映画『ほしのこえ』の概要:2002年の日本の短編アニメーション映画作品。全編が40分弱という短さであることが特徴である。近未来の日本を舞台に宇宙と地球にいる恋人とのやり取りを描いたSFファンタジー。
映画『ほしのこえ』 作品情報
- 製作年:2002年
- 上映時間:25分
- ジャンル:SF、ラブストーリー、アニメ
- 監督:新海誠
- キャスト:篠原美香、新海誠、武藤寿美、鈴木千尋 etc
映画『ほしのこえ』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ほしのこえ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ほしのこえ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ほしのこえ』 あらすじ【起・承】
物語の舞台は近未来の日本。
人類はついに火星でタルシス遺跡と呼ばれる謎の遺跡を発見する。
調査に行っていたNASAは謎の生命体に絶滅させられ、その後の対策を立てることを余儀なくされた。
その対策とは国連宇宙軍を組織すること。
NASAを壊滅させた相手と対峙するためであった。
2046年。
長嶋美加子は国連宇宙軍の選抜メンバーに選ばれていた。
彼女はまだ中学生である。
この選抜に選ばれると、トレーサーというロボットを操縦し謎の生命体を調査するのだ。
2047年。
美加子は1000人以上で構成される国連軍の組織に入り、最新の戦艦に乗り込んだ。
勿論危険な任務だ。
生きて帰れる保証などどこにも無いまま。
映画『ほしのこえ』 結末・ラスト(ネタバレ)
美加子には好きな人がいた。
ノボルという少年である。
艦隊が地球からどんどん離れると、その度にメールの送信にタイムラグが出来てきた。
ノボルもまた美加子が好きで、ずっと彼女からの連絡を待っていた。
しかし彼はあるときもう待つことを止めた。
美加子は一人アガルタという地球から9万光年も離れた場所にいる。
そこで美加子は「23歳ののぼるくんへ」という短いメールを送る。
自分だけがそのまま15歳でいることを悲しく覚えると共に、コンビニでアイスを食べた思い出や春の日差しなど、楽しかった日常を思い一人泣いた。
そんな矢先敵が襲ってくる。
美加子は急いで戦闘モードに切り替えた。
向かってきた敵はやっつけたものの、美加子達の本体の艦隊をも襲われてしまう。
急いで艦隊を守るため、自らが強敵のボスに向かい切り込んだ。
その甲斐あり、敵を爆破させることに成功。
しかし美加子はかなり無理をしたため、美加子が操縦しているロボットは不能となってしまった。
美加子の任務は終わったのだ。
映画『ほしのこえ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ほしのこえ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
エヴァンゲリオンの模写
この映画は新海誠監督らしいと言えば監督らしい。
彼の作品はだいたい誰かっぽく、何かっぽい。
そんな監督の作品は技術や情景は素晴らしいため観ることが多いが、物語は正直そんなに面白いものでは無い。
本作品においていえば、エヴァンゲリオンっぽい映画である。
ロボットに乗り込み謎の生命体と戦う辺り、まさにそのもの。
現在30代のエヴァファンはこの映画を今観ると、それしか思い起こさないだろう。
しかしながら発想や表現力は素晴らしい。
深海誠のSFとエヴァ、そして本人も公言しているジブリらしさを鐘揃えたアニメである。
地球と火星の距離感の描写のリアルさ
この映画の見所は、火星に向かう美加子が地球にいるノボルにメールを出すことだ。
二人の距離が離れていることから、何と15歳の美加子が送ったメールは23歳のノボルに届くという。
この演出は非常に新しく、現在と未来の差みたいなものを上手く表現している。
普通に憧れるという切なさ
最後の戦いの前、美加子は操縦しているロボットの中でつかの間の休息を取った。
雨が降って来ている。
こんな当たり前のことも懐かしい。
ノボルとコンビニに行きアイスを食べたことも懐かしい。
ありふれた日常を噛みしめる普通の少女の切なさが良く描けている作品である。
アイデア賞をあげたい
本作品の見所は短い上映時間に詰め込まれた深い内容である。
脚本に関してはアイデア賞そのもの。
地球と火星という距離を利用し、ドラゴンボール並の非平凡な世界を描く。
SFともとれるが、現世界の延長ともとれる。
不思議に疑問を持たない異空間が心地よくなる不思議な作品だ。
映画『ほしのこえ』 まとめ
短い時間で凝縮して楽しめるSFアニメーションである。
深海誠の初々しさが良く出ている作品。
最近の日本アニメーションは映像美に力を入れている傾向があるが、この監督の映画はさらに脚本の作り込みに力を入れている。
キャラクターの動きや風景が非常に内容とマッチしている。
リアルな映画を観ているようだ。
どこかで観たような演出や描写も多いのだが、内容がしっかりしているため不愉快にはならない。
日本のアニメは世界に起こる素晴らしいものである。
是非もっと配信していきたい作品である。
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