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映画『ギヴン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ギヴン』の概要:TVシリーズの続編として公開された劇場版。バンドとして動き出したフォーシーズンズは音楽フェスを目指して邁進する。そんな中、ベースの春樹はドラムの秋彦に苦しい片思いをしていたのだが…。大人組の恋の行方を描いた作品。

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映画『ギヴン』の作品情報

ギヴン

製作年:2020年
上映時間:59分
ジャンル:ラブストーリー、青春、アニメ
監督:山口ひかる
キャスト:矢野奨吾、内田雄馬、中澤まさとも、江口拓也 etc

映画『ギヴン』の登場人物(キャスト)

佐藤真冬(矢野奨吾)
現役高校生。音楽を始めてまだ1年未満のど新人だが、天才的な才能を秘めており透明感のある歌声が特徴。非常に素直で真っすぐ。引っ込み思案で自信がなかったが、きっかけをくれた同級生の上ノ山と恋仲になる。バンド、フォーシーズンズのボーカル兼ギター。
上ノ山立夏(内田雄馬)
現役高校生。真冬に音楽の才能があることに気付き、バンドへ加入させる。天才的なギター演奏の才能を持ち、プロへもスカウトされたことがあるが、バンド演奏を優先し断っている。真冬にギターを教え共に作曲することで真冬に恋をする。バンド、フォーシーズンズのギター。
中山春樹(中澤まさとも)
音楽大学生。同性愛者ではなかったが、秋彦と出会ったことにより惹かれていき長い片思いをしている。穏やかな性格でバンド内では調停役を兼ねている。秋彦への思いが叶うことを願い健気に髪を伸ばし続けていたが、失恋を機に断髪。バンド、フォーシーズンズのベース。
梶秋彦(江口拓也)
音楽大学生、バイオリン科に所属。バイオリニストの雨月と惰性の関係を続けている。高校卒業を機に雨月の家に転がり込み、実家とは連絡を取っていない。ライブ出演にて春樹と出会いフォーシーズンズと改名する前のバンドを結成。器用貧乏だが、尽くすタイプで体格が良くモテる。バンド、フォーシーズンズのドラム。
村田雨月(浅沼晋太郎)
世界的なバイオリニスト。秋彦と恋人関係にあったが、惰性的に関係を続けている。秋彦への愛情は深いものの演奏家として専念するため、彼を切り捨てようとしている。真冬の才能に気付き、彼に音楽の指導をするなど新曲作りのアドバイスをする。

映画『ギヴン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ギヴン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ギヴン』のあらすじ【起】

大学生でベースを担当する中山春樹、ドラムの梶秋彦、高校生でギターを担当する上ノ山立夏が結成するバンドにボーカル兼ギターで加入した佐藤真冬。バンドは彼が加入したことにより新たな局面を迎えバンド名もフォーシーズンズと改名した。メンバーはそれぞれがかなりの技巧を持っていたが、真冬は同級生の上ノ山からギターの技術を教授されている最中で全てにおいて拙い。彼はそれまで一度も楽器を演奏した経験がなかったためだ。だが、真冬には誰も真似できない素晴らしい歌声があった。

フォーシーズンズが結成されて初めての夏、真冬は秋彦に頼んで音楽の修行をつけてもらうことに。秋彦はアウトローな相貌に似合わず音楽大学バイオリン科に所属していたため、彼の伝手でプロのバイオリニスト、村田雨月の演奏会へ向かうことになった。真冬は雨月の演奏を目にし、その天才的な才能に触発され新曲が作りたいと言うのであった。

その日の夜、いつものファーストフード店にてバンドのミーティングを行う。結成当時、ダメ元で申請していた音楽フェスの一次審査に通ったという報告を聞く。だが、フォーシーズンズはまだ持ち曲が一曲だけしかない。彼らはプロにも値する技能は持っていても真冬を加えて新たな一歩を踏み出したばかり。しかし加入当初、消極的だった真冬は曲作りを通して自信を得たことから、音楽フェスへの出演を決めたいと望みを明らかにするのだった。

秋彦と雨月はかつて同級生だった。だが、雨月は天才的な才能を持ち最短でプロの演奏家となり、世界を股にかけ活躍中である。2人は早々に恋仲となり雨月の家に秋彦が転がり込む形で関係を続けていたが、次第にその熱も冷め今や惰性だけで関係を続けている。

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映画『ギヴン』のあらすじ【承】

そんな秋彦へ密かに好意を寄せている春樹は、片思いに身を焦がす日々を送っていた。秋彦と春樹はバンドのライブを通じて出会ったのだが、春樹は秋彦が同性愛者ではないと思い恋心を打ち明けることができずにいる。2人はバンド仲間としても親友としても互いに心地よい関係を築いていた。

新曲作りのため、秋彦の自宅を訪ねた真冬は、同居人として雨月が現れたことに驚いたが、秋彦が春樹と用事を済ませると言って出かけてしまったため、雨月と新曲について相談する羽目に。そこで、秋彦と雨月の馴れ初めと現在の関係そして、雨月の本心を聞くのだった。

雨月が再び演奏旅行へ出たことで秋彦の生活が荒れ始め、バンドの集まりにも来なくなる。春樹は気遣い屋さんでバンド内でも調停役であったことから、秋彦の不参加に頭を悩ませていたが、上ノ山と真冬の高校生組が着々と新曲作りに勤しんでいることに焦りを募らせる。真冬もまた天才肌で驚異的な速度で成長していた。

その夜、春樹の元に秋彦が唐突にやって来る。2人は些細なことで言い合いになり、秋彦が春樹を襲いかけるという無体を働いてしまう。そのせいで、春樹は傷つき友人宅へ避難。彼は失恋の果て、願掛けのために伸ばしていた髪を切ってしまうのだった。

映画『ギヴン』のあらすじ【転】

翌日、自宅に帰らない春樹を心配していた秋彦は、断髪した春樹に驚愕した上に冷たくされてしまう。自分の行いを真摯に謝罪した秋彦は雨月から離れるべく、しばらく春樹の家に住まわせて欲しいと頼み込み、どうにか同意を得るのだった。

そんな感じでバンドの練習へやって来たものの当然、音が合うはずもなく。苛立ちを募らせた春樹は練習から早々に逃げてしまう。ところが、秋彦が後を追って来て春樹はバンドに必要な存在だと言ってくれる。以来、2人は奇妙な同居生活を送り、徐々に生活へと馴染み始める。

練習にもその関係が如実に現れ始め、真冬からはベースとドラムの音が合っていると言われるように。同居生活によって、春樹は秋彦の新たな一面を目にすることになり、更に秋彦も恋愛において辛い思いを抱えていたことを知るのだった。

夏も深まったある日、音楽フェスの二次審査の日がやってくる。その日は雨が降っていた。近頃の秋彦はぼんやりすることも多かったが、新曲もほぼ完成しフォーシーズンズの審査は2日目に行われる。1日目の見学へは上ノ山と真冬、春樹が参加したが、秋彦は雨月の元を訪れ、家を出て行くことを告げる。ところが、雨月は秋彦を手放したくないと拒否するのであった。

同じ頃、春樹は真冬から秋彦のことが好きで一緒に暮らしているのだろうと指摘され、動揺する。失恋はしたものの秋彦のことを簡単に諦めきれるわけではない。帰宅した春樹は秋彦が帰って来たことに安堵し、彼が弱みを見せてくれたことに心をざわつかせるのだった。

映画『ギヴン』の結末・ラスト(ネタバレ)

2日目、とうとうフォーシーズンズのライブ審査の順番がやって来る。それぞれに思い悩むことはあれど、新たな一歩である。真冬は息と心を整え、声を発した。演奏の中で秋彦は音楽の素晴らしさを改めて実感。ライブには雨月も見学に訪れていたが、彼はフォーシーズンズの演奏を耳にし、秋彦が自分から離れ新たな一歩を踏み出したことに気付く。

演奏後、雨月の姿を垣間見た秋彦。合間に後を追いかけ、雨月へと別れを告げる。雨月は未だ秋彦に未練を残していたが、秋彦との別れを受け入れバンドを応援すると告げるのだった。

オーディエンスの反応はとても良かったものの、あと一歩のところでフォーシーズンズは審査に落ちてしまった。秋彦は春樹の家を出て独り立ちすることになったが、練習には誰よりも早くスタジオに入るようになり、バイトも全部辞めて大学でバイオリンの練習をするようになった。

年が明けて春樹は他のバンドとの掛け持ちをするなど、ライブに出演。
そして、春がきて秋彦がバイオリンのコンクールに出場した。春樹は彼の演奏を聞いて、秋彦に起こった変化を知る。彼を変えたのは誰なのかと心を痛めた春樹だったが、コンクールの後に秋彦が慌ててやって来る。彼は春樹に雨月と別れ、独り立ちしたことを明かしその理由をも明かした。辛い時、共にいてくれた春樹に見合う自分になりたかったと言う秋彦。春樹は彼の気持ちに驚き、秋彦からの告白に涙を浮かべて頷くのだった。

映画『ギヴン』の感想・評価・レビュー

フジテレビのノイタミナ枠で放送されたTVシリーズの続編劇場版。TVシリーズでは高校生組の上ノ山と真冬の恋模様を描き、好評を得たことから続編の劇場版が制作された。

続編ではTVシリーズでも気になっていた大人組の恋の行方を描いている。メインはそれだけではなく、音楽の素晴らしさをも描き一体となった素晴らしい作品となっている。今作はTVシリーズでもそうだったのだが、男性同士の心の機微や恋心を繊細に描き加えて音楽に対しての姿勢も非常に真摯に描かれており、辛いこともあるけれど恋をする素晴らしさや、音楽を通じて繋がる温かさがきちんと伝わってくる。ただのBLアニメではなく、音楽を愛する人にも観て欲しいと思える作品だ。(MIHOシネマ編集部)

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