映画『カラーズ 天使の消えた街』の概要:ロス市警暴力団対策課のベテラン警官と若手警官が相棒となり、考え方の違いから対立しながらも共に暴力団たちの犯罪に立ち向かい信頼関係を築いていく。1988年製作のアメリカ映画。
映画『カラーズ 天使の消えた街』 作品情報
- 製作年:1988年
- 上映時間:121分
- ジャンル:フィルムノワール、ヒューマンドラマ
- 監督:デニス・ホッパー
- キャスト:ロバート・デュヴァル、ショーン・ペン、マリア・コンチータ・アロンゾ、ランディ・ブルックス etc
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映画『カラーズ 天使の消えた街』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画 『カラーズ 天使の消えた街』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『カラーズ 天使の消えた街』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『カラーズ 天使の消えた街』 あらすじ【起・承】
ロス市警及び郡保安官事務所にはそれぞれ暴力団対策課があり、計250名の担当捜査官がいる。彼らはロスに存在する600組を越す暴力団の組員7万人を日々取り締まる。それでもロスで起きる暴力団関連の殺人事件は年間400件近くに上っていた。
ロス市警のダニー警官(ショーン・ペン)は経験の浅い若手で上司にも反抗的だった。上司はダニーの相棒に定年を間近に控えたベテランのホッジス警官(ロバート・デュヴァル)を指名する。
ダニーたちの管轄地域では、“ブラッド団”と“クリップス団”の抗争が激しくなっていた。クリップス団のロケットはブラッド団のロバートをいきなり車から撃ち殺す。ダニーとホッジスは捜査を進めるが、目撃者は関わり合うことを恐れ何も話してくれない。
ホッジスは少年や組員たちと信頼関係を築き、相手に貸しを作って情報を仕入れるという捜査方法を取っていた。クズのヤクを所持していたブラッド団のハイトップを逃がしてやったホッジスにダニーは文句を言うが“相手を暴力で押さえ込もうとするお前のやり方が間違えている、もっと楽にやれ”と苦言を呈される。
2人の管轄地域にはもう一つ“ホワイト・フェンス”という暴力団があった。リーダー格のフロッグとホッジスは顔見知りで、一定の信頼関係があった。
ロバートの葬式が行われていた教会を再びクリップス団が襲撃する。張り込みをしていたダニーとホッジスは激しいカーチュエスを繰り広げ彼らを追跡する。強引なダニーの運転で追いつめられたクリップス団の車は横転して大破し、ダニーたちの車も潰れてしまう。
ダニーの新しいパトロール車は派手な黄色で、組員たちはダニーのことを“パックマン”と呼び始める。
映画『カラーズ 天使の消えた街』 結末・ラスト(ネタバレ)
ホッジスがいくらアドバイスしてもダニーは暴力的な取り締まりを止めようとしない。ダニーの態度を見かねたホッジスは“お前は暴力団と同じだ、やるならいつでもかかってこい”と真剣に怒る。
クリップス団が関わっている大口のコカイン売買にホッジスが逃がしたハイトップが関わっていたことがわかる。ハイトップを追いつめたダニーはレストランで彼と格闘になる。暴れるハイトップを後から来たホッジスが押さえ込み、逮捕する。ダニーはホッジスを見直し、素直に謝る。
仲間を裏切ってクリップス団と関わっていたハイトップは、刑務所でブラッド団から制裁を受ける。身の危険を感じたハイトップは警察との取引に応じて“ロバートを殺したのはロケットだ”と白状する。
このことでロバート殺しの捜査は一気に進展し、警察はロケットの隠れ家を突き止める。彼女とお楽しみ中のところに踏み込んだ警察は下着を取ろうとした男を射殺してしまう。ところがロケットだと思っていた男は別人で、しかも撃ったのはダニーだという間違った情報が広がってしまう。
刑務所にいたフロッグから、クリップス団が仲間を殺したダニーに復讐しようとしているという情報がホッジスに入る。警察が警戒を強めたことでクリップス団は刑務所にいるフロッグが情報元だと読み、フロッグの出所祝いをしていたホワイト・フェンスの溜まり場を襲撃する。
これにより組同士の抗争は激化しホワイト・フェンスはクリップス団のアジトを襲撃する。フロッグたちの行方を突き止めた警察がホワイト・フェンスのメンバーを一斉検挙しているところで、ホッジスは若い組員に撃ち殺されてしまう。
ホッジスから様々なことを学んだダニーは警官として成長し、若い相棒にホッジスに教えてもらった教訓を伝授する。
映画『カラーズ 天使の消えた街』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『カラーズ 天使の消えた街』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アメリカの不良は半端じゃない
映画内では「暴力団」と訳されていたのであらすじはそれに習ったが、ここで描かれているのはいわゆる「ギャング」と呼ばれる若者たち中心の不良集団だ。また「組員」とも訳されていたが、親分子分の杯を交わしたりする日本の組織的なヤクザの組員とは違い「仲間」といった雰囲気である。
溜まり場にしているのも空き地や倉庫のような場所であり、ヤンキーの集まりに見える。しかし、日本のヤンキー少年たちとは全く違う。彼らは普通に銃やマシンガンを所持しており、対立抗争が起こるとそれを使って本気で殺しあう。その恐ろしさは半端じゃない。取り締まる側の警察も常に命がけだ。
これを見るとお祭りや成人式になると大騒ぎする日本のヤンキーと警察の小競り合いなんて可愛いものだと感じてしまう。アメリカ社会の闇はどこまでいっても深い。
主人公に魅力がない…ということは…
ショーン・ペンの演じる若手警官のダニーがロバート・デュヴァルの演じるベテラン警官のホッジスと相棒を組まされたことから始まる葛藤と成長が物語の主軸かなと思うのだが、どうもそこが弱い。2人の対立もダニーの成長も描き方が中途半端でこちらの感情に訴えてくるものがない。
そもそも主人公のダニーという人物に魅力がない。暴力的で生意気なことに何か特別な原因(過去に家族が殺されたとか、どうしても手柄を立てて出世したいとか)があるのかなと思っていたが、最後までそこは描かれない。せめて強い正義感でもあれば共感もできるけれど、それもない。単に空回りする張り切り屋では主人公として間抜けすぎる。
主人公が何と戦っているのかがよくわからないのも気になった。単純に考えると警官としてギャングに立ち向かっているのだけれど、ホッジスとも対立しルイーザという女性にまで憎まれ、ギャングから命を狙われる立場にもなる。しかし、そのことでドキドキするような展開はなく、ギャング同士が殺し合いダニーの敵は勝手に消滅する。ホッジスを認めるようになる動機も弱いし、ルイーザという女もよくわからない。しかもホッジスが殺されるという結末では…ダニーの見せ場が全くない。
つまり、脚本がまずい。本作のイマイチ感の原因はそれに尽きる。
日本のカラーギャングと言えば『池袋ウエストゲートパーク』ですが、アメリカのそれと比べてしまうと随分可愛らしいものだったのだと感じました。
大人が子供に恐怖心を抱くなんて、そう無いことだと思いますが今作に登場するギャングたちの存在は地元の住民が怯えるほど危険で、恐怖に満ちていました。
そんな存在を取り締まろうと奮闘するホッジスとダニーですが、この二人のキャラクターがかなり薄目なのでイマイチ迫力がありません。ギャングたちのほうが目立っていた印象です。
もう少し見どころや、応援したくなるポイントがあればより楽しめたと思います。(女性 30代)
映画『カラーズ 天使の消えた街』 まとめ
主演がショーン・ペンで助演がロバート・デュヴァルということでかなり期待したのだけれど、これはいただけない。デニス・ホッパー監督の知名度は抜群だが、監督としてうまい人ではない気がする。
最初のテロップが物々しい割に本編はたいしたことない。セリフも物語の構成もイマイチ。登場人物のキャラクターもどれもこれもイマイチ。警察物を地味に渋く見せるのは大いにありだと思うが、この作品の場合は渋いのではなくて薄い。何もかもが薄い(ロバート・デュヴァルの毛のことではない)。
ちなみに「カラーズ」のカラーはギャングの組を指すらしい。確かに色分けされていたが、本当にあんな赤組、青組みたいな格好をしているのだろうか…。わかりやすくていいけれど。そういえばお葬式の時のゴスペルはかっこよかったな…なんて、こんなしょうもない感想ぐらいしか浮かばない。そんな映画ということだ。
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