映画『四十二番街』の概要:「四十二番街(原題:42nd Street)は、1933年のアメリカ映画。チャールズ・チャップリンなどの映画に俳優として数多く出演し、その後、監督業に転向したロイド・ベーコン。主演は「或る男の一生」のワーナー・バクスター。
映画『四十二番街』 作品情報
- 製作年:1933年
- 上映時間:86分
- ジャンル:ミュージカル、ラブストーリー
- 監督:ロイド・ベーコン
- キャスト:ビービー・ダニエルズ、ジョージ・ブレント、ワーナー・バクスター、ウナ・マーケル etc…
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映画『四十二番街』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『四十二番街』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『四十二番街』のあらすじを紹介します。
ブロードウェイの大物コンビ、ジョーンズ&バリーの新作が公開されると巷では噂を呼んでいた。演出はブロードウェイ屈指のヒットメーカー、ジュリアン(ワーナー・バクスター)だった。財産を株につぎ込み破綻寸前に追いやられた彼は、これを遺作とした意気込みで張り切っている。主演はスポンサーご執心のスター、ドローシー(ビーブ・ダニエルズ)に決定する。彼女には元恋人のパートナーであるパット(ジョージ・ブレント)がいたが、スポンサーの機嫌を損ねてショーを台無しにされてはならないと、ジュリアンはギャングを雇いドローシーに近づかないよう彼を脅迫する。
オーディションでコーラスガールの一人に選ばれたペギー(ルビー・キラー)は、新進歌手のビリー(ディック・パウエル)に一目惚れされるが、稽古中に倒れ介抱してくれたパットに心を揺らす。彼に送られアパートに帰った所を大家の誤解から追い出される羽目になり、彼女には行くあても金も失ってしまった。
仕方なくペギーはパットの部屋に世話になり、パットは彼女の寝姿に一瞬怪しい気持ちも起こすが、パットの気持ちはドロシーにのみ注がれていた。
パットは紳士的に自分のベッドを彼女に譲るが、そんな二人の仲を疑ったドロシーは彼に別れを告げる。やがてパットの巡業先とショーのオープニング地がたまたま一緒になり、ドロシーは彼と鉢合わせになる。そこでパットとペギーの仲を裂こうとする企みが逆効果になり、ドロシーは誤って足首を骨折するが、気持ちを改め主役の座をペギーに譲るのだった。
映画『四十二番街』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『四十二番街』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
実験的なカメラワークにより生み出されたダイナミズム
1時間少々の物語の後に幕を開ける舞台「プリティ・レディ」こそがこの映画の見ものである。列車がまっ二つに割れ、車内の寝台で新婚カップルのパットとペギーを冷やかす唄と踊り。女性の股間越しのショットにペギーの機関銃タップ。タイムズスクエアに展開する主題歌「四十二番街」のシーン。ダンサーを真上から見下ろし、万華鏡的な映像を作る、振り付け師のバスビー・バークリーに冠を取った「バークリー・ショット」は大評判となり、バークリー作品のみならず多くのミュージカル映画に採り入れられるスタンダード的な手法となった。舞台では見せることが不可能なアングルで、映画でしか出来ない立体的な手法を駆使したという内容を表現した、30分弱のクライマックスにより本作はミュージカル映画史に燦然と記録されるのである。後から生まれた絢爛なミュージカル映画も本作の影響を多大に受けたという点では、ミュージカル表現の革新的作品として知っておくべき映画だろう。
MGMミュージカルの夜明け的な演出
チャールストンのセンス、小気味良いスピーディな演出、瑞々しいジンジャー・ロジャースやルビー・キラーの可愛らしさなど、ストーリーがシンプルな分、これらのオリジナルな映画的要素が際立ち何度見ても飽きることがない。モノクロ作品ではあるが、MGMの豪華絢爛ミュージカルの先駆け的な演出となった、音楽と踊りの醍醐味を充分に堪能できるダイナミックな映像マジックに満ち溢れている。
映画『四十二番街』 まとめ
ジュリアンの振り付けによるミュージカルシーンは特筆される部分であり、俯瞰や股下、幾何学的な万華鏡のような映像感覚が圧巻である。ミュージカル映画にあるべきすべてのエッセンスが満載されている。42番街の雑踏までセットした緻密な作りも窺え、バックステージの巧みな演出。ラスト30分に視覚効果の技巧が冴え渡るテンポの妙が素晴らしい。至福のひと時を満喫できる、ゴージャスな空気に包まれたミュージカルの先駆け的作品である。
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