっても変わらないだろう。多感な10代が終わったばかりの私には共感できるような部分があったし、もっと前に見たかったなとも感じた。ぜひ悩める10代には見てほしいと思う。

また、主人公役のウィノナライダーの演技と同時に、脇役にも関わらず、スザンナが惹かれたように見ている側も引き込まれていく、そんなアンジェリーナ・ジョリーの演技力の高さにも注目したい。そして、出てくる女の子たちは皆スパイスになっていて、ストーリーだけでなく俳優陣も魅力的な映画だった。(女性 20代)


精神病患者という難しい役柄に挑む演技派女優たちのやり取りに心を奪われた。自由奔放なリサに影響を受けるスザンナはどこか痛々しく繊細に表現されている。夜中にこっそり抜け出して皆で楽しんだり、落ち込む子を励ます彼女たちの純粋さはかわいらしかった。

この作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアンジェリーナ・ジョリーの演技は強烈で圧倒された。激しく移り変わるリサの感情を豊かに演じきっていて、受賞も納得だった。(女性 30代)


本作は、薬物大量摂取による自殺未遂を起こし、精神療養施設に送り込まれた少女を描いた青春ヒューマンドラマ作品。
10代の時に観たかった。多感で感情の起伏が激しく危うい少女たちの繊細な心情の変化に圧倒された。
院内で同じように心に傷を負った少女たちが、友情や絆を育んでいき、お互いを元気づけようとする姿に感動した。
院内の少女たちは皆個性的だが、中でもアンジェリーナジョリーの演技と存在感は凄くてエナジーを感じ、ずっと目が離せなかった。(女性 20代)


精神的疾患を持つ思春期の少女達が、一緒に暮らす病棟に入院することになったスザンナ。そこには外の社会とは違う力関係が成り立ち、それがさも当たり前のようになっている。そこに魅力を感じつつも、徐々に疑問を抱いていくスザンナと、そのことによって対立していく少女達。
そこでも出来事がきっかけとなって、社会復帰を自ら目指すスザンナには、力強い生命力があった。一歩間違えば精神病棟でしか生きられないかもしれない危機感や、綱渡りのような感覚がある。(女性 30代)


精神病棟と聞くと、どうしても暗いイメージが思い浮かんでしまう。でも、この作品は明るさが感じられた。
主人公のスザンナが迷って、間違えて、苦悩しながらも、前向きに生きようと頑張る姿に、凄く勇気をもらえた。彼女と同じ年頃で見るのと、大人になってから見るのとでは、出てくる感想が違うような気がする。もっと若いときに、見たかったなと思った。
スザンナを演じたウィノナ・ライダーの、綺麗な目がとても印象的。演技も素晴らしかった。(女性 30代)


かなり女性向けの作品だった気がします。男性はこれを見て何を思うのか、なにか共感できる部分があるのか気になりました。精神科病棟のボスを演じたアンジェリーナ・ジョリーがすごく良かったです。若い頃の彼女の挑発的な目力や表情は見ている者をドキッとさせますよね。一方でウィノナ・ライダーは設定よりもかなり年上に見えてしまいました。彼女が気に入って製作総指揮を務めた作品なので、自身がこの役をやりたかったのだと思いますが、少し残念な印象です。(女性 30代)


なんといってもアンジェリーナ・ジョリーに魅了されます。ぞくぞくするほどの色気がありながら、クールで男勝りな佇まいには何度観ても引き込まれます。
60年代の雰囲気や音楽も魅力的。このあたりは製作総指揮を務めたウィノナ・ライダーのセンスでしょうか。特に音楽のチョイスが良くて、この映画のサントラ盤を購入して何度も聴きました。

多感な少女時代の繊細さや感受性の高さは、そのときは苦しいものだけど、やっぱりキラキラ輝いているものだと思う。あの頃でなければ味わえない切なさみたいなものを思い出させてくれるので、時々見返したい作品です。(女性 40代)

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