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映画『大鹿村騒動記』あらすじ&ネタバレ感想

第33回ヨコハマ映画祭で日本映画ベストテン、第85回キネマ旬報ベスト・テン2位、第35回日本アカデミー賞で優秀作品賞などを受賞した作品。原田芳雄の遺作である。監督は『どついたるねん』の阪本順治、脚本は『探偵物語』の荒井晴彦。

映画『大鹿村騒動記』 作品情報

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:93分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:阪本順治
  • キャスト:原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市 etc…

映画『大鹿村騒動記』 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『大鹿村騒動記』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『大鹿村騒動記』のあらすじを紹介します。

南アルプスの麓にある小さな村・大鹿村には、300年以上の歴史を持つ大鹿歌舞伎という伝統芸能があった。村で歯科料理店を営む老人・風祭善(原田芳雄)は大鹿歌舞伎の花形役者として人気者だ。

久々の公演が目前まで迫っていたある日、18年前に幼なじみの治(岸部一徳)と駆け落ちし善のもとを去った妻・貴子(大楠道代)が二人揃って現れる。病気のため記憶を失いつつあった貴子に愛想が尽きた治が貴子を善に返しに来たのだ。
唐突な事態に困惑する善だったが、貴子は過去に自らが演じていた歌舞伎のセリフだけはしっかりと覚えていることに驚く。

そんなある日、大鹿村を直撃した台風が原因で土砂崩れが発生し、歌舞伎役者が怪我をして出演不可になる。代役に立てられたのは、貴子だった……。

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映画『大鹿村騒動記』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『大鹿村騒動記』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

迫力に欠ける

かつて愛しあった妻が記憶を失った状態で戻ってきて、大きなステージを経験して過去を精算し、新たな人生を歩んでいこうではないか……。という、人情話です。

本作は国内で非常に高い評価を受けており、2012年を代表する邦画とされています。しかし、出演者の年齢層が高すぎるがために迫力に欠ける映画です。

原田芳雄は2011年、三國連太郎は2013年に亡くなっています。かつて名優と呼ばれ、名声をほしいがままにした俳優であるとはいえ、迫力のかけらもありません。原田芳雄はまだマシですが、三國連太郎は本作が製作された2011年に出演した『ある母の記』では死にかけの寝たきり老人として出演するなど、既に役者としての体力は亡くなっていたのです。
迫力がない!

若い俳優でも中年ですから、若さが全くないんです。大鹿歌舞伎のシーンはなかなかの迫力でしたが、美術と伝統芸能そのものの力によるところが大きいでしょう。
演出は老人役者に合わせた静かなもので、興味を持続させるようなレベルではありません。現代の映画界の主流からは大きく外れていることは間違いありません。

しかし、かつての邦画のような迫力は全くないのです。成瀬巳喜男や小津安二郎の人情話には迫力がありました。卓越した演出力と俳優の演技力の賜物です。

本作が高く評価されているのは、原田芳雄の遺作であるという点と、映画賞の審査員が老人と金で動く連中ばかりであることが大きいのではないかと思います。キネ旬のベスト・テンはあてになりませんし、日本アカデミー賞は腐敗しています。意味の無い権威ですよ。
決して面白く無い訳ではありませんが、高評価される風潮は甚だ疑問です。


邦画が苦手な私にとって、ベテラン俳優ばかりが揃った地方の村の催し物のお話は退屈なものでした。驚いたのは三國連太郎の覇気のなさ。もうだいぶお年を召しているのは分かりますが、こんな状態なら出演しない方がかっこよかったのでは…なんて思うほど。
原田芳雄や岸部一徳など名だたる俳優陣の演技を楽しむ作品なのだとすれば、ファンだけが見れば良いでしょう。ストーリーもイマイチでテンポも悪いので、これを見なくても他にもっと面白い作品があると感じてしまいました。(女性 30代)

映画『大鹿村騒動記』 まとめ

阪本順治監督の映画は、映画誌と映画賞では高く評価されるものの観客の評判はあまり良くないという作品が多いように感じます。とくに近年。『北のカナリアたち』もそんな感じの映画でしたね。東映が所有している映画館で長らく上映されていましたが、ガラガラでしたよ。

本作の迫力が欠けている理由は老人俳優と老人向け演出が原因ですが、若手俳優が全く出演していないことも影響しているのではないかと思います。地方都市の明るい将来が見えない田舎町のような閉塞感。人生の閉塞感とはちょっと質が違います。

阪本順治監督は今後もこの程度の映画しか制作できないのですから、近年手を出しているミュージック・ビデオを主戦場にすればいいんじゃないかと思います。ヒットはするけど心に残らない映画なんて……。『どついたるねん』みたいな映画が見たいぞこの野郎!

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