映画『3月のライオン 後編』の概要:2017年3月に公開された『3月のライオン 前編』から1ヶ月後に公開された後編。前編で17歳だった主人公の桐山零は18歳となり、将棋を続けてきた本当の理由を見つける。原作となる羽海野チカの同名コミックはまだ連載中のため、後編は原作にはない展開が用意されている。
映画『3月のライオン 後編』の作品情報
上映時間:140分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:大友啓史
キャスト:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太 etc
映画『3月のライオン 後編』の登場人物(キャスト)
- 桐山零(神木隆之介)
- 18歳になる将棋のプロ棋士。以前は完全に自分の殻に閉じこもっていたが、様々な出会いを経て、人と触れ合う喜びを感じ始めている。新人王も獲得した将棋界期待の星だが、学校では全く目立たない存在。小学校ではいじめられっ子だった。現在の年収は約780万円。
- 幸田香子(有村架純)
- 零の師匠である幸田の長女。プロ棋士になるという夢を断たれてから、定職にも就かずにフラフラしている。弟の歩も引きこもりになっている。自分がプロ棋士になれなかったのは、父親と零のせいだと思っている。
- 幸田柾近(豊川悦二)
- 将棋が全ての冷たい人間だと誤解されているが、零や2人の子供たちの幸せを心から願っている。零のことを常に気にかけ、大きい視点で見守っている。
- 川本あかり(倉科カナ)
- ひょんなことで零と知り合い、今では家族同然の付き合いをしている。自分たちを捨てた父親が突然やってきたときも、零を頼る。19歳の時に母親に死なれ、祖父や叔母に助けてもらいながら、2人の妹を育てている。料理上手で家庭的な女性。
- 川本ひなた(清原果耶)
- 川本家の次女。中学3年生の明るい少女だが、最近学校でいじめに遭っている。正義感の強い頑張り屋さん。姉を助け、末っ子のモモの面倒もよく見ている。
- 二階堂晴信(染谷将太)
- 子供の頃から零と対戦してきたプロ棋士。難病を抱えているため自分は無理できないが、零を励まし、熱いアドバイスをする。
- 島田開(佐々木蔵之介)
- 零や二階堂と研究会をしているA級棋士。タイトル戦で宗谷に敗れてから、将棋の調子を崩している。零の良き相談相手。
- 後藤正宗(伊藤英明)
- 宗谷への挑戦権をかけて零と戦うA級棋士。ずっと寝たきりだった妻を亡くし、将棋に集中するため、不倫相手の香子とも別れる。
- 宗谷冬司(加瀬亮)
- プロ棋戦で数多くのタイトルを獲得してきた天才棋士。ごく一部の人間にしか知らされていないが、数年前から耳がほとんど聞こえなくなっている。
映画『3月のライオン 後編』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『3月のライオン 後編』のあらすじ【起】
将棋のプロ棋士をしながら高校へ通っている桐山零は、新人王になったので、高校の朝礼で表彰される。零は、担任の林田に「恥ずかしい」と文句を言いつつも、内心は喜んでいた。18歳になった零の表情は、1年前よりずいぶん穏やかになっている。
会長から将棋連盟に呼ばれた零は、自分と宗谷の記念対局が行われることを知る。現在の名人と将来の名人候補の初対局ということで、スポンサーもすぐに集まったらしい。しかし、零にとって宗谷はまだまだ遠い存在で、言葉を交わしたこともなかった。
零がお世話になっている川本家では、みんなで祖父が営む三日月堂の新商品を考えていた。その晩、零も呼ばれて川本家を訪れる。最初は遠慮ばかりしていた零も、最近はこの家族の好意に素直に甘えられるようになっていた。
将棋界では、獅子王戦のトーナメントが始まっていた。島田はタイトル戦で宗谷に連敗して以来、将棋の調子を崩していた。零の育ての親で将棋の師匠でもある幸田は、家で転んで頭を打ち、大事をとって入院中だった。零は幸田の不戦敗を知り、すぐに病院へいく。そこで、零は看護師を怒鳴りつけている後藤を目撃する。この病院には、後藤の妻が意識不明の状態で入院していた。
その夜、幸田の娘の香子が零のマンションにやってくる。零は香子に、病院で後藤に会ったことを告げる。後藤と香子は不倫関係にあった。香子は、幸田が息子の歩に突き飛ばされてケガをしたのだと話す。プロ棋士になれなかった香子と歩は、今でも劣等感に苦しんでおり、将棋が原因で親子の確執が続いていた。
二階堂の大邸宅に招かれた零は、久しぶりに二階堂と会う。幼い頃から難病を抱えている二階堂は、体調を崩して療養中だった。そんな時でも二階堂は、「今は宗谷に勝つことだけを考えろ!」と零を励ます。
宗谷との記念対局の前夜、現地で盛大な前夜祭が開催される。慣れない環境に戸惑う零と違い、宗谷は終始落ち着いていた。しかし、インタビューの受け答えはどこかちぐはぐで、会場の人たちは不思議そうに宗谷を見つめる。
その夜、零は宗谷を恐れて震えている自分に気づく。そこへ幸田から電話があり、「明日お前の前に座るのはただの人間だ、自分で作った化け物と戦うな」と言ってくれる。その言葉で、零は落ちつきを取り戻す。
対局当日。大勢の取材陣が殺到する中、零は初めて宗谷と盤をはさむ。対局が始まると取材陣は退出し、対局室は静寂に包まれる。零は宗谷の手にうまく対応し、いい勝負を続ける。しかし、途中で一手だけ悪手を指してしまい、自分でもすぐそれに気づく。宗谷は的確にその手を咎め、優勢を維持する。零は夢中で宗谷に食い下がっていく中で、不思議な感覚を味わう。零は知らず知らずのうちに、このまま宗谷と将棋を指し続けていたいと願っていた。勝負に負けてしまってからも、零はその感覚から抜け出せなかった。
映画『3月のライオン 後編』のあらすじ【承】
東京へ戻った零は、島田を訪ねる。そして宗谷との対局で味わった感覚を話してみる。島田は零の話を聞いて、宗谷の秘密を話してくれる。宗谷は、数年前から耳がほとんど聞こえなくなっていた。
零は盛岡のお土産を持ち、川本家へいく。零がお邪魔した直後、ひなたが学校から帰ってくる。ひなたは玄関に立ち尽くしたまま、ボロボロ泣いていた。
中学3年生になったひなたのクラスでは、陰湿ないじめが横行していた。最初に標的になったのは、チホというおとなしい女の子だった。誰もが見て見ぬふりをする中、ひなたは担任にチホへのいじめを訴え、彼女をかばう。しかし担任は聞く耳を持たず、チホは転校してしまう。そしてひなたが、次の標的になってしまった。
ひなたは、今日初めてその事実をあかりや零に打ち明け、怖がるモモに気を使い、川辺で泣きじゃくる。号泣しながら「私のしたことは絶対に間違っていない」と言い切るひなたを見て、零の体に衝撃が走る。小学校の頃から、零もずっといじめに遭ってきた。そして今、チホを救おうとしたことは絶対に後悔しないというひなたの強さと優しさに、幼い頃の自分が救われた気がしたのだ。零は彼女を恩人だと感じ、一生彼女を守ろうと誓う。
零は自分のできることを考え、まずはお金を貯めようと決意する。休日、ひなたたちが祖父と出かけている間、零はあかりの話を聞く。母親代わりのあかりは、ひなたのことで胸を痛めていた。あかりは心のどこかで、ひなたに逃げて欲しかったと思っていて、そんな自分を恥じていた。零はひなたの言葉に救われた話をして、不器用ながらもあかりを励ます。あかりは零の話を聞いて泣いていた。
林田は、零がひなたのためにお金を貯めていると聞き、彼のズレた感覚に呆れてしまう。林田に注意されて零は考え直し、ひなたに将棋を教えてやる。そして、どうして欲しいのか本人に聞いてみる。ひなたは学校が嫌なわけではなく、ただ悔しいのだと涙を流す。
いじめはエスカレートする一方だったが、ひなたはめげずに学校へ通っていた。黒板いっぱいに書かれたひなたの悪口を見て、担任はひなたを責める。そのことでひなたと主犯格の女生徒が喧嘩し始めたのを見て、担任の様子がおかしくなる。担任はそのまま心を病み、学校をやめていった。
これを受け、学校側が本気で動き出す。学年主任はクラスの全員から話を聞き、主犯格の女生徒を何度も呼び出す。そしてひなたへのいじめは終わる。
夏祭りの日。三日月堂の出店を手伝っていた零は、ひなたからいじめが終わったという報告を受ける。「何の役にも立てなくてごめん」という零に、ひなたは「そんなことない」と反論し、手作りのマスコット人形をくれる。
映画『3月のライオン 後編』のあらすじ【転】
将棋界では、獅子王戦のトーナメントが進んでいた。零は順調に勝ち上がり、準決勝に進出する。同じく勝ち進んでいた後藤は、今日の対局中に妻が亡くなったことを知らされていた。後藤は対局中にも関わらず将棋会館を離れ、病院に駆けつけていた。そしてひと目だけ妻の死に顔を見てトイレで泣き、再び対局室に戻って勝負に勝っていた。
後藤の妻のお葬式には、多くのプロ棋士が参列する。その中にはあの宗谷の姿もあった。その帰り、零は久しぶりに幸田の家を訪ねる。歩は相変わらず部屋に引きこもってゲームばかりしており、香子は何をやっても長続きせずにフラフラしていた。零は、幸田の家族が心配だった。
冬のある日。川本家を訪れた零は、見知らぬ男と鉢合わせする。その男は、あかりたちの父親だった。その時、外出中のあかりから、「私が帰るまで、ひなとモモのそばにいてあげて」と零にメールが入る。零は、自分を追い返そうとする父親を無視して、家に上がりこむ。ひなたはどうしていいかわからずに怯えていた。数年前に家族を捨て、すでに別の女性と結婚している父親が、急に「またこの家で一緒に暮らそう」と言い始めたのだ。
その晩、零はあかりから、初めて姉妹の父親の話を聞く。父親はどうしようもない男で、あかりの母親をさんざん苦しめた末に家族を捨て、今まで放置してきた。心労が重なった母親は病気になり、子供たちを残して逝ってしまった。零は、絶対にあの父親から姉妹を守ろうと決意する。
父親は再び川本家にやってきて、「一緒に暮らそう」とあかりたちを説得する。零は父親と対峙し、「なぜ急にそんなことを言い出すのか」とつめ寄る。零はすでに、父親のことをいろいろと調べていた。勤務先をリストラされた父親は、社宅の退出期限が迫ってきたため、急にこの家に帰りたいと言い出したのだ。痛いところをつかれた父親は「他人には関係ない」と激怒する。すると零は冷静な口調で、「僕はひなたさんとの結婚を考えていますので他人事ではありません」と言い切る。それを聞いて、ひなたは気絶してしまう。
零は獅子王戦の準決勝に勝ち、決勝へコマを進める。対局後、あかりから「モモがいなくなった」というメールが入る。どうやら父親が保育園から勝手に連れ出したらしい。川本家に駆けつけた零は、モモを連れて帰ってきた父親と対決する。
零は姉妹を守りたい一心で、徹底的に父親を全否定する。零の辛辣な言葉を聞いたひなたは、「そんな人でも私たちのお父さんなんだよ」と泣き出してしまう。あかりにも帰るよう言われ、零は愕然とする。零は混乱したまま、足早に川本家を立ち去る。
映画『3月のライオン 後編』の結末・ラスト(ネタバレ)
獅子王戦の決勝の相手は後藤に決まる。川本家の人たちに否定されたと思い込んだ零は、自分には将棋しか残ってないと感じ、学校をやめると言い出す。林田は「そんなことないと思うぞ」と声をかけるが、零は思いつめていた。
後藤もまた、将棋の研究に没頭していた。後藤は将棋に集中するため、香子に別れを告げる。その頃零は、ひなたからもらったマスコット人形をゴミ箱に捨てていた。
酔っ払って帰宅した香子は、父親に恨み言を言い始める。「私の不幸は全部将棋のせいだ」と言って泣き出した香子に、幸田は黙って水を差し出す。
島田の研究会では、零のために後藤対策が練られていた。しかし、零はどこか心ここに在らずの状態で、二階堂に怒られる。零は、心身ともにボロボロだった。
獅子王戦の決勝戦当日。零と後藤の対局が始まる。同じ日、川本家の三姉妹は父親と遊びに出かけていた。
幸田家では、幸田が香子を呼び、ある局面を見せる。それは、香子が零を殴った時の将棋の局面だった。幸田は、「あの時お前には勝ち筋があった」と話し始める。しかし、自信をなくしていた香子には、その勝ち筋が見えておらず、怒りに任せて零を殴ったのだ。将棋が何かを奪ったのではなく、自分から夢を手放したのだと言われ、香子は涙を流す。多くは語らなかったが、幸田はちゃんと自分のことを見てくれていた。香子は初めて、幸田から父親としての深い愛情を感じる。
一方、楽しい時間を過ごしたあかりたちは、「今日でお別れです」と父親に絶縁宣言する。ひなたも「もう会いにこないで」と父親に頼む。それでも食い下がってくる父親をあかりが殴る。さすがの父親もこれには参ってしまい、姉妹のもとから去っていく。これが、三姉妹で出した結論だった。
零と後藤の対局は、後藤有利で終盤戦を迎えていた。精神的にボロボロだった零は、狂ったように自分の頭を何度も殴る。それでも零は、将棋を指し続ける。生きるためにすがりついていた暗闇の中の命綱、それが零にとっての将棋だった。しかし、いつの間にか零は、将棋から多くのものを与えられていた。最終盤、零は様々なことを思い出し、たまらずに泣き出してしまう。零は将棋が好きだから、何があっても将棋だけは捨てられなかったのだ。それに気づいた零は、渾身の一手を見つけ出し、大逆転で勝利する。
対局後、零は将棋会館を飛び出して川本家へ向かう。零は姉妹に「傷つけてしまったことを謝りに来ました、本当に申し訳ありません」と頭を下げる。姉妹は、笑顔で零を迎えてくれる。彼女たちは、零が来るのを待っていたのだ。
香子は後藤のマンションの前で、後藤が帰ってくるのを待っていた。「私を大事にしないから負けたのよ」と言われ、後藤も苦笑いする。そして2人は寄り添い、マンションへ消えていく。
タイトル挑戦の決まった零は、幸田に付き添われ、和服を作りにいく。幸田はずっと、零が生きるために嘘をついたのではないかと思ってきた。しかし今は、やはり零は将棋が好きだから続けてこられたのだと思えるようになっていた。その話を聞いた零は、素直に「はい」と答える。
宗谷との獅子王戦の日。和服姿の零は、長い階段を一歩ずつ登り、宗谷の待つ対局場へと向かっていく。この対局には、幸田家の人たちを家族として招待していた。人を愛し、自分のことも愛せるようになった零は、自信に満ちた表情で宗谷の前に座る。そして零は、お守りとして持ってきたひなた手作りのマスコット人形を取り出すのだった。
映画『3月のライオン 後編』の感想・評価・レビュー
前編から1ヶ月後の公開とは、製作時は大変だっただろうな、と予想。
当たり前かもしれないが、後編のストーリーのほうが重めである。
原作ファンの方からは評価が低いようだが、未読の自分は前後編共に楽しめた。
それも、対局中に相手と会話がない、一般的に地味な「将棋」対決をどう面白く見せるかに尽力してくれた役者陣や製作陣の努力の賜物だと思う。
漫画はまだ連載中のこと。
なので、映画のエンディングはこの物語のためだけのものだ。
これからでも原作を読んでみようかな、という気持ちにもなった。(女性 30代)
原作には無い展開を含み、映画作品としては完結となっている。川本家の父親問題も、劇中では絶縁宣言という形で収まっているが、原作での父親像はもっといやらしくネチっこい印象があるので、少し軽めになっている所は違和感を感じてしまった。また、幸田が零に対する確執を持つ香子を戒める部分も、映画作品としてみれば必要なものだったのだろうが、3月のライオンは、将棋をテーマにしているが、特筆すべきはそれぞれの人間関係の面白さなので、そういった期待をして観ると少し物足りなく感じてしまうかもしれない。(男性 30代)
前編では焦点はズレているもののある程度は仕方ないという評価をしたが、後半は焦点がぶれにぶれにて何の話か分からない。それぞれ二時間ドラマにできそうなエピソードを3つほど同時進行させている。落語の三題噺のような脚本だ。大風呂敷を広げてあとは一生懸命たたんでいるという仕上がりで作品の体裁を保っているかすら怪しい。エピソードやキャラクター自体は面白いので見られない作品ではないが、せっかくの材料を無駄にしてしまった。(男性 30代)
前編・後編通して、安定した作品だったという印象を受けた。
登場人物の心理的な部分や、人物同士の会話など、とても丁寧な脚本なので引き込まれる。しかし、期待していた以上のものは見られなかった。映画全体の雰囲気が落ち着きすぎているように思える。
後編は若干話を詰め込みすぎたようにも思えた。もう少し削れる部分は削って、狭く深く作られていれば満足度は変わっていただろう。
しかし前編同様、俳優陣は素晴らしい演技をしていた。これだけで今作は一見の価値がある。(男性 20代)
「るろうに剣心」のアクションとは真反対の“静”の将棋盤の戦い。なのに、“動”を感じることもできるカメラワークや表情の撮り方は映画ならではで、大友監督だからこそなのではと思います。
オリジナル要素が増えたためなのか、キャラクターの行動に対して違和感が拭えないところもあり、大満足とは言えませんでした。ただ、10巻以上続く原作の全てを落とし込むのではなく、この映画として重きを置いたものに対しては納得できる落とし所を持った映画になっていたと感じました。(女性 30代)
大人気マンガ実写の後編。
プロ棋士である高校生・桐山零の物語だが、対局を追うただのVSモノではない。零とその周囲との関係性に見事なドラマ設定がなされている。一見シンプルな構図に見えるが、すべての登場人物の成長に繋がるよう、計算されているのだ。
零の棋士仲間、幸田家、川本家の人間たちも、それぞれが悩みを持ち、不器用ながらも生きている。そんな周囲との関係に悩みつつも、一生懸命にぶつかっていく零の姿に心を揺さぶられてしまうのだ。
実写化で成功した映画の一つであることは間違いない。(男性 40代)
凄いの一言です。前編を見た方は分かると思いますが、すぐに続きを見たくなるような終わり方だったので、この後編にはかなり期待をしていました。その期待を遥かに超えるストーリー。零の周りにいる優しさに溢れた人たちも苦しみや悲しみを抱えていて、それを知った零はその苦しみを少しでも取り除こうと人のために動いていて。将棋しかないと言っていた零ですが、将棋を通して様々なものを貰い学んでいたのだと感じました。
ラストの宗谷との勝負。零を応援する気持ちと、宗谷の苦しみも知っているので宗谷に頑張ってもらいたい気持ちと、物凄く感情移入している自分に気が付きました。(女性 30代)
好印象だった前半とは打って変わって、「おや?」と感じるところがちらほら。
あかりさんの、桐山くんが父親に対して勇気を振り絞って物を申した後の対応があまりに冷たすぎて、いたたまれない気持ちになった。これでは桐山くんを利用して悪者にしただけだし、桐山くんはただただ空回りしているだけではないか。果たして、原作はこんな話だっただろうか。ニュアンスが変えられている気がする。
尺がない中にとにかくエピソードを詰め込んだ感じがして、感情が動かされるまでいかなかった。(男性 30代)
前後編の後編。前編とはトーンが異なり、主人公の将棋を離れた部分のドラマの印象が強い。もちろん前後編通して観た方が良いが、仮にどちらかしか観なかったとしても肝となる部分はそれなりに味わえるのではないだろうか。そんな絶妙な前後編からなる作品。
ただ姉妹達の父親とのあれやこれやについてのエピソードには若干の違和感を感じた。長い原作を持つ作品を映画化した時にありがちな端折った感というか短絡感というか…そこを除けば十分「アリ」な一本。(男性 40代)
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