この記事では、映画『グレタ GRETA』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『グレタ GRETA』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『グレタ GRETA』の作品情報

上映時間:98分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:ニール・ジョーダン
キャスト:イザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツ、マイカ・モンロー、コルム・フィオール etc
映画『グレタ GRETA』の登場人物(キャスト)
- グレタ(イザベル・ユペール)
- 地下鉄に置き忘れたバッグの持ち主。バッグを届けてくれたフランシスと親子のように親しくなるが、罠だとバレると異常なストーカーに変貌する。未亡人で二コラという娘がいる。
- フランシス(クロエ・グレース・モレッツ)
- ニューヨークの高級レストランで働く女性。落とし物のバックを持ち主のグレタに届ける真面目な性格。亡き母の面影をグレタに重ね、親密な交流が始まるが、それはグレタが仕組んだ罠だと分かる。
- エリカ(マイカ・モンロー)
- フランシスと同居している親友で、フランシスとグレタが急接近するのを心配する。その不安は的中し、グレタの凶行に巻き込まれていく。
映画『グレタ GRETA』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『グレタ GRETA』のあらすじ【起】
ニューヨークの地下鉄。落とし物のバッグを見つけたフランシスは、持ち主のグレタ・ヒデックの自宅に直接届けに行った。玄関から現れたのは上品で優しそうな未亡人。フランシスは彼女のピアノの演奏に耳を傾けながら、亡き母の面影を彼女に重ねる。何の警戒心もなく電話番号を教え合い、一緒に飼い犬を探すことを約束した。
後日、2人は保護犬の預り所へ行き、一緒に犬を選んだ。グレタの娘の二コラは、パリの音楽学院に通っていると言う。フランシスは優雅なグレタに憧れを抱き、私はガムのようにくっついたら離れないと微笑みかけるのだった。
ある夜、フランシスは同居人の親友エリカから、グレタに近づき過ぎるなと忠告されるが、再びグレタの家へ行った。まるで本当の親子のように、仲良く料理を作る2人。しかしその途中、フランシスはキャビネットの中に隠されていた大量のバッグを発見する。それは、地下鉄で見つけたものと同じ型。それぞれに様々な女性の名前と電話番号が貼られていた。この出会いはグレタの罠だと気付いたフランシスは、不調を訴えて家を出て行った。
映画『グレタ GRETA』のあらすじ【承】
翌日からグレタの異常行為が始まった。一日80回もの電話攻撃、勤務先のレストランに出没し、自宅にはユリの花束を送る。ある日、グレタが店の前で一日中立ち続けていたため、フランシスは警察に相談するが、犯罪ではないから無視するように言われる。家に帰るとグレタが待ち伏せしており、噛んでいたガムをフランシスの髪に吐き捨てた。
グレタの異常行為はエリカにも及んだ。グレタは外出しているエリカに付きまとい、彼女の画像を「くっついて離れない」というメッセージを付けてフランシスに何度も送信する。フランシスはタクシーで駆けつけて、どうにかエリカを助け出した。
グレタの娘二コラの所在を探していたフランシスは、アレクサという女性から二コラは4年前に自殺したと聞かされる。さらに、二コラは子供の頃にグレタによって箱に監禁されていたという事実を知った。
レストランの客として現れたグレタは、フランシスの前でわざとグラスを落とし、さらにテーブルをひっくり返して大声で暴れたため、警備員に締め出される。拘束衣で警察に連行されるが、すぐに釈放された。
映画『グレタ GRETA』のあらすじ【転】
フランシスはグレタを教会に呼び、自分の思わせぶりな態度が悪かったと謝罪。明日から旅に出ると嘘をついて別れた。翌日、フランシスは自宅でコーヒーを飲み、意識が朦朧となる。グレタが麻酔薬を混入していたのだ。グレタはフランシスをタクシーに乗せて自宅へ。ピアノの後ろの隠し部屋に運び、嘘つきを懲らしめると言いながらおもちゃ箱に閉じ込めた。
しばらくしてフランシスはおもちゃ箱から出て、部屋の中にサマンサという女性のIDカードを発見。自分の前にも犠牲者がいたことを知る。
グレタはフランシスのスマホを使い、彼女の父とエリカ宛に、旅に出ていると偽メールを送った。数日後、娘の行方不明にようやく気付いた父は、グレタの素性調査を探偵事務所に依頼。すると、麻酔薬の誤用でクビになった元看護婦だと分かった。
フランシスはグレタの家で麻酔薬を飲まされ続け、体が思うように動かなくなる。一緒にクッキーを作らされている時、こん棒でグレタを襲撃。グレタは小指を切断されながらも、フランシスを麻酔で眠らせた。地下室の片隅には、サマンサが瀕死の状態で倒れていた。
映画『グレタ GRETA』の結末・ラスト(ネタバレ)
グレタは切断された小指の切り口に麻酔を注射して痛みを和らげた後、フランシスの体を風呂場で洗い、監禁部屋のベッドに縛り付けた。
グレタの自宅を突き止めた探偵は、彼女に声をかけられて家に招かれる。フランシスは来客の存在に気付き、体を揺らして壁にどんどんと音を立てた。グレタは物音をかき消すため、ショパンのレコードを大音量で流した後、探偵に麻酔を打ってピストルで銃殺した。
グレタは新たな獲物を狙うため、地下鉄にバッグを忘れる作戦を再開させる。バッグは間もなくある女性に拾われた。その女性と自宅で語り合うグレタだったが、コーヒーを飲んだ直後に気を失う。その女性は変装したエリカだった。地下鉄を歩き回ってバッグを探してここに辿り着き、グレタが席を立った隙にコーヒーにドラッグを混入したのだ。
エリカは監禁部屋からフランシスを救い出し、グレタをおもちゃ箱に閉じ込めて部屋を出た。グレタは箱の中で体を揺らしながら、かんぬきを外そうと抵抗するのだった。
映画『グレタ GRETA』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ベテランと若手女優のW主演であるが、イザベル・ユペールの圧倒的な存在感が際立っていた。上品で優しいイメージの未亡人が、狂気に走るストーカー役に豹変する姿が凄まじい。すぐに心を許すフランシスにも落ち度はあるが、相手が彼女なら騙されてもしょうがない。しぶとくてエキセントリックな凶行に、最後までハラハラし通しだった。落とし物を直接本人に届けてはいけないという教訓を学び、持つべきは頼もしい親友だと感じる作品だった。(MIHOシネマ編集部)
イザベル・ユペールの狂気的な演技が圧巻。最初は孤独な老婦人に見えたグレタが、次第に執着と狂気を露わにしていく過程が恐ろしくも魅力的だった。クロエ・グレース・モレッツ演じるフランシスの無防備さもリアルで、現代の孤独社会の怖さを感じた。特に、カバンの中に住所が並んでいたシーンは鳥肌もの。ラストの逆転劇にもスカッとさせられた。(30代 女性)
まるで現代版『ミザリー』。最初は優しい老婦人との交流から始まり、徐々に違和感が広がっていく展開が見事。グレタの異常なまでの愛情と孤独が交錯する様は、ただのホラーではなく心理スリラーとしても深い。ラストでフランシスが逆にグレタを閉じ込める展開にはゾクッとした。ユペールの目の演技が忘れられない。(40代 男性)
人の優しさが仇になる恐怖を描いた映画。落とし物を届けたことが地獄の始まりになるなんて、誰も予想できない。グレタがピアノを弾く姿と、その後の暴走のギャップが本当に怖い。クロエ・グレース・モレッツの繊細な表情も素晴らしかった。単なるサイコホラーではなく、孤独と執着という現代的テーマが感じられる作品。(20代 女性)
ユペールが完全に主役を食っている。グレタの狂気と哀しみが同居した演技が見事すぎる。彼女の部屋の中の“箱”のシーンはトラウマ級。監督の演出も上品で、スリラーでありながら美しい。終盤、フランシスがグレタを罠にかける逆転劇も見事。ホラーに芸術性を与えた作品だと思う。(50代 男性)
最初は人間ドラマだと思っていたのに、途中から完全にホラーへと変わる。その転換点が非常に巧みで、観ている側もフランシスと一緒に恐怖に飲み込まれていく。グレタがフランシスを家に閉じ込めて“娘ごっこ”をするシーンは狂気の極み。イザベル・ユペールの妖艶さと狂気のバランスが完璧。ゾッとする美しさ。(30代 男性)
グレタの恐怖は単なる殺人鬼ではなく、“孤独に取り憑かれた人間の壊れ方”を描いている点が秀逸。落とし物から始まる物語が、ここまで壮絶な心理戦になるとは思わなかった。特に、グレタが監禁した部屋の“狭さ”が、彼女の精神の狭さと重なっていて見事。美しくも悲しいサイコスリラー。(40代 女性)
“優しさ”がどれほど危険なものになり得るかを描いた映画。フランシスの善意が狂気を呼び、グレタの孤独が暴力へと変わっていく。後半の監禁シーンは息が詰まるほどの緊張感で、まるで夢の中の悪夢を見ているよう。ユペールの演技は鬼気迫るという言葉では足りない。静かな恐怖が最後まで続く名作スリラー。(20代 男性)
母を亡くした寂しさと、他人への優しさが交差する物語。フランシスがグレタに“母の影”を重ねた瞬間から、すべてが歪んでいく。グレタの狂気は怖いのにどこか悲しく、彼女の孤独を完全に否定できない。人間関係の境界が曖昧な現代社会を象徴しているようで、深く考えさせられた。(30代 女性)
監督ニール・ジョーダンらしい心理描写が冴えわたる。『クライング・ゲーム』以来の人間の“心の歪み”をテーマにした作品で、特に女性同士の関係性の描き方が鋭い。グレタの執着には恐怖よりも哀しみを感じた。クロエとユペールの演技のぶつかり合いが見事。終盤の反撃シーンは手に汗握る展開だった。(50代 女性)
映画『グレタ GRETA』を見た人におすすめの映画5選
ミザリー(1990)
この映画を一言で表すと?
狂気の愛に囚われた作家とファンの、恐怖と執着のサイコサスペンス。
どんな話?
人気小説家が事故に遭い、熱狂的なファンの女性に救われるが、次第にその愛情が狂気へと変わっていく。閉ざされた部屋の中で繰り広げられる心理戦と暴力の応酬は、観る者を息苦しくさせるほどの緊張感に包まれている。
ここがおすすめ!
『グレタ』のように“優しさが狂気に変わる”展開が見どころ。キャシー・ベイツの怪演はアカデミー賞を受賞し、サイコスリラーの金字塔として今なお色あせない。密室劇の緊迫感が極上のスリルを生む。
ブラック・スワン(2010)
この映画を一言で表すと?
完璧を求めるあまり、狂気に取り憑かれていくバレリーナの心理ホラー。
どんな話?
名門バレエ団のプリマを夢見るニナは、「白鳥の湖」の主役に抜擢されるが、完璧を求めるあまり精神が崩壊していく。現実と幻想が混じり合い、観客は彼女の狂気の内側に引きずり込まれていく。
ここがおすすめ!
『グレタ』同様、女性の内面に潜む“狂気と美”を描く傑作。ナタリー・ポートマンの演技が圧巻で、彼女が堕ちていく過程は恐ろしくも美しい。映像と音楽が融合したアートスリラーの最高峰。
シングル・ホワイト・ウーマン(1992)
この映画を一言で表すと?
友情がいつしか狂気に変わる、女性同士の執着を描いたサイコスリラー。
どんな話?
同居人を募集していた女性が、新しいルームメイトと意気投合するが、徐々に相手が自分の人生をコピーし始める。やがて友情は恐怖へと変わり、二人の関係は破滅的な結末を迎える。
ここがおすすめ!
『グレタ』と同じく“女性同士の狂気的な依存”をテーマにした作品。静かに迫りくる恐怖と、異常なまでの愛情表現が不気味。ファッションや当時のニューヨークの雰囲気もスタイリッシュで印象的。
ストーカー(2002)
この映画を一言で表すと?
元夫の恋人に執着し、彼女の生活を狂わせていく女のサイコドラマ。
どんな話?
元夫が再婚した女性に異常な嫉妬を抱いたリサは、彼女の家に侵入し、生活を破壊していく。表面的には静かだが、内面の狂気がじわじわと膨れ上がっていく展開がスリリング。
ここがおすすめ!
『グレタ』と同じく、“女性の執着心”を冷たく美しく描いた作品。アシュレイ・ジャッドとエレン・バーキンの演技が凄まじく、狂気が現実を侵食していく描写が秀逸。心理的な怖さを求める人にぴったり。
ワイルド・ローズ(2018)
この映画を一言で表すと?
挫折と孤独を抱えた女性が、再び夢と自分を取り戻す再生のドラマ。
どんな話?
刑務所を出たばかりのシングルマザー、ローズはカントリー歌手になる夢を追いながら、母親としての責任と向き合う。愛と自由の狭間で葛藤する姿がリアルに描かれている。
ここがおすすめ!
『グレタ』とは異なる方向から、孤独と女性の強さを描いた感動作。ジェシー・バックリーの圧巻の歌声と演技が心を打つ。人間の弱さと再生の力を信じたくなる映画。






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