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映画『おもかげ(2019)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『おもかげ(2019)』の概要:アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた作品のその後を描いた一作。元夫との旅行中に行方不明となった息子。10年後、その息子によく似た少年と出会い、母親は感情に素直に行動するが、周囲に混乱を招いてしまう。

映画『おもかげ』の作品情報

おもかげ

製作年:2019年
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
キャスト:マルタ・ニエト、ジュール・ポリエ、アレックス・ブレンデミュール、アンヌ・コンシニ etc

映画『おもかげ』の登場人物(キャスト)

エレナ(マルタ・ニエト)
10年前に6歳の息子を失い、何も解決できないまま過ごしてきた女性。息子がいたであろう海辺で働きながら、息子の面影がある少年・ジャンと出会う。
ジャン(ジュール・ポリエ)
夏の間だけ、家族でパリからスペインへ移住してきていた少年。ビーチで部活をしていたとき、エレナの目線に気づく。自らエレナに話しかけ、店に通うようになる。

映画『おもかげ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『おもかげ(2019)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『おもかげ』のあらすじ【起】

スペインで息子・イバンの帰りを待つエレナ。6歳のイバンは元夫・ラモンと共にバスク自治州やフランスを旅行していたのだ。母親と話していたある朝、イバンから連絡が来る。イバンの人形を取りにキャピングカーへ戻ったラモンがしばらく戻らず、ビーチに一人でいると言うのだ。

同行していたラモンの友人もおらず、一人だというイバンの声に動揺するエレナ。警察にも手続きを取らないと動けないと言われ、エレナな焦りを募らせる。

一度イバンの連絡が途絶えたが、再び自宅の電話が鳴る。必死に声をかけ続けるエレナだが、イバンは見知らぬ男性に声をかけられ、走って逃げるも見つかってしまった。そして携帯電話のバッテリーは切れてしまった。

10年後、エレナはイバンが消息を絶ったフランスのビーチにいた。海辺のレストランを営んでいるのである。忙しなく働き、空き時間にビーチに出向き散歩をし続ける日々を送るエレナ。ある日、ビーチで部活動をする少年・ジャンを見かけ、イバンの面影を感じ一瞬にして気持ちを持っていかれた。

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映画『おもかげ』のあらすじ【承】

思わずジャンの後をつけてしまったエレナ。そのことに気づいていたジャンは翌日、エレナの店に現れた。習いたてのスペイン語を織り交ぜて気さくに話しかけてくるジャン。土曜日にある部活の練習試合を見に来ないかとエレナを誘うが、その日エレナには先約があった。

恋人・ヨセバとの約束を切り上げて、ジャンの元へ向かったエレナ。ジャンの家族と一緒に軽く食事をしたエレナに、ジャンは携帯電話の番号を渡す。

エレナの店に足しげく通うようになったジャン。ある夜、ジャンはエレナの仕事が終わるのを待っていたヨセバと鉢合わせる。ヨセバは「息子を失ったイカれたスペイン人」と奇妙がられていたエレナを救った存在である。恋人であることは明言しなかったが、ジャンは二人の関係を悟った。

エレナの店は日曜日だけ、昼で閉まる。偶然遊びに来たジャンは仕事終わりのエレナを散歩に誘い、二人は一緒に海へ出向いた。その後、エレナの自宅で昼食を済ませ、ジャンはうたた寝をしてしまう。ジャンの表情に懐かしさを覚えるエレナ。

イバンの事件後、携帯電話を見る習慣がなくなったエレナは、ヨセバからの連絡に気づかず突如訪ねてきたヨセバに驚く。ヨセバもまた、ジャンが一緒にいたことに戸惑う。ヨセバは「一通のメールが来ていたから明日確認して」とエレナに伝えるのだった。

映画『おもかげ』のあらすじ【転】

メールは元夫・ラモンからだった。休暇を使ってエレナに会いに来るという連絡を受け、エレナは戸惑い、ヨセバはあまり良く思っていなかった。

ヨセバと出向いたパーティーで偶然ジャンと鉢合わせる。ジャンの友人たちとビーチに移動したエレナ。自分の店にお酒を取りに行ったエレナは、ジャンと二人きりになる。酔った勢いでジャンは海に入るが、暗闇の中でジャンがいなくなるような不安にエレナは襲われる。しかし、ジャンはすぐにエレナの元に戻り、エレナは冷えたジャンの体を温めるのだった。

ジャンを自宅まで送ったエレナ。しかし夜遅くまで一緒にいたことで、ジャンの両親に不信感を抱かれてしまう。

エレナは一人クラブへ向かい、踊り明かす。そこで出会った青年3人に誘われ、明け方からドライブに向かうが、道中エレナは気分が変わる。「変人」と一人の青年が揶揄したことでエレナは激怒し、車から飛び降りるのだった。

目を覚ましたエレナにヨセバは誰といたのか問い詰める。エレナは嘘をつくが、ヨセバはイバンの写真を引き出し、ジャンをイバンと重ねるのをやめるように諭す。そして、冬に予定していた引っ越しを早めようと提案するのだった。

映画『おもかげ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジャンが友人たちと一緒ではないのが気にかかったエレナは、初めて電話をしてみた。すると夜遊びを反省させるため、両親が家から出してくれないとジャンは気を落としていた。その日、ジャンの母親がエレナの店を訪ねてきた。嫌味を言われ気分を害したエレナは、思い切ってラモンと会うことにする。

久々にラモンと話したエレナは、ぎこちない会話の中でふつふつとイバンを失った悲しみに追われていった。会話を断ち切るようにして、車で待っていたヨセバの元にエレナは、向かう。

帰宅すると、ジャンからたくさんの連絡が来ていた。ヨセバの反対を押し切りジャンの家に向かうエレナ。しかしジャンの両親はまったく取り合わず、エレナを拒絶する。エレナの行き過ぎた心配はジャンの家族にとって狂気に変わり、ジャンの兄はエレナを力づくで追い返すのだった。

手を怪我したエレナを思い、ヨセバは翌日に引っ越しをすることにした。エレナの携帯を隠し、ジャンへの想いを断ち切らせたかったのだ。しかし、出発の直前、エレナの携帯が鳴る。

パリに帰る道中、逃げ出したというジャンは森で迷っていると言う。10年前の事件を思い出し、エレナはヨセバの反対を押し切り車で走り出してしまう。

森の中でジャンを見つけたエレナは人目を避けるように、ジャンを車に乗せ森の奥へ向かった。二人きりになった空間で、自然と見つめ合い求め合ってしまったエレナとジャン。パリに向かうジャンは「もう一人にしないで」とエレナとの繋がりを乞うのだった。

ヨセバの居ない部屋に戻ったエレナは、おもむろに携帯電話を手に取りラモンに連絡をした。戸惑うラモンに「エレナよ」と明るい声色で話題を切り出すのだった。

映画『おもかげ』の感想・評価・レビュー

オープニングのシーンは2017年に発表した短編「Madre」をそのまま使用していた。動きのないシーンながら、あの緊迫感は忘れがたい。この作品のその後を知れるとなり、鑑賞した人も多いのではないだろうか。しかし今作は、エレナの感情だけをピックアップし事件については明かされなかった。一般的に考えれば成り立つはずのない「愛情」が母性なのか威勢としてなのか、困惑しながら進む物語はラストシーンですべてを悟らせてくれた。(MIHOシネマ編集部)

みんなの感想・レビュー

  1. エノモト より:

    舞台はフランスのビーチで、移住したのはエレナのほうです。ジャンは夏季限定で家族とビーチに来ていたパリっ子です。