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映画『サイレント・ウォーター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サイレント・ウォーター』の概要:真冬のノルウェーにて、フィヨルドダイビングへ向かった姉妹。突然の落石事故に遭い、プロのダイバーである妹が巨石の下敷きとなり水底から動けなくなってしまう。残された姉は妹を助けるため、孤軍奮闘する。

映画『サイレント・ウォーター』の作品情報

サイレント・ウォーター

製作年:2020年
上映時間:82分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ヨアキム・ ヘデーン
キャスト:モア・ガンメル・ギンズバーグ、マドレーヌ・マーティン、トリーヌ・ウィッゲン etc

映画『サイレント・ウォーター』の登場人物(キャスト)

イダ(モア・ガンメル・ギンズバーグ)
シングルマザー、アンの長女。夫と一人娘の母親でもある。夫婦仲はあまり良くなく、現在セラピーに通い関係の修復中だが、上手くいっていない。幼少期、妹のトゥーヴァを溺れさせたことをずっと気に病んでいる。
トゥーヴァ(マドレーヌ・マーティン)
姉のイダとは異父姉妹だが、姉のことを慕っている。プロのダイバーであり、大型船の修復やトラブル解決を行っている。明るく奔放で責任感がある。プロとして冷静沈着に姉へと指示を出す。
アン(トリーヌ・ウィッゲン)
姉妹の母親。若い頃はダイバーとして世界を旅し、男の遍歴も数多い。結婚に失敗した過去を持ち、イダの夫婦間の問題は解決しないと注意を促している。口うるさい面もあるが、娘達を愛している。

映画『サイレント・ウォーター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サイレント・ウォーター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サイレント・ウォーター』のあらすじ【起】

クリスマス休暇を利用し、疎遠になっていたノルウェーの実家へ帰省したイダ。妹のトゥーヴァはプロのダイバーとして活躍しており、母アンを含めた一家は昔から極寒の海に潜ることを楽しんできた。だが、アンは幼少期にトゥーヴァを溺れさせて以来、イダに対しては厳しく、加えて険悪な夫婦仲を修復中であることに関しても無意味なことをしているとこき下ろすのだった。

アンは近頃、体調が思わしくない様子。翌日はトゥーヴァの誘いで真冬のフィヨルドダイビングへ。崖下で準備を行い、落石があったことから荷物は崖側へ寄せた。無線が通じることを確認後、緊急時のためのブイを投下しいざ潜水。水中の洞窟へ進むルートだった。

プロのダイバーであるトゥーヴァの指示に従い、洞窟のあるポイントで酸素を貯め二酸化炭素中毒防止の安全ポイントを作る。トゥーヴァはアンとこの洞窟に潜ったことがあるらしいが、イダは自分が仲間外れにされていたのだと苛立ってしまい妹に八つ当たりしてしまう。

洞窟から出たところで酸素ボンベの残量を確認。半分を切っていたため、3分間の安全停止をしてから岸に上がることにした。そこへ、好奇心旺盛なシャチが現れたので微笑ましく見守った姉妹。ところが、シャチは何事かを察知し、身を翻して去って行く。次の瞬間、落石が発生。2人は後方へ距離を取って落石を避けようとしたが、運悪くトゥーヴァが巨石の下敷きになり水底へ沈んでしまう。

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映画『サイレント・ウォーター』のあらすじ【承】

パニックになったイダだったが、幸いにも無線は無事でトゥーヴァも冷静に指示を送ってくれる。ひとまずは岩に挟まって動けなくなったトゥーヴァを探すことに。迷子にならないようロープを使いつつ水底を潜水した結果、妹を見つけたイダ。

彼女はすぐさま妹を救出しようとしたが、慌てて興奮するとエアの消費が激しくなる。すでに半分も残っていない状態でトゥーヴァを助けることなどできるはずがなく、妹は姉に落ち着くよう促した。そして、海面に出て救援信号を発し交換用の予備タンクを持って来るよう指示。

イダは妹の指示に従って岸に上がり交換用のタンクを取りに向かったが、最悪なことに荷物は落石の下敷きになっておりタンクを取り出すことができなかった。地上の無線機でトゥーヴァと連絡を取り合う。車にも予備のタンクがあるらしいが、車の鍵も岩の下である。そこで、トゥーヴァは車の窓を割って予備タンクを入手し、トランクに備え付けのジャッキを持って来るよう指示をした。

ところが、イダは慌てるあまり車のトランクの開け方が分からない。ひとまず、タンクを2本持って戻る。そこへ、セスナが上空を通りかかったため、助けを呼ぼうとしたイダ。誤ってタンクを水中に取り落としてしまう。トゥーヴァのエアはもうない。ひとまずは妹の元へ向かい、タンクを渡しどうにか事なきを得た。

映画『サイレント・ウォーター』のあらすじ【転】

落としてしまったタンクを無事に回収し、タンクを交換。急いで浮上したものの、すでにセスナは去った後。トゥーヴァは安全停止をしっかりしろと言っていたのに、イダは真面目に安全停止をしなかったため、岸に上がって嘔吐。その上、車のトランクからジャッキを持って来いと言うトゥーヴァの指示に従わず、近くの人家へ助けを呼びに向かおうとする。飼い犬が懸命に吠え続けていたが、犬の制止も振り切って山道を走った。

ところが、付近の住民は留守。仕方ないので窓を割って侵入したが、この家にも飼い犬がおり当然、襲われてしまう。イダは咄嗟に犬を刺し殺してしまい、スーツに穴が開いてしまった。電話が見つけられずPCのスカイプから連絡を取ろうとしたが、それも繋がらない。とりあえず、家探しをしてトランクを開ける道具を入手。

車のトランクをどうにか開けたイダだったが、タイヤの修理剤しか見つけられなかった。これでは妹を助けられない。気落ちしたイダはその場に座り込んでしまう。束の間、妹を溺れさせてしまった幼少期を思い出したイダ。タイヤの修理剤でスーツの穴を塞ぎ、再び予備タンクと拾った丸太を持って水底へ。

丸太を使って岩を持ち上げようとしたものの失敗。そこで、タンクを新しいものと交換しようとしたが、何度か落としてしまったことでバルブが破損して開かない。そこで、トゥーヴァがエアの圧を使って岩を持ち上げる案を提案したが、それも失敗に終わる。

映画『サイレント・ウォーター』の結末・ラスト(ネタバレ)

姉妹は終わりを覚悟し、2人で手を取り合う。使えるエアはトゥーヴァのものだけで、次に安全停止をせずに浮上すれば減圧症になってイダの命が危ない。トゥーヴァは自分のエアを姉に渡し、イダだけでも助かるように言った。ところが、イダはタンクを置いて安全停止もせずに浮上してしまう。そのせいで酷い減圧症となり鼻血を噴出し嘔吐。彼女は疲れ切って動けなくなってしまう。

そこで、ふとタイヤの修理剤を目にしたイダ。彼女は再び、修理剤を手に水底へ向かった。エアの圧で岩を持ち上げようとしたら、スーツからエアが漏れてまともな圧がかからず岩を持ち上げられなかった。修理剤を注入すれば圧がかけられる。イダは見事にやってのけ、岩が持ち上がりトゥーヴァは抜け出すことができた。

姉妹はエアを分け合いながら安全停止をしようとしたが、タンク1本ではやはり無理がある。そこでトゥーヴァは最初に作った二酸化炭素中毒防止の安全ポイントへ姉を誘導。減圧症のイダを助けるための緊急措置であった。

ポイントで30分は減圧しなければ死んでしまう。ここにきてタンクの酸素が切れてしまうが、姉に注意事項を告げトゥーヴァは先に岸へ上がることに。1人残されたイダの脳裏に幼少期の思い出がよぎる。安全ポイントは飽くまでも避難場所であるため、長時間いることができない。そこで、妹はバルブの壊れたタンクを持ち出し、酸素の供給を行う。

しかし、喜んだ途端にイダが減圧症で意識を消失。トゥーヴァは姉を抱えてどうにか海面へ浮上し、助けを待った。
日が暮れる頃、ようやく救助隊がヘリで到着。イダも意識を取り戻し姉妹は無事に救出されるのであった。

映画『サイレント・ウォーター』の感想・評価・レビュー

ノルウェー産の真冬の海での救出劇を描いた作品だが、美しく壮大な冬のフィヨルドの景色と緊迫したストーリー展開がいい。

異父姉妹ではあるが、姉妹仲はとても良い。幼少期に妹を溺れさせたことを気に病んで、母親から妹だけが可愛がられていると思い込んでいる姉がとにかくポンコツ。性格的に姉は大人しく、妹は快活で明るいようで妹の方がしっかり者のイメージだ。今作では頼りの妹が落石事故で岩に挟まり、水底に取り残される。ポンコツな姉が必死に助けようとするのだが、その過程での緊迫感がとても良かった。突っ込みどころも多く姉のポンコツ感が凄まじいが、パニックになったら誰でもやるだろうと思えることも多い。静と動どちらかと言えば、今作は静と言ったところ。嫌悪するほどのポイントもなく飽きずに最後まで楽しめる。(MIHOシネマ編集部)

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