映画『サードアイ』の概要:両親の死をきっかけに妹と共に実家へ戻って来た姉。妹は幼い頃に第三の目、サードアイを開眼し、霊が見える能力を得ていたが、周囲には受け入れられず学校にも通うことができずにいた。そこで、姉は妹を助けるべく自身もサードアイを開眼させるが…。
映画『サードアイ』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ホラー
監督:ロッキー・ソラヤ
キャスト:ジェシカ・ミラ、デニー・スマルゴ、チトラ・プリマ、ビアンカ・ヘロ etc
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映画『サードアイ』の登場人物(キャスト)
- アリア(ジェシカ・ミラ)
- 勇敢で明るい姉。両親から自立し、一人暮らしをしている。幼い頃からサードアイが開きかけていたが、本人は気のせいだと思い込むことで開眼を防いでいた。妹を守り助けるため、サードアイを開眼させる。
- アベル(ビアンカ・ヘロ)
- アリアの妹。5歳の時にサードアイを開眼し、霊の存在に怯えながら育った。両親の死をきっかけに姉と共に両親の遺産である家へ戻って来る。常にヘッドホンで音楽を聴くことで、霊の存在や音を聞かないようにしている。
- ダビン(デニー・スマルゴ)
- アリアの恋人。実は死んだことを自覚せずにいた霊。アリアを深く愛し、彼女と妹を助けようと協力してくれる。自身は父親と和解するべく空港へ向かう際、車に轢かれて亡くなっている。
- ウィンドゥ(シトラ・プリマ)
- 霊媒師。幼い頃からアベルに教えを授け、能力との付き合い方を教える。姉妹の自宅に住み着く悪霊一家の除霊を助け、姉妹の師とも言うべき頼もしい存在。あの世への扉を開くことができる。
- アセップ(エピ・クスナンダル)
- アリアとアベルの家の庭師。前の雇い主から酷い扱いを受け、恨みを抱え一家を惨殺してしまう。一家の霊に乗っ取られたアリアに殺されてしまい、アリアに深い恨みを抱える。
映画『サードアイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『サードアイ』のあらすじ【起】
2005年、ジャカルタ。アリアとアベル姉妹は比較的裕福な家庭で育ち、豪邸に住んでいた。ある日、幼い妹アベルが幽霊を見たと言い出す。その時、アリアはただの虚像だと言って妹を宥めた。ところが、その日の夜に酷い嵐が自宅を襲来。アリアは別室で気配を感じ異様な姿をした霊を目にする。直後、アベルが悲鳴を上げ足に傷ができていたため、両親は強盗に入られたと危機感を覚えるのだった。
あれから12年後の2017年。アリアは恋人ダビンと穏やかな生活を送っていた。しかし、両親が交通事故で亡くなったという訃報を叔父から聞き、慌てて帰省。叔父は両親が亡くなった経緯を話し、残されたアベルの面倒を見るようアリアへと頼む。そして、現在の住宅は社宅であるため、父親亡き今、その家に住み続けることができないと告げるのだった。
アリアは両親の墓にダビンと花を添え、アベルを迎えに行く。両親が残した豪邸へ引っ越しするためだ。アベルは豪邸には何かがいるから行きたくないと言う。父親の仕事の都合で、姉妹は各地を転々としたが、その度にアベルは何かがいると騒いだ。アリアはそんな妹の話を信じず、軽くいなすだけである。
豪邸では、長年勤めてくれている庭師のアセップが待っていた。1年以上、放置されていた家には埃が積もり、痛みが目立つ。ダビンと共に家中を見て回るアリアを他所に、アベルは豪邸に住む何かに酷く怯えていた。
しばらくして、生活は落ち着いたものの、学校を休み続けるアベルにアリアは何度も声をかけた。妹は部屋に引き籠ってなかなか出て来ない。深夜になって夜食を取りに行ったアベルは、男の霊と遭遇し悲鳴を上げる。飛び起きたアリアとダビンは、妹を精神科へ連れて行こうとしたが、アベルは自分が幼い頃に第三目、サードアイが開眼し、霊が見えるのだと真実を告げるのだった。
映画『サードアイ』のあらすじ【承】
翌日、アリアは妹とダビンの3人で長年、世話になっているらしい霊媒師ウィンドゥの元へ。サードアイについて詳しい話を聞いた。サードアイとは霊を見る能力である。アベルは5歳の時に開眼し、生活が一変した。
ウィンドゥ曰く、あの世は苦痛や悲しみ、重圧や怒りに満ちている世界らしい。アベルは恐れながらも長い時間をかけ、現実を受け入れたようだが、アリアには容易に信じられる話ではなかった。そこで、アリアは実際に体感するため、ウィンドゥにサードアイを開眼させてもらいたいと頼み込む。しかし、サードアイは一度開いたら閉じることができない。それでもアリアは妹のために儀式へと挑んだ。
儀式を無事に終えたアリアだったが、彼女の目に霊の姿は見えなかった。帰宅した彼女は妹に学校へ行くよう告げ、精神科受診の約束を取り付ける。ところが、アリアの腕にいつの間にか痣が出ており、激しい頭痛に襲われ救急病院を受診。彼女は待合所で傷だらけの少女と会話をしたが、診察をした医師からは疲労のせいだと診断される。そこで、少女の母親という女性に会話した内容を伝えたが、少女は事故で朝に亡くなったと言われる。驚愕し恐怖に苛まれたアリアは、慌ててアベルと連絡を取った。
妹に生者と死者の見分け方を聞いたが、アベル曰く見分けはつかないが、死者は大抵、恐ろしいらしい。病院で多くの霊と会ってしまい、恐怖に襲われつつ慌てて自宅へと帰ったアリア。
落ち着いた頃、アベルから死者との付き合い方を聞く。妹を疑っていたアリアだったが、サードアイを開眼して長いアベルの話はとてもためになった。死者は見える者に近づいて来る。いい霊も悪い霊もいて、大概は思い残したことを遂げたいと助けを求める。ウィンドゥは願いを叶えれば霊は成仏すると言うが、アベルは怖くてとても願いを叶えることができないのだった。
映画『サードアイ』のあらすじ【転】
その夜、アベルが言っていた通り、自宅にも霊がいると知ったアリア。霊はどうやら幼い子供がいる一家らしく、襲われたアリアは暗闇へ引きずり込まれてしまう。深夜にアリアがいないことに気付いたアベルが見つけてくれたお陰で、どうにか助かるのだった。
翌日、再びウィンドゥの元を訪れた姉妹。自宅に住まう霊の一家の望みは“家”だが、ウィンドゥ曰く、二つの意味があるらしい。姉妹の体を乗っ取り、望みを遂げることと家を奪った姉妹に復讐するため、あの世へと姉妹を連れ去ることだ。
ウィンドゥは姉妹の家へ赴き霊の鑑定を行い、姉妹を交えて霊と交信することに。姉妹とダビン、ウィンドゥの4人で交信を開始したが、ダビンはサードアイを開眼していないため、霊から拒絶される。一家の霊と交信することができた姉妹とウィンドゥ。3人はそこで、一家が強盗に襲われ無念の死を遂げたことを知る。姉妹の父親が家を買う前に起こった悲惨な出来事だった。
一家は姉妹を家から追い出したがっている。だが、家は両親の遺産で金銭的にも転居する余裕がない。そこで、ウィンドゥは一家をあの世へ送り返す儀式を行うことにした。サードアイのないダビンには危険なので、帰ってもらう。そして、姉妹と霊媒師は早速、儀式を開始。ところが、開始早々アリアが吹き飛ばされ意識を失ってしまう。アリアは意識を失ったことで、一家の世界へと飛ばされてしまった。
一家が詰め込まれたクローゼットで遺体を発見したアリアだったが、突如襲われ体を乗っ取られてしまう。ウィンドゥの咄嗟の判断でアリアを拘束することができたが、霊は非常に強力だった。ウィンドゥとアベルはアリアの除霊中、一家を殺害した犯人が庭師のアセップであったことを知る。
一家の怨みは強く、アリアの除霊は失敗。拘束から逃れたアリアはアセップを狙って外へ出てしまった。アベルとウィンドゥは慌てて後を追ったが、アリアはアセップの家へ乗り込み彼を殴りつけてしまう。
アセップは前の家主に雇われていたが、何かにつけて酷い扱いを受けていた。恨みを募らせたアセップは一家を襲ったのだが、殺すつもりはなかったと言う。一家に乗っ取られたアリアは問答無用でアセップを殺してしまった。
そこへようやくウィンドゥとアベルが駆け付ける。しかし、姉を助けようとした妹に一家の霊が乗り移り、彼女の魂があの世へと連れ去られてしまうのだった。
映画『サードアイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
命の危険が迫っているアベルを病院へ搬送。ウィンドゥはアベルを助けるにはあの世へ行って連れ戻すしかないと言う。そこで、アリアが幽体離脱をしてあの世へ行くことにした。戻るには別の霊の付き添いが必要らしい。ウィンドゥは彼女に過去の記憶を振り返らせた。
実は幼い頃からサードアイが半分開きかけていたアリア。彼女にも実は霊の姿が見えていたが、気のせいだとして真剣に向き合わなかった。完全に開かなかったのはそのお陰かもしれないが、アリアにはこれまでに仲良くなった霊がいるはずだと言う。そこで、ウィンドゥは更にダビンへと過去を振り返るよう告げる。
ダビンは父親の再婚を受け入れられず長い間、反目していた。彼は4年を経て父親を許そうと空港へ向かう途中で、車に轢かれ命を落としてしまう。自分が死んだことを自覚せずにアリアと出会った彼は、恋人として傍に付き添い続けた。
恋人たちは真実に愕然としたが、死者と生者が付き合い続けることはできない。ダビンは恋人の妹を助けるべく、アリアと共にあの世へ付き添うことになった。
繋いだ手を離さないようあの世へ向かった恋人たち。出口を確認後、アベルの魂を探す。悪霊に脅かされながらも暗闇が続く道の奥へと進み、2人はようやく囚われたアベルを発見。ところが、アベルはアリアを誘き寄せる餌としてアセップが捕らえていたのだった。
ウィンドゥが魂を隠す術をかけていてくれたため、アセップはアリアを捉えることができない。脅威に晒されながらも襲われることなく無事に出口へと到達。アベルを先に戻しアリアはダビンと涙ながらに別れた。
姉妹が無事に現世へと戻ってから2週間後、生活の中で出会った霊の除霊をウィンドゥと共に密かに行うようになった姉妹。2人は手を固く繋ぎ合い、家にまで付いて来た霊の望みを聞き出そうと声をかけるのであった。
映画『サードアイ』の感想・評価・レビュー
インドネシアのホラー映画。ベタなストーリー展開ではあるものの、登場する霊の姿や動きなどよく見ると、かなりリアルなメイクが施されている。ホラー好きにはあまり怖いと感じない演出が多く、むしろ期待通りの脅威度であるため、違う意味で楽しむことができる。
問題は霊媒師の凄さである。彼女は姉妹の師匠のような存在になり、導く者としての役割があるが、あの世の扉を開いたりサードアイを開眼させたりと、飛び抜けた能力を有している。あまりに奇抜であるため、少し出来過ぎな印象を受けた。お化け屋敷のような感覚を味わうことができる作品。(MIHOシネマ編集部)
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