映画『ユージュアル・ネイバー』の概要:祖父母の家で暮らすことになった少女マリアンは、近所の屋敷に住む車椅子の少年アンディと仲良しになる。過保護な母親は怒りを露わにし、彼女の出入りを禁止するが、そこには意外な真実が隠されていた。
映画『ユージュアル・ネイバー』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:ジョン・マクノートン
キャスト:サマンサ・モートン、マイケル・シャノン、メドウ・ウィリアムズ、チャーリー・ターハン etc
映画『ユージュアル・ネイバー』の登場人物(キャスト)
- キャサリン・ヤング(サマンサ・モートン)
- 優秀な外科医。リチャードの妻。自宅療養中の息子アンディに対して異常なほど過保護。遊びに来たマリアンを毛嫌いし、病原体呼ばわり。息子との接触を禁止する。
- リチャード・ヤング(マイケル・シャノン)
- キャサリンの夫。元看護師。自宅で息子の看病に専念している。親しい知人女性を介して薬剤を調達している。温厚な性格で、勝ち気な妻に言い返せない。
- アンディ・ヤング(チャーリー・ターハン)
- ヤング夫妻の息子。生まれ付き病弱な体で、一日をベッドか車椅子で過ごしている。学校に行ったことがなく、突然現れたマリアンが初めての友達になる。
- マリアン(ナターシャ・カリス)
- 両親が事故死し、祖父母の家に引っ越して来た女の子。隣の敷地に忍び込んでアンディと仲良くなるが、キャサリンに見つかり出入りを禁止される。
映画『ユージュアル・ネイバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ユージュアル・ネイバー』のあらすじ【起】
優秀な外科医のキャサリン・ヤングは郊外の一軒家で、病弱な息子アンディと夫のリチャードと暮らしていた。アンディは一日の大半をベッドで過ごし、たまに車椅子に座って窓の外のトウモロコシ畑を眺めるのを楽しみにしている。
キャサリンは仕事が終わって帰宅すると、息子の健康状態を欠かさずチェック。夫のリチャードは息子の看病に専念しており、必要な薬は知り合いの女性から調達している。その夜、夫は遅い時間に帰宅。息子はトイレで転んでしまい、母に傷口を縫ってもらった。
一方、両親を事故で亡くしたマリアンは、祖父母の家に引っ越して来た。森を散策中にヤング家の屋敷を見つけると好奇心で覗き見し、横になっているアンディと知り合う。
キャサリンはアンディを心配するあまり夫にきつく当たるが、温厚な彼はいつものように耐えて、自分も同じ気持ちなのだと妻を慰めた。
翌日、マリアンは窓から訪問。2人はすぐに仲良くなった。おしゃべりも弾んで野球ゲームに夢中になるが、キャサリンが怒りの表情で現れて、マリアンを追い返してしまう。
映画『ユージュアル・ネイバー』のあらすじ【承】
マリアンは学校から帰宅してすぐにアンディの家へ。リチャードは妻から忠告されていたにも関わらず彼女を家に入れる。2人は再び楽しく過ごし、アンディはいつか野球をしたいという夢を語った。
ある日、マリアンはトウモロコシ畑をカラスから守るため、案山子を作ることに。アンディの家で作っていたが、キャサリンに見つかり追い出される。翌朝、庭に完成させた案山子が立っていたため、キャサリンは激高。マリアンの祖父母を訪れ、穏やかな表情でアンディは死にかけているのだと告げた。
アンディはいつかマリアンと遊ぶため、歩く練習を始めた。しかし、キャサリンはマリアンを病原菌呼ばわりして会うことを禁じ、さらに台所まで歩く練習すら禁止する。
アンディに肝障害が起きていることが判明。夫は薬を手に入れるため外出し、家にはアンディだけとなった。その隙にマリアンは訪問。彼に父親の形見のグローブをプレゼントして、キャッチボールを楽しんだ。キャサリンが帰宅する直前、物置きに隠れたマリアンは、地下に続く階段を見つける。
映画『ユージュアル・ネイバー』のあらすじ【転】
地下室にはもう一人の少年が眠っていた。植物状態でマリアンが呼びかけても応じる気配はない。そこに夫婦が現れたためマリアンは隠れ、壁に貼られたX線写真から、少年の名はジェイソン・キマニックだと分かる。キャサリンはその少年に本を読み聞かせ、献身的な愛を注いだ。
地下室の小窓から逃げたマリアンは帰宅し、少年の名をインターネットで検索。すると、新生児誘拐事件の名前と一致した。
肝臓の移植を必要としているのは、植物状態の少年の方だった。キャサリンは家の前で野球のボールを見つけ、アンディとマリアンが会っていることを知り激高する。アンディの部屋に入ってわめき散らし、ボールをテレビに投げて壊すと、彼が大切にしていたトウモロコシ畑もめちゃくちゃにした。
リチャードは愛人と別れて帰宅すると、キャサリンがアンディの部屋を殺風景に改装していた。夫は浮気をしたことを告白。キャサリンは今すぐ手術を始めると言い、速やかに少年に肝臓を移植した。
翌朝、マリアンはアンディの家へ。盲腸の手術をしたと思い込んでいるアンディは、苦しそうにしていた。マリアンは地下室で見た少年の事を話し、誘拐事件の記事を置いて家を出る。
映画『ユージュアル・ネイバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
その夜、アンディは這うように地下室へ行き、もう一人の少年を見つける。「君は誰だ?」と問うが答えることはない。すると部屋にリチャードが入り、続いてキャサリンも現れる。彼女は少年が私の子供、アンディだと明かした。
マリアンはこのままではアンディの心臓を奪われると祖父に訴え、ようやく外出を許可される。アンディは助けに来たマリアンに、あの少年がアンディで、僕がジェイソンだと話した。キャサリンは実の息子アンディを助けるためジェイソンを誘拐し、いつか臓器を移植するため育てていたのだ。
リチャードはジェイソンを殺してはいけないと説得するが、キャサリンは聞く耳を持たず心臓移植の準備を始めた。リチャードはジェイソンの部屋に行き、これまで苦しめたことを謝りながら、一時的に力がみなぎる注射を打った。その後は彼をマリアンに託し、逃げる手助けする。
リチャードは妻に麻酔を打たれてフラフラになりながらアンディの生命維持装置を外し、家に火を点けた。キャサリンもアンディとリチャードの元へ行く。親子三人は重なるように炎に包まれた。
その後。野球の試合でマリアンは打席に立つ。打ち上げたフライをキャッチするのは、元気な姿のジェイソンだった。
映画『ユージュアル・ネイバー』の感想・評価・レビュー
病弱な息子と過保護な母親、仲良くなる2人と嫉妬する母親、という構図で描かれているように思える。それにしては少し会話が不自然なのだ。すると、中盤から思わぬ方向へどんでん返しが始まり、おぞましい真実が明かされる。
ネタバレや予備知識なしで見た方が断然おもしろい。できれば別題「マッド・マザー 生贄の少年」も知らない方がいい。思いっ切りネタバレなので。サマンサ・モートンの狂気に満ちた表情が印象的で、頭から離れなくなりそうだ。(MIHOシネマ編集部)
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