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映画『マシニスト』あらすじ・ネタバレ結末と感想

映画『マシニスト』の概要:男は異様なまでに痩せ細っていた。1年以上もの間食べられない男の人生に何があったのか。妄想と現実が交錯する深いトラウマに見舞われた男を鬼才クリスチャン・ベールが熱演。

映画『マシニスト』 作品情報

マシニスト

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:102分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー
  • 監督:ブラッド・アンダーソン
  • キャスト:クリスチャン・ベイル、ジェニファー・ジェイソン・リー、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ジョン・シャリアン etc

映画『マシニスト』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『マシニスト』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『マシニスト』のあらすじを紹介します。

部品加工の仕事をしているトレバー(クリスチャン・ベール)は異常なまでに痩せ細っていた。

家に帰るとドスドエフスキーの『白痴』を読み、歯ブラシで床のタイルを念入りに磨き、何も食べず寝る。
1年近く、コーヒーぐらいしか飲んでいない、そんな生活が続いていた。

トレバーは、レイノルズの代わりに働いているというアイバンという溶接工から
話しかけられる様になってから生活に変化が起る。

彼の姿を見ながら仕事をしていると、機械の修理をしていた同僚のミラーの腕が挟まれ切断されてしまったのだ。

彼が痩せ細っているのは何故なのか、彼の行動には意味があるのだろうか…。

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映画『マシニスト』 結末・ラスト(ネタバレ)

トレバーは、1年前に交通事故を起こしてから、拒食症になり人格が変わった。
それまでは派手な車を乗り回す明るい男だった。

アイバンはトレバーの幻想で、トレバーがシガレットライターで煙草に火をつけようとした時に事故を起した事から、
同じシチュエーションで、幻想が現れた。

映画の中で、現実であるのは同僚のレイノルズ、ミラー、そして行き着けの娼婦スティービー。
ミラーの一件で、災いとなり、家の中でも妄想を見るようになり、苦しめられる様になったトレバーは、1年前の件も含め自首する道を選ぶ。

その象徴としてトレバーしか乗っていないはずの車の助手席にはアイヴァンも乗っている。

映画『マシニスト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『マシニスト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

現実と妄想が交錯するストーリー展開

映画の中に出てくる光景の節々に、主人公トレバーに関する真実と、こうあって欲しいという妄想が隠されている映画である。
その点では、ガイ・ピアースの『メメント』とストーリー展開は似ているだろう。

ただトレバーの分身であるアイバンだけは、彼が引き起こしたひき逃げ事故や、周囲からどう思われているかを『幻想』という形を使いトレバーに伝えている。
これで、トレバーがいかに周囲に怯えて暮らしているかが判る。
特に、ミラーの腕を切断してしまった後に、冷蔵庫が血を流しているように見える妄想はショッキングだ。

1年もの間何も食べていないのだから、冷蔵庫に何も入ってないはずである。
だが血を流している様に見えるのはトレヴァーの心なのだ。

彼がカフェを後にする時間、娼婦の元を後にする時間は決まって、夜中の2時前。
これは彼がひき逃げ事故を起こした時間だ。

この時間になるとトレバーの意識は、現実に引き戻され、そして朝になるとまた現実と妄想が交錯する。

何故カフェが出てくるのか?

トレバーは、空港の近くのカフェに行き、マリアというウェイトレスからも、それ以上痩せたら死ぬと言われる。
彼女からケーキとコーヒーを出されているのに、トレバーが飲むのはコーヒーだけで、ケーキに口をつけることもしない。

後々から判ってくる事なのだが、マリアというのは、トレバーが起したひき逃げの時に、事件現場に来た子供の母親や自分の母親の象徴の様なもの。
このカフェもマリアという女性もトレバーの空想のものである。

そして空港という場所は、トレバーにとって『常に都合の悪い事から逃げる場所』でもある。

クリスチャン・ベールの激やせに注目が集まった作品

この映画の役作りの為に、クリスチャン・ベールが栄養士の指導の元、ツナとリンゴだけで激やせしたという話はあまりにも有名である。
常に人生から逃げ続けるあまりに、脆く崩れる男の役を追及する為に、ここまでやったベールの自意識だけなく、
演技の方にも、目が向けられればと思う作品だ。

映画『マシニスト』 まとめ

食べる事は生きる事という。
1人の人間の人生を狂わせる程の、ショッキングな出来事が起った時には、その生きる術すら奪われてしまう。
この映画は、そんな男の1年を体現する映画ではないだろうか。

トレバーの車の前には、何度か空港と街という分岐点が現れる。
この分岐点を通過する度に彼は、空港への道を選んでいた。
それは『逃げ』を現しているのだと思う、極度に食べない事も、彼の人生の『逃げ』の手段の一つだったのだろう。

映画のラスト彼は街を選ぶ。それは警察署のある方向で、彼は自首する事なる。
自分に向き合う事が物事の解決方法だとほのめかすラストになっているのだと思う。

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