映画『ジャージー・ボーイズ』の概要:ブロードウェーのミュージカルをクリント・イーストウッド監督が映画化した作品。『シェリー』などのヒット曲で知られるバンド「フォー・シーズンズ」の誕生からリードシンガーがソロで活動するまでを描く。
映画『ジャージー・ボーイズ』の作品情報
上映時間:134分
ジャンル:伝記、音楽
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ etc
映画『ジャージー・ボーイズ』の登場人物(キャスト)
- フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)
- 歌手志望の青年。理髪店で働きながら歌の練習をしている。その美声で多くの人を魅了し、成功を手にする。その一方で若くしてした結婚が破綻してしまう。
- ボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)
- 作曲の才能があり、「フォー・シーズンズ」のヒット曲を数々生み出していく。フランキーとビジネスパートナーを組み、バンドが分裂しても共に活動する。
- トミー・デヴィート(ヴィンセント・ピアッツァ)
- 盗品を売りさばいたりしているチンピラで、バンドを組んでバーで演奏している。フランキーの才能を見いだし、世話を見ている。
- ジップ・デカルロ(クリストファー・ウォーケン)
- ニュージャージー州を仕切っているマフィアのボス。フランキーの歌に惚れ込み、フランキーが面倒な目に遭わないように陰ながら助ける。
映画『ジャージー・ボーイズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ジャージー・ボーイズ』のあらすじ【起】
1951年のニュージャージー州、理髪店で働くフランキーはその美声からデカルロに目をかけられていた。悪友のトミーはフランキーを連れて強盗を働こうとして、失敗する。警察に捕まったフランキーは警告だけで済まされるが、トミーは刑務所に収監される。出所したトミーはフランキーをリードシンガーにして、バーで演奏するようになる。フランキーは演奏を聴きに来ていた年上の女性に一目惚れし、結婚式を挙げる。
フランキーがチンピラからゆすりを受けて窮地に立たされる。しかし、デカルロが介入してくれたお陰で問題はすぐに解決する。フランキーがバーでデカルロの思い出の歌を披露し、デカルロは涙を流して感動する。デカルロはフランキーに困った時にはいつでも相談するようにと告げ、誓いの証しとして二つに破った紙幣の片方を渡す。
トミーはバンドを組むために、人づてに紹介を頼む。その結果、ヒット曲を作曲した実績のあるボブと巡り会う。ボブはフランキーの歌声に惚れ込み。フランキーもボブの作曲の才能に注目する。こうして、ベーシストとボブを加えた4人でバンドを組む。
映画『ジャージー・ボーイズ』のあらすじ【承】
フランキーとボブはレコードレベールにデモテープを送って売り込みを図る。どこも関心を示してくれない中で旧知のプロデューサーが契約をしてくれることになる。しかし、4人はバックコーラスとしてこき使われるだけで、なかなか自分たちでデビューすることができなかった。フランキーはバンド名を「フォー・シーズンズ」にすることを提案し、トミーはレコードの録音費用をマフィアの高利貸しに借金することにする。ボブが『シェリー』を作曲し、プロデューサーも曲を気に入る。『シェリー』はラジオで繰り返し流され、バンドはテレビにも出演するようになる。
ボブはプロデューサーがテレビを見ていて発した「大人の女は泣かない」との一言をヒントに次の曲を作り、また大ヒットさせる。ボブはその後もヒット曲を次々と生み出し、トミーはホテルで盛大なクリスマスパーティを開いて成功を満喫する。フランキーはバカ騒ぎとは距離を置き、家族とクリスマスを過ごす。ボブはフランキーにパートナーを組むことを提案し、お互いにソロと作曲の収入を折半する約束を交わす。
映画『ジャージー・ボーイズ』のあらすじ【転】
フランキーはツアーから帰宅するが、妻は不在で父親としての役割を果たさないことを責め立てる。妻は結婚指輪を投げつけ、フランキーは荷物をまとめて出て行く。フランキーがテレビに出演する準備をしている時に、マフィアの高利貸しがトミーの借金15万ドルの取り立てに現れる。このことでトミーの借金問題がバンドメンバー全員に知れることになる。
ボブの問題沙汰を起こすのは今回が初めてではなく、以前にはホテルへの宿泊代を払わなかったためにメンバー全員が逮捕されたこともあった。また、フランキーが惚れ込んだ女性記者にトミーが言い寄ろうとしたために、フランキーとトミーの関係に亀裂が生じたこともあった。
フランキーはデカルロに紙幣の切れ端を見せて助けを求める。デカルロはマフィアの高利貸しを呼んで、全員で話し合いをする。そしてトミーが実はバンドの預金も使い込んでおり、100万ドル近い借金があることが判明する。フランキーはトミーへの恩義から借金の全額を肩代わりする。しかし、バンド内の分裂は避けられず、ベーシストは脱退を表明する。
映画『ジャージー・ボーイズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ボブはフランキーにソロで活動をすることを勧める。説得されたフランキーはボブの曲を歌いながら、借金返済のために数々のツアーをこなす。しかし、フランキーの留守中に娘が家出をしてしまう。フランキーはつてを使って娘を探し出し、今まで不在にしていたことを謝る。そして娘が歌手としてデビューできるように歌の練習をアレンジする。
フランキーはマフィアの高利貸しに借金の全額を返済する。ボブやデカルロとそのお祝いをしようとしていたところに電話があり、娘が亡くなったことを告げられる。葬儀が行われ、フランキーは抜け殻状態になってしまう。ボブはフランキーを励ますために新曲を作曲し、その楽譜を見たフランキーは音楽への意欲を取り戻す。フランキーは新曲『君の瞳に恋している』を披露して、聴衆から拍手喝采を浴びる。
1990年に「フォー・シーズンズ」がロックの殿堂入りを果たし、4人が25年振りに顔を合わせる。フランキーはトミーと抱き合う。4人はステージに上がり、若い頃と同じようにかつてのヒット曲を熱唱する。
映画『ジャージー・ボーイズ』の感想・評価・レビュー
誰もが一度は耳にしたことがあるヒット曲が詰まった作品。しかし、その曲を生み出したバンドにこんな波瀾万丈な物語があったことを初めて知った。単なる伝記映画だけでなく、マフィア映画のような雰囲気を持っており、男の絆に胸が熱くなる場面もある。フランキーの伝記映画にするのではなく、バンドに焦点を当てたのも成功の要因だろう。メンバーが画面に語りかけてくるナレーションも展開をだれさせないために効果的だった。(MIHOシネマ編集部)
曲は非常に有名ですが、グループを知っていればもっと楽しめた作品だったと思います。とても波乱万丈なグループだったことは分かりました。ファンであれば許せたかもしれませんが、個人的には調子に乗ってはしゃぎ過ぎたお兄ちゃん達という印象です。トミーは序盤面倒見の良い兄貴分だった分、後半借金で迷惑をかける姿は情けなくて悲しくなりました。フランキーもツアーを言い訳に愛人と遊んで家庭がめちゃくちゃなのもどうかと…苦労せず売れて天狗になると痛い目を見るよ、という教訓になる作品になってしまいました。(男性 20代)
クリント・イーストウッドの監督作品にハズレは無いと思っている私。今作は今までの彼の作品とは少し違った印象を受けましたがフランキーという一人の男と彼が愛した「フォー・シーズンズ」のメンバー両方に焦点を当てているのがすごく良かったと思います。
バンドは一人が才能を持っていても売れる訳ではなく、様々な出会いや要因が重なり合ってそれぞれの才能が交わり合った時に最高の力を発揮するのだと思います。紆余曲折を経て良い形で再会した彼らのラストは素晴らしい関係性を表していました。(女性 30代)
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