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映画『ぶどうのなみだ』あらすじ・ネタバレ結末と感想

映画『ぶどうのなみだ』の概要:2014年公開の日本映画。北海道の空知を舞台にした年の離れた兄弟が織りなすヒューマンストーリー。突発性難聴にかかった元指揮者が田舎に戻りワインを作るという物語で、北海道の雄大な四季と風景が魅力の作品である。

映画『ぶどうのなみだ』 作品情報

ぶどうのなみだ

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:117分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:三島有紀子
  • キャスト:大泉洋、安藤裕子、染谷将太、田口トモロヲ、前野朋哉 etc…

映画『ぶどうのなみだ』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『ぶどうのなみだ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ぶどうのなみだ』のあらすじを紹介します。

北海道の空知。
父を亡くした歳の離れた兄弟がここに暮らしている。
兄はアオ(大泉洋)、弟はロク(染谷将太)という。
二人は父が残した小麦畑を継いでいるがアオは突然葡萄を植え、ワイン作りに没頭している。
そんな兄に嫌悪感を持ちつつも、一緒にいることを楽しいと思うロクであった。

ある日彼らの畑の隣の飽き地にキャンピングカーが止まる。
中から出てきたのはエリカという女性だった。
彼女は突然スコップで穴を掘り出す。
大慌てでアオは止めに行き、それ以来アオはエリカが苦手である。
穴を堀続けるエリカを変わり者と思いながらも、子供のような童心さで人を惹き付けるエリカ。
空知の住人やロクもエリカと交流を持ち始めた。
強情で独りよがりなアオは彼女を許せず、いまだに話もしない。

アオのワインは中々納得のいく味がでない。
丁寧に手入れをし、葡萄のことだけを考えているアオ。
しかし苛立ちは募るばかりだった。

時が流れるにつれ、アオはエリカと交流を持ち始める。
そして自分のワインを飲ませた。
するとエリカは『土臭い』と言う。

ある日エリカはある床屋につれていかれる。
そこで髪を整えてもらいながら目にした新聞記事。
そこにはアオのことが書いてあった。
音楽の才能があり夢を追い、畑や家族を置いて出ていったアオはオーケストラの指揮者となった。
しかしコンサートの途中、突発性難聴になったアオはタクトをふることが出来なくなり実家の畑を継いだのだ。
エリカは傷ついたアオの心を見たような気がするのであった。
エリカもまた幼少期に母に捨てられた過去があり、未だにその記憶から逃れられないでいるからだった。
穴を堀続けている理由も母がアンモナイトをくれたから。
アンモナイトを探しているのだ。

翌年の葡萄から作ったワインも出来が良くなかった。
荒れるアオ。
それを見てエリカは日本に暮らす母の元を初めて訪れた。
母は成功し裕福な暮らしをしていた。
エリカがそこに来た理由。
それはアオのために空知で育った木を使い、樽を作るお金を貸してもらうためだった。

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映画『ぶどうのなみだ』 結末・ラスト(ネタバレ)

エリカは姿を消した。
しかしアオ達の前に樽が届く。

そして、手紙が同封されていた。
空知のもので空知のワインを作ってほしいと。
アオは今まで寂しい思いをさせた弟や、面倒をかけた空知の人びと一人一人に謝罪し新な気持ちで葡萄を育てた。

翌年、ワインが出来上がった。
納得のいくワインだった。
今まで独りよがりだったアオが、空知の人びとにも手伝ってもらってできたワイン。
毛嫌いしていたロクもワインを飲み、兄を認めた。

そしてアンモナイトを掘るエリカを探しだしたアオ。
ワイン片手に迎えにいくのだった。

映画『ぶどうのなみだ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ぶどうのなみだ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

世間の評価の低さに騙されるな

この映画を観る前に調べると、物凄く低い評価で観る気を無くす人が多いだろう。
そんなことは、もったいないから是非止めて頂きたい。
この映画は人から聞くより断然自分の目で観た方が良い。
穏やかなのに静かな強さもかね揃え、何より美しい。
ありきたりな評価に騙されて鑑賞を止めるということは避けてほしい。

ヨーロッパを思わせる風景が特徴の美作品

映画の作り方がイタリアやフランスを舞台にしたワイナリーを思い出させる作りとなっている。
お洒落で洗練されたファッションの個性的な登場人物たちが、人の風変わりな女性の出現でこだわりや、孤独から解放されていく。
ヨーロッパ映画にありそうなストーリーなので好き嫌いがあるだろうが、日本でここまでのクオリティーに仕上げたのは大したものと感心する。
こじんまりしそうなものなのに、日本の風土と良い塩梅の不思議さ、アンニュイさ、そしてロマンスさ。
まさにバランスの取れたミニシアター系映画である。

大泉洋の真骨頂

上手い。
彼の演技は上手いのだ。
いつものおちゃらけた感じとは違う、神経質で独りよがりな役。
そして一人の女性を愛し貫く格好良い役。
これがあの大泉洋かと目を疑うほど格好良い。
最後のラブシーンは映画として盛り上がりを作る演出としては非常に良く、気持ち良く終わらせることが出来る。
何度も観たくなる素敵なほんわか映画である。

映画『ぶどうのなみだ』 まとめ

北海道の魅力を存分に伝えた映画が本作品である。
四季の美しさとワイン作りの難しさ。
人との出会いやそこに暮らす人びとの心の優しさ、すべてに空知の良いところかが詰め込まれている。

歌手の安藤祐子がヒロイン役を演じているがこれが中々良い。
演技初挑戦に近いようだが、大泉洋とも十分渡り歩いている。
美しすぎないのがまた魅力的なのである。
大泉洋の魅力が眩しすぎる日本映画。
コンパクトでいながら大スケールを見事に描き出すことに成功した素晴らしい邦画の誕生である。

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