映画『カンナさん大成功です!』の概要:『カンナさん大成功です!』(原題:美女はつらいの)は、鈴木由美子による人気漫画を韓国で実写映画化した作品。歌声は美しいのに、デブでブスな主人公が、整形をきっかけに歌手として成功していく。
映画『カンナさん大成功です!』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:116分
- ジャンル:ラブストーリー、コメディ、ヒューマンドラマ
- 監督:キム・ヨンファ
- キャスト:チュ・ジンモ、イム・ヒョンシク、イ・ウォンジョン、キム・ヨンゴン etc
映画『カンナさん大成功です!』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『カンナさん大成功です!』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『カンナさん大成功です!』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『カンナさん大成功です!』 あらすじ【起・承】
身長169cmの95kgという巨体の持ち主のカン・ハンナは、何の取柄もないかに見えて、一つずば抜けた取柄があった。それは、誰もが聞き惚れる美声と抜群の歌唱力だった。
ハンナは、顔とスタイルだけが取り柄の歌手のゴーストシンガーとして働くかたわら、美声をいかして在宅ワークとしてテレクラ嬢をして生活をしていた。
食べることが大好きで、特技を生かして仕事もできる。おまけに、歌っている時は音楽プロデューサーのサンジュンを見つめていられる。それだけで幸せだと思っていたが、あることがきっかけでどん底に突き落とされる。
優しいと思っていたサンジュンは、ハンナの歌声を利用するために本音を隠して接していただけだったのだ。
ハンナはショックのあまり自殺を図ろうとするが、そんな時にテレクラで知り合った整形外科医の話を聞き、一念発起して全身整形と壮絶ダイエットで生まれ変わることに。
デブでブスのハンナは忽然と姿を消し、48kgのスレンダー美女に生まれ変わったハンナはジェニーと名前を変えて再び業界に姿を現す。
映画『カンナさん大成功です!』 結末・ラスト(ネタバレ)
ゴーストシンガーとして応募してきたジェニーを、サンジュンはハンナだとは気づかない。ハンナは美貌と歌声が認められ、ゴーストシンガーではなく自分自身のデビューが現実のものになろうとしている。
サンジュンもハンナを気にかけ、デートをする仲になるが、「整形した女は好きじゃない」という言葉を聞いてハンナは自分の過去を絶対に話せないと思う。
整形したせいで父親にも会えず、大事にしていた飼い犬とも以前のような絆はない。親友は、美人になって浮かれるハンナに愛想をつかしかけている。きれいになって成功を手にしたはずなのに、今の自分は大切なものを失ったことに気付く。
ジェニーとしての初コンサートの日、親友が男に裏切られて自殺を図り、ハンナは彼女を助けようと奮闘するが、コンサートが台無しになりかける。サンジュンの協力でなんとか成功をおさめるが、その時ハンナの整形がばれてしまう。
サンジュンの冷たい態度に傷つき、もう歌いたくないと思うが、サンジュンは自分のために歌えとハンナを舞台に送り出す。
もう嘘をついたままでいたくないと思ったハンナは、ステージの上で全身整形を告白する。親友はバックコーラスに駆けつけ、父も観客席で見守っている。
ハンナはジェニーではなく自分自身として新たな一歩を踏み出した。
そんなハンナを見ながら、サンジュンは彼女の性格に惹かれていることに気付くのだった。
映画『カンナさん大成功です!』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『カンナさん大成功です!』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
韓国版らしいテーマ
原作は日本の漫画だが、映画では好きな人を振り向かせるために整形して生まれ変わるというくらいしか原作から引き継いでいない。ほとんどがオリジナルと言っていいと思う。
整形大国韓国なので、確かに美女になって歌手として成功するというサクセスストーリーはそれらしいと思った。
しかし、映画のテーマとしては、整形では幸せはつかめないというちょっと意外な結末。
見た目よりも心が大事という終わり方だった。
主人公を演じる女優は整形していないことが条件だった(?)という話もあるが、演じているキム・アジュンには実は整形説があったり……そうだとすると皮肉のような映画だ。
キム・アジュン体当たりの演技
主人公カン・ハンナは美声で抜群の歌唱力の持ち主という設定なので、演じる女優もそれなりの歌唱力がないといけない。
当初は吹替えするという話もあったらしい(この辺は実際どうなのかわからない)が、キム・アジュンは役作りのために3ヶ月以上前からボイストレーニングをして挑んだという。
この作品以外で歌声を披露しているのを観たことがないので、一つの役にかける思いは相当なものだと感じた。
あとは、ハンナは95kgの太った体型だったので、整形とダイエット前の姿はキム・アジュンとはわからないほど。特殊メイクは何時間もかかり、特注のスーツは重いようだが、それを着たまま外に出てハンナの役作りをしたという話もある。
映画初主演ながらも、これだけの努力をしている姿勢がすごい。
令和の時代になった今でも「整形」についての話題になると多くの否定派が存在します。私は、昔から肯定派なのでいつまでも否定している人の気持ちが理解できません。
一度しかない人生を自分らしく、後悔しないように生きるために整形をすることの何がいけないのでしょう。今作に登場するサンジュンも整形している女は嫌いと言っていましたが、最終的にはハンナの性格が好きなのだと気付きました。
肯定・否定の意見は置いておいて、ストーリー自体が面白いので軽い気持ちで見てみるのも悪くないでしょう。(女性 30代)
ぜひ目を留めて頂きたいのは、キム・アジュンが歌うシーンです。幾つかありますが、マリアを歌っている姿は圧巻でした。パワー漲る声と力強いメロデイに、思わず涙しました。整形前の特殊メイクが、完璧に仕上がっています。不器量であることが、その人の自信や生きる力を削ぐならば、整形することも解決の方法になるのかもしれません。「したいことができるのは神様。人間は自分にできることをするのだ」カンナの父が呟いた言葉、素晴らしい名言です。(女性 30代)
映画『カンナさん大成功です!』 まとめ
ストーリー以外にも、キム・アジュンの歌唱シーンも見どころで、本業は歌手なのかと思うほどの歌唱力に驚いた。
元の原作を知っている人が観ても、同じ作品だとは思えないくらいオリジナル要素が盛り込まれた映画だが、原作同様コメディ色は強く、それでいて最後は感動もできる。
整形大国で作られた映画らしく、整形で人気者になっていく女性の姿が描かれるけれど、決して整形が良い事だとはしていない。単純に白黒つけることなく、いいところに落ち着いたと思う。
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