映画『ラストベガス』の概要:70歳の老いを迎えた幼馴染みの4人組が久しぶりに集結してラスベガスで大暴れ。その友情を確かめ合う。マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインの豪華キャストが4人組を演じる。
映画『ラストベガス』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:105分
- ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
- 監督:ジョン・タートルトーブ
- キャスト:マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン etc
映画『ラストベガス』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ラストベガス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ラストベガス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ラストベガス』 あらすじ【起・承】
ビリー(マイケル・ダグラス)、パディ(ロバーロ・デ・ニーロ)、アーチー(モーガン・フリーマン)、サム(ケヴィン・クライン)の4人は幼馴染みで“フラットブッシュ4人組”と名乗る親友同士だった。
事あるごとに4人で集まってきたが、70歳になった今ではそれぞれの事情ができ、4人で会う機会も減っていた。
ある日、サムとアーチーのところへ久しぶりにビリーから電話がかかってくる。ずっと独身を貫いてきたビリーがまだ32歳のリサと結婚するというのだ。ラスベガスでの結婚式に招待されたサムとアーチーは、4人で「独身さよならパーティ」をやろうと言い出す。
サムとアーチーはパディを誘いに行く。しかしパディは最愛の妻ソフィーを亡くしてから、すっかり偏屈になっていた。ソフィーも4人の幼馴染みだったのに彼女の葬式へ来なかったビリーの不義理をパディは許せず、2人は絶交状態だった。
何とかパディを連れ出すことには成功したが、これがビリーの結婚式を祝うための集まりだと知ったパディは機嫌を損ねる。ビリーにもずっと文句を言い続け、なかなか昔の仲良し4人組には戻れなかった。
ベガスに着いて、4人はホテルのバーで歌うダイアナ(メアリー・スティーンバージェン)と意気投合する。ダイアナは同世代の年増だったが、頭の回転が早い魅力的な女性だった。
アーチーはカジノで10万ドルを荒稼ぎし、そのおかげで4人には最高級のスウィートルームが用意される。
映画『ラストベガス』 結末・ラスト(ネタバレ)
夜のクラブでひと暴れしたパディは昔の感覚を思い出し、翌朝ダイアナに会いに行く。彼女に“悲しむあなたを亡くなった奥さんは喜ばない”と言われ、パディは彼女をパーティへ誘う。
パディはビリーに、結婚相手の若い彼女を本気で愛しているのかと聞く。実は昔、パディとビリーはソフィーを取り合った仲で、パディだけはビリーが無理をしていることに気づいていたのだ。ビリーはパディの質問にはっきり答えなかった。
ビリー以外の3人はド派手なパーティの準備を進める。そしてビリーはダイアナを訪ねる。
2人はデートを楽しみあれこれ話す。ダイアナは彼に“一目見たときから好きだった”と伝える。結婚を控えるビリーは明確なことを言わず、ただ彼女を今夜のパーティに誘う。
いよいよド派手なパーティが始まった。大勢の客で賑わう大盛況のパーティ会場で、ビリーとパディは入り口ばかり気にしていた。そして2人ともダイアナが好きだとわかる。
会場へ現れたダイアナにビリーはパディの気持ちを受け入れてやってくれと頼む。ビリーは昔ソフィーにも同じことを言っていた。その話を聞いてしまったパディは深く傷つく。
翌日、パディはビリーに“愛する相手を指定することはできない、妻は俺を愛していた”と告げ、本音を言おうとしないビリーの代わりにリサと話す。そしてビリーはついにリサとの結婚を破談にする。リサは怒って帰ってしまう。
ビリーは初めて3人に老いを恐れる自分の本音を語り、ソフィーの葬式に行かなかったのも別れを受け入れたくなかったからだと告白する。落ち込むビリーに3人は“俺たちがいる”と言い、4人は固い友情を確かめ合う。そしてビリーはダイアナのもとへ行く。
4人がベガスで別れてから58日後、以前より充実した日々を送る3人のもとに“ダイアナと結婚することになった”とビリーから知らせが入る。
映画『ラストベガス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ラストベガス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
老いの現実を笑い飛ばす
老後を迎え、体の衰えや張り合いのない日々に本来の自分を見失っていく人は多いだろう。特に女性よりも男性の方にその傾向が強い。
妻に先立たれ偏屈になってしまったパディ。逆にサムは妻に管理される生活にうんざりしており、アーチーは息子の顔色を伺う窮屈な日々を送る。そして唯一現役で仕事をしている若作りに余念のないビリーは自分の老いを恐れ、金にものを言わせて娘のような年の女性と結婚しようとしている。
書き出すと暗い話のようだが、その老いの現実を本作では非常に軽快なコメディにして見せてくれる。この4人が悪ガキ時代からの幼馴染みという設定なので、互いへのツッコミに容赦がない。久しぶりに会ったビリーの頭を見て“増毛を?”“どこから毛を持ってきた?”と何の遠慮もなく聞くあたりに、4人の仲の良さがうかがえるし、かなり笑える。
本作の脚本には毒蝮三太夫や綾小路きみまろ系の面白さがある。老いの現実を愛情ある毒舌で笑いに変えてしまうというのは日米共通のコメディセンスのようだ。
この4人!
マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインというものすごいメンバーの共演に触れないわけにはいかない。
説明するまでもないほど有名なベテラン俳優の4人が集められ製作されたのがコメディというのがいい。これが深刻なドラマだったらこのキャスティングがかえって重荷になりそうだが、コメディなので4人の間の良さや演技の達者さを気持ちよく堪能できる。4人もなんだか楽しそうだ。
4人がマフィアの大物の振りをして若者をビビらせるシーンには思わず顔がニヤついてしまう。数々の大物マフィアを演じてきたデ・ニーロに悪ふざけでマフィアの芝居をさせるなんて、その手の映画ファンは喜ぶに決まっているのだから。
映画『ラストベガス』 まとめ
子供時代をともに過ごした友人というのはいいものだ。大人になって長らく会わなくても、それぞれに重たい事情を抱えていても、顔を見た瞬間にスッとあの頃の若くて未来ばかりだった自分を取り戻せる。
そういう友情と老いの現実を絡めたストーリー展開や演出は良かった。ただ、突如として出現したダイアナという女性の存在をめぐるラブストーリー要素がイマイチ。昔同じ女性を愛した因縁のあるマイケル・ダグラスとデ・ニーロが再び同じ女性を愛してしまうという設定がくさいし、2人とも彼女に一目惚れするというのもちょっと強引だ。
ただ結末も含めてとても気持ちのいい娯楽映画になっているし、老いを描いた辛気臭さが全くないのはさすがだった。年齢と性別によって受ける印象がかなり変わりそうな作品であり、4人と同世代の男性にはもしかしたら泣ける映画なのかもしれない。
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