1961年、衝撃のニュースが世間を騒がせた。なんと、たった1人のタクシードライバーが、天下のロンドン・ナショナル・ギャラリーから名画を盗み出してみせたのだ。果たして、彼はなぜ盗みを働いたのか。感動の実話。
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の作品情報
- タイトル
- ゴヤの名画と優しい泥棒
- 原題
- The Duke
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2022年2月25日(金)
- 上映時間
- 95分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- ロジャー・ミッシェル
- 脚本
- リチャード・ビーン
クライブ・コールマン - 製作
- ニッキー・ベンサム
- 製作総指揮
- キャメロン・マクラッケン
ジェニー・ボーガーズ
アンドレア・スカルソ
ヒューゴ・ヘッペル
ピーター・スカーフ
クリストファー・バントン - キャスト
- ジム・ブロードベント
ヘレン・ミレン
フィオン・ホワイトヘッド
アンナ・マックスウェル・マーティン
マシュー・グード
ジャック・バンデイラ
エイミー・ケリー
シャーロット・スペンサー - 製作国
- イギリス
- 配給
- ハピネットファントム・スタジオ
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の作品概要
本作は、1961年に起こった実話を元にした作品。当時197年という歴史を誇るロンドン・ナショナル・ギャラリーから絵画が盗まれたのだ。考えられない出来事に、世間は国際的犯罪組織の犯行を疑った。しかし、実際には犯人はしがない一人のタクシー運転手だったのだ。その事実もさらなる話題を呼び、本事件はたちまち世界中の注目の的となった。そして、法廷に上がった運転手。運転手が事件を通して伝えたかったこととは一体。タクシー運転手がついた、世界一優しい嘘とは一体。
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の予告動画
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の登場人物(キャスト)
- ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)
- 60歳のタクシー運転手。ある日、大美術館からゴヤの名画を盗み出した。彼がこの事件に隠した謎とは…?
- ドロシー・バントン(ヘレン・ミレン)
- 長年連れ添ったケンプトンの妻。大事件を起こした夫に呆れ果てている。二人の間には何かわだかまりがあるようで…?
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』のあらすじ(ネタバレなし)
世界中の人から知られる歴史ある美術館、『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』。ある日、その美術館で事件が起きた。なんと、厳重な警備の中からゴヤの名画『ウェリントン公爵』が盗まれたのだ。警察は、国際的なテロ組織の犯行を疑った。しかし、必死の調査の末に明らかになった犯人は、たった一人の冴えないタクシー運転手、ケンプトン・バントン。そして、法廷に立った彼が身代金の代わりに求めたものは、なんと老人達の公共放送(BBC)の受信料を無料にすることだった。果たして、なぜ彼はそのような要求を出したのか?そして、どのようにして美術館から絵画を盗み出したのか。事件の背後に隠される、様々な謎に注目。
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の感想・評価
ロジャー・ミッシェルの遺作
本作の監督を務めたのは、『ノッティングヒルの恋人』や『パッション』などで知られるロジャー・ミッシェル。ロジャーは、2021年に惜しまれつつもこの世を後にした。元々はドキュメンタリー映画、『Elizabeth』の製作を控えていたロジャーだが、叶わず結果として本作が彼の長編映画最後の作品となった。最初はなかなかヒット作に恵まれなかったロジャー。そんな彼に目を留めたのが、リチャード・カーティス。『ラブ・アクチュアリー』を手がけた名監督である。ラブコメの帝王に認められ、その後大ヒットを生み出してきたロジャー。まさしく集大成である本作を、何としてもスクリーンで見届けよう。
タクシー運転手の優しい嘘とは
本事件の犯人であるケンプトン・バントンが、求めたものは、なんと『年金受給者のBBCテレビの受信料を無料にする』こと。ゴヤの名画という、身代金を求めれば確実に大金が手に入る中で、あえてそれを選ばなかったのだ。勿論、そもそも盗みという犯罪行為は誉められたものではない。しかし、要求したものから、彼の人となりが少し見えてくる。だが、どうやら事件はそれだけでは終わらないようだ。彼は、とある嘘をこの事件の中でついていた。タイトルからも分かるように、その嘘こそが本作のキーとなっている。彼には、どこか『しこり』のある妻がいるが、彼女が関わっているのだろうか?それとも…?
大切なものは人との繋がり
本作では、様々な形で『人との繋がり』が描かれる。高齢者と社会の繋がり、夫婦間の繋がり、そして、社会全体の繋がり。人は一人では生きてはいけない。中には、自分は自分だけの力で生きているという人もいるかもしれないが、必ずどこかで他人は介入している。本作の主人公は、誰よりもその繋がりを重要視している人物。人間関係の希薄化に警鐘を鳴らしたのだ。希薄化といえば、昨今感染症の影響で否でも応でも他人と疎遠になりがちだ。人と触れ合うということは一体どういうことなのか。本作を通して、再び学ぶこととなるだろう。
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の公開前に見ておきたい映画
ノッティングヒルの恋人
これまで数多くの作品を世に送り出してきたロジャー・ミッシェル監督。その中で、1番の大ヒット作といえば間違いなく本作だろう。ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツという、後にハリウッド史に名を刻むこととなる2人の名優が共演を果たした。本作で描かれるのは、身分の違う2人の恋。ウィリアムは、ノッティングヒルで本屋を営む冴えない男性。小さなその店に、ある日なんとハリウッド女優のアナが訪ねてきたのだ。その後も偶然が重なり、互いを少しずつ知るようになった2人。しかし、全く身分の違う2人には様々な困難が待ち受けており…?すれ違いつつもお互いを求める2人の純粋な恋心に、思わず入れ込んでしまう。
詳細 ノッティングヒルの恋人
鑑定士と顔のない依頼人
『名画』、『人との繋がり』、『最後に大どんでん返しが待っている』など、最新作と何かと共通点のある作品。本作の主演を務めたのは、ジェフリー・ラッシュ。『英国王のスピーチ』や、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどで知られる名優である。公開当時、本作の売り出し方が大きな話題を呼んだ。なんと、一部劇場でリピーター割引が行われたのだ。最後の最後で明らかになるどんでん返し。その結果を知った上で再度映画を見ると、全く違った捉え方になるのだ。本作は果たして普通の愛の物語なのか、それとも、陰謀渦巻くミステリー作品なのか。是非ネタバレなしで見て欲しい。
詳細 鑑定士と顔のない依頼人
ラブ・アクチュアリー
前述したように、最新作の監督であるロジャー・ミッシェルには恩人がいる。その人物こそが、リチャード・カーティス。数多くの作品を世に送り出してきた名監督であるリチャードだが、代表作といえばやはり本作だろう。リアム・ニーソンやコリン・ファース、アラン・リックマンなど超豪華キャストばかりを起用した大人気作品。恋愛作品としても、クリスマス映画としても人気が高い。ロジャーの代表作でも主演を務めたヒュー・グラントも、主要キャラの一人として出演している。全く異なる場所で暮らす、身分も違う様々な人物の人生をうまく交差させた群青劇。全てが交わるラストには、思わず感動すら覚える。
詳細 ラブ・アクチュアリー
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』の評判・口コミ・レビュー
『ゴヤの名画と優しい泥棒』試写で鑑賞。ロンドンの美術館から時価14万ポンドの名画を盗んだのは地方に住むおじいちゃんだった!という60年代に実際に起きた盗難事件を映画化。事件に翻弄される老夫婦家族と政治家たちの可笑しさと、終盤の心温まるエピソードが素晴らしい。面白かった! pic.twitter.com/h15I5hj3uh
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) February 22, 2022
「ゴヤの名画と優しい泥棒」鑑賞!!!
ケンプトンがやっていることはとんでもないんだけど、”誰かのために何かをしたい”という慈善活動に尽力する彼の姿を見ていると、少しずつ心が温められてしまう。
こんな老人になりたいな、と観賞後はにこやかな気持ちで劇場を後に出来る良作。 pic.twitter.com/otcjH0KQcZ— ファルケンなう? (@FALKEN_now) February 26, 2022
『ゴヤの名画と優しい泥棒』鑑賞しました。
とある事情から世界的な絵画を盗んでしまった老人とその家族、そして捕まり裁判へと…
軽快な曲と楽しい会話劇、優しさに溢れた家族愛、涙をさそう映画では無いものの心が暖かくなる映画でした。
実話をもとに作られている為、最後に実際のご老人の写真が… pic.twitter.com/Ax28jja3zr— ヤマタノ カツミ (@GBsinsinkan) February 26, 2022
『ゴヤの名画と優しい泥棒』
1961年に実際にあった絵画の窃盗事件を描いた作品。ロンドンナショナルギャラリーからゴヤの名画を盗み出すという前代未聞の事件のはずが題名の通り観たあと温かい気分にさせてくれる。
ケンプトンの表情や仕草から溢れ出る憎めないお爺さん感に観ててにやけてしまう。 pic.twitter.com/Qr6ly6KGy9— 平行 (@CDYr0QfCI7pEjro) February 25, 2022
2/25公開『ゴヤの名画と優しい泥棒』試写感想。ウワー!面白い!60歳のタクシー運転手が盗んだ絵画の身代金で「人類のために」という名目で公共放送の受信料を肩代わりしようと企む。ヘレン・ミレン演じる妻の真っ当なツッコミに悲しくも笑っていたら意外なサプライズもあって感動した!そして実話! pic.twitter.com/NAO7WP4iDl
— ヒナタカ@映画 (@HinatakaJeF) February 21, 2022
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』のまとめ
多くの人々の人生を変えたコロナウイルスの流行。外出自粛や渡航制限など、人々の行動は大きく制限されるようになってしまった。大切な人と会えない、遊びに行けない…。そういった日々が積み重なり、人と人との間には大きな距離感が生まれてしまった。しかし、それは何もコロナ禍に限ったことではない。昔に比べ、人の関係性は少しずつ希薄化してきている。そんな世の中に送り出されるのが本作。誰よりも人と人との繋がりを大切にした犯罪者の実話。こんな世の中だからこそ、視聴者の心に刺さるものがあるはず。是非、自分にとって大切な人と見に行こう。
みんなの感想・レビュー