映画『ミーン・ガールズ』の概要:アフリカ育ちのヒロインが、アメリカの今時ハイスクールへ転校!女王として君臨するレッジーナにひょんなことから気に入られ・・・!?今を代表する女優を数多く輩出したことでも有名なガールズ映画!
映画『ミーン・ガールズ』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:97分
- ジャンル:コメディ、青春
- 監督:マーク・ウォーターズ
- キャスト:リンジー・ローハン、レイチェル・マクアダムス、ティナ・フェイ、ティム・メドウス etc
映画『ミーン・ガールズ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ミーン・ガールズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ミーン・ガールズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ミーン・ガールズ』 あらすじ【起・承】
動物学者を両親に持ち、アフリカで育ったケイディは16歳にして初めてアメリカへ帰国、学校へ行くことになる。
まるで小学生の子供を送り出すかのような両親に見送られ、足を踏み入れた初日のハイスクールはケイディにとって戸惑うことばかりでうまく馴染むことも、友達を作ることもできずに初日の昼食はトイレの個室で一人だった。
だが、次の日学校に行くと、隣の席のジャニスとダミアンと親しくなる。初めての「友達」に喜ぶケイディ。彼らはケイディに学校ではルールや派閥、グループがあるのだと教える。
その筆頭が高校のアイドルで皆が憧れる「プラスチックス」だった。
プラスチックスのメンバーは圧倒的なカリスマ性を誇る女王レッジーナを筆頭に、金持ちの娘グレッチェン、史上最高のバカ娘と揶揄されるカレンの三人。派手な見た目で全校生徒はいつもこの三人の言動に注目しているという。
あの三人には関わらないほうがいいとジャニスとダミアンからは忠告されるが、昼食時に知らない男子生徒から絡まれたところを偶然にもレッジーナに助けてもらう。
レッジーナはケイディを眺めると、自分たちの席へ座るよう促した。
映画『ミーン・ガールズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
戸惑いながらもレッジーナたちのテーブルについたケイディは、「私たちのグループに入れてあげる」と一方的に誘われ、すぐにジャニスに「優しそうだった」報告すると、激高されてしまう。
ジャニスは極端にレッジーナを嫌っていたのだ。だが、彼女はケイディをけしかけプラスチックスの仲間になりレッジーナの弱みを握ろうと盛り上がる。
はじめは乗り気でなかったケイディだが、一目惚れしたアーロンがレッジーナの元彼だと分かると状況が変わった。
レッジーナはケイディにアーロンとの仲を取り持ってあげると協力を申し出たにも関わらず、招かれたパーティの最中にケイディの目の前で見せつけるようにアーロンを誘いキスをしたのだった。
ケイディは泣きながらジャニスとダミアンに助けを求める。三人はレッジーナを女王から陥落させるため、具体的な作戦を計画し始めた。
作戦の効果が現れ、レッジーナの完璧な仮面は徐々に剥がれていき、無事アーロンと別れさせることにも成功したがいつまで経ってもアーロンはケイディに告白をしない。焦ったケイディだが、自宅に招いたパーティで決定的な失態を演じてしまった上、ジャニスやダミアンにも「本当にプラスチックになってしまった」と愛想を尽かされてしまう。
ついにケイディの企みに気づいたレッジーナがケイディへの復讐を始めた。
憤ったレッジーナが自室の棚から持ち出したのは女子への「悪口ノート」。グレッチェンやカレン、ケイディも何度も目にしていたものだった。
そこへレッジーナは自分の写真を貼り付けると学校へ持ち込みケイディを悪者にするために騒動を起こす。
映画『ミーン・ガールズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ミーン・ガールズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
この映画の設定は実に巧妙でリアリティに溢れている
十代特有の女子カースト。見た目や持っているもので優劣をつけたがり、また同時に過度な仲間意識からよそ者をめったに受け付けない。
この映画で描かれているのは可愛くいたいけな十代の子供ではなく、小賢しく、狡猾な女子高生たちだ。
ハイスクールという小さな世界、自分の居場所を確保するために繰り広げられるスクールカーストをユーモアと皮肉たっぷりに描いており、彼女たちの織り成す嘘と建前、自分が上に行くために他人を蹴落とす、という図はヒロインの育ったジャングルの世界のみならず我々社会人の世界にも通じるものがあった。
すべての登場人物に感情移入できる
この映画の素晴らしいところは、登場人物一人ひとりが個性的であり、役割がしっかりと与えられているという点である。
言ってみれば、どのキャラが主役でもおかしくないほど、作り手がそれぞれのキャラにしっかりとした愛着を持っているのだ。ヒロインはもちろんのこと、周囲を固める友人たち、その他の生徒たち、両親や教師に至るまでも細かな設定と印象的なシーンが用意されていた。それは脚本とプロデューサーを務めたティナ・フェイの手腕かもしれない。
ヒロインが変化していく様の分かりやすさ
ヒロインの風貌の変化は観客に一番分かりやすく伝えてくれる。はじめはチェックのシャツにジーンズのポニーテール姿というラフな格好だったのが、プラスチックスのメンバーとして過ごしていく中でメイクを覚え、短いスカートを覚え、周囲の人間を操るための術をも学ぶ。真っ白だった分、彼女は自分でも気づかないうちにまたたくまにプラスチックになりきることができたのだが、これらを音楽やセリフのちょっとした言い回しなどで「見た目だけ」に走らせず、全く違和感なく自然に見せていたのは見事だった。
キャストの顔ぶれにも注目
また、この映画を見て驚くべきなのは、ヒロインの脇を固めるキャストの顔ぶれである。先述したティナ・フェイをはじめ、「きみに読む物語」でブレイクした今や人気女優レイチェル・マクアダムス、話題の映画に引っ張りだこのアマンダ・セイフリッド、また現在ブラッド・ピット主演映画の撮影に参加しているリジー・キャプランなど、もう二度と揃って画面に出ることが叶わないようなメンツを拝むことができる。
この映画が彼女たちの出世の足掛かりになったのは確実で、それほどまでに随所で各人の芝居が光る一作であった。
映画『ミーン・ガールズ』 まとめ
最後は全校生徒の嫌われ者になったはずのヒロインがハイスクールクイーンに選ばれ、プラスチックで出来た王冠を割り、他の候補者や生徒たちとシェアするという大円団が印象的だった。
この映画は言わずもがな、女性向である。だが、ティーン向けというわけではない。二十代、三十代、四十代の女性も「こういうことってあったよね。」と共感しながら楽しめる映画だった。
女同士の見栄の張り合いや、噂話に陰口、秘密、そんなものって本当に楽しい?と問いかけてくるのだ。それに翻弄されたヒロインだが、最後は「人のことなんか気にせずにみんなで楽しく仲良くしよう」平たく言えば、それがこの映画の結末だったのではないか。
2004年製作の映画だから10年以上経つわけだが、今見ても全く色あせず古臭くない。それは一見流行りに乗ったようなティーン向け映画であるにもかかわらずそのテーマが全世代に共通する普遍的なものだからではないだろうか。
個人的には、今人気のトップ女優たちの若かりし頃の共演を是非目にして頂きたいと思う。アマンダ・セイフリッドの終始口を半開きにして目を見開くおバカな演技は必見である。
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