映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』の概要:人気小説家ポール・オースターの脚本・監督によるミステリーロマンス。演奏中に銃撃事件に巻き込まれながらも、一命を取り留めたサックス奏者。不思議な石を拾ったことで若い女優と出会い、情熱的な恋に落ちる。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:ラブストーリー、ミステリー
監督:ポール・オースター
キャスト:ハーヴェイ・カイテル、ミラ・ソルヴィノ、ウィレム・デフォー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ etc
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映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』の登場人物(キャスト)
- イジー・モーラー(ハーヴェイ・カイテル)
- ニューヨークのサックス奏者。ジャズライブ中に銃撃事件に巻き込まれ、左の肺を失いミュージシャン生命を絶たれる。偶然拾った不思議な石をきっかけに、無名の女優セリアと恋に落ちる。
- セリア・バーンズ(ミラ・ソルヴィノ)
- 若手女優。脇役ばかりで女優だけでは生活できず、レストランで働いている。不思議な石の導きで、親子ほど年の離れたイジーと熱愛関係になる。
- ヴァン・ホーン博士(ウィレム・デフォー)
- イジーを監禁する謎の男。不思議な石について尋問しながら、イジーの個人的な思い出を詳しく知っている。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』のあらすじ【起】
ジャズサックス奏者のイジー・モーラーは、ライブハウスで演奏中に銃撃事件に巻き込まれた。一命を取り留めるが左肺を失い、サックス奏者としての活動を絶たれてしまう。音楽ができなければ死に値すると悲観した彼は、退院しても塞ぎ込むようになった。
そんな彼を見かねた元恋人のハナは、気分転換になるようにと、彼を自宅ディナーに招いた。映画プロデューサーのフィリップと、元女優で映画監督のキャサリン・ムーアと楽しいひと時を過ごしたイジーは、彼らが次作映画「パンドラの箱」の主人公、ルル役を探していることを知る。
ディナーの帰り道、裏通りを歩いていたイジーは、額に穴が開いた男の死体を発見する。驚きのあまり死体の側に落ちていたバッグを拾い、自宅に持ち帰った。バッグの中には持ち主の名前がスタンリー・マーであることを示す伝票と、電話番号が書かれた紙ナプキン、何重にもくるまれた小さな石が入っていた。
その真夜中。石は青く光りながら宙に浮かび、イジーは激しく動揺する。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』のあらすじ【承】
翌朝、イジーは石の持ち主を調べるため、紙ナプキンに書かれた番号に電話をかけた。その相手はセリアという無名の女優。偶然にもイジーのアルバムを聴いていた彼女は、本人からの電話に驚きながらも快く部屋に招き入れた。スタンリー・マーはバイト先の客だと答える彼女に、イジーは納得できずに声を荒げる。
イジーは石を取り出してカーテンを閉めると、石は昨夜と同じように光り始め、部屋が幻想的な青い光に包まれた。セリアはその美しさにすっかり魅了され、石に触れて幸せな気持ちを感じる。イジーと一緒に石に触れると、2人は全てと繋がるような至福の体験を共有した。
イジーとセリアは恋に落ちた。ベッドの上でも屋上にいても、常に体を寄せ合い、互いの頬をぴったりとくっつけて会話をし、そのまま情熱的な口づけを交わした。
セリアがバイトに行こうとすると、ひと時も離れたくないイジーは、同じ店で働きたいと切望。オーナーに頼んでウエイターとして雇ってもらった。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』のあらすじ【転】
セリアはこれまでの出演作のビデオをイジーに見せた。殺される女、パイを投げられる女、シスター、娼婦などの脇役ばかり。次はルル役のオーデションを受けるのだと言うと、監督を知っているイジーは彼女のためにひと肌脱ぐことにした。
バイト先ではイジーが来店客と喧嘩したことで2人ともクビになるが、同じタイミングでセリアのルル役が決まる。セリアは早速、監督らと会食を兼ねた打ち合わせを行った。
セリアは撮影のためにダブリンへ行くことになり、イジーは彼女に石を渡して、しばしの別れとなった。イジーは自宅アパートに戻ると、怪しい3人組に襲われる。家中を荒らされ、どこだか分らぬ監禁部屋に閉じ込められてしまう。
監禁部屋にヴァン・ホーン博士と名乗る男が現れ、光る石について協力しろと言う。話題はいつの間にかイジーの個人的な思い出話に変わり、博士はイジーが少年時代に、裏庭の蛍を捕まえた様子を詳細に語った。さらに兄や父のこと、イジーの怒りっぽい性格についても言及する。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』の結末・ラスト(ネタバレ)
イジーへの尋問はバンドの話やなぜ音楽を辞めたのかという話題に変わっていた。嫌気が差すイジーだったが、俳優のジーン・ケリーの話題になると、「雨に唄えば」を歌って盛り上がった。博士がセリアについて尋ねると、イジーはきょとんとした顔で、知らない人だと答える。
セリアはイジーと連絡が付かなくなったことを気にしながらも、撮影は順調に進んでいた。石を橋の上から捨てた翌朝、彼女の前にヴァン博士が現れる。逃げ出したセリアは橋の上に追い詰められると、川に身を投げてしまった。
イジーは自力で監禁部屋から脱出。プロデューサーからセリアの演技の素晴らしさについて聞き、自分は良い人間かと自問し、自分が存在しているのかを疑った。
場面は冒頭のシーンに戻る。銃撃事件に遭ったイジーは、ステージで倒れたまま動かなくなった。救急車で搬送中に息絶えたため、サイレンが消される。通りを歩いていたセリアは、救急車に死者が乗っていることに気付くと、胸で十字を切って祈りを捧げるのだった。
映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』の感想・評価・レビュー
『スモーク(1995)』で原作・脚本を手掛けたポール・オースターが、脚本と監督を担った作品。幻想的で謎めいたシーンが多く、ミステリアスな雰囲気に包まれていた。中年のサックス奏者と美しい女優が情熱的に愛し合うシーンが、ラブラブ過ぎるなあと感じていたが、男の願望だと分かって納得。自分のために祈りを捧げてくれた見知らぬ女性と最後の夢で出会う、都会の片隅で起きた不思議な物語。ラストの祈りのシーンは、心が温まるような気持ちになった。(MIHOシネマ編集部)
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