この記事では、映画『色即ぜねれいしょん』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『色即ぜねれいしょん』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『色即ぜねれいしょん』 作品情報

- 製作年:2008年
- 上映時間:114分
- ジャンル:青春、ラブストーリー、コメディ
- 監督:田口トモロヲ
- キャスト:渡辺大知、峯田和伸、岸田繁、堀ちえみ etc
映画『色即ぜねれいしょん』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『色即ぜねれいしょん』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『色即ぜねれいしょん』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『色即ぜねれいしょん』 あらすじ【起・承】
1974年。京都の仏教系男子校に通う高校1年生の乾純(渡辺大和)は、不良にも優等生にもなれない中途半端な文科系男子だ。一人っ子の純は、おとん(リリー・フランキー)とおかん(堀ちえみ)に溺愛される恵まれた環境の中で、憧れのボブ・ディランからは程遠い自分に悶々としながら自作の曲を書き溜めていた。
純は友人の伊部(森田直幸)と池山(森岡龍)から夏休みに隠岐島のユースホステルに行こうと誘われる。そこに来る女たちはフリーセックス主義で、行けばモテモテになるというのだ。片思いをしていた足立恭子に振られた純は、思い切って島へ行くことにする。
3人は大騒ぎして旅行準備をし、純はギターまで抱えて隠岐島へ向かう。行きのフェリーで可愛い女子大生のオリーブ(臼田あさ美)と知り合いになり、3人の期待は膨らむ。
ユースホステルにはヒゲゴジラ(峯田和伸)という管理者がおり、いきなりボブ・ディランを歌い始めた彼を純はいっぺんで好きになる。自己紹介で“この島はフリーセックスの島だと聞いてきました”と正直に話した純はみんなに大笑いされてしまう。フリーセックスは単なる噂だったが、純はオリーブと親しくなり、彼女の曲を作る約束をする。
3泊4日の日程のはずがオリーブはなぜか1日早く帰ってしまい、純は彼女を追いかけ港へ行く。オリーブは船の上から純に電話番号を書いた紙を投げてくれる。
楽しい日々はあっという間に過ぎ、3人は童貞を捨てられないまま帰路につく。それでもこの旅行は3人にとって青春を謳歌した有意義なものだった。
映画『色即ぜねれいしょん』 結末・ラスト(ネタバレ)
旅行が終わり、3人は現実に引き戻される。お寺の後継である伊部は親に反抗して家出をし、家が貧乏な池山は定時制に転校するか悩んでいた。そして新学期、久しぶりに会った伊部はすっかりヤンキーになっていた。
純とオリーブは京都で再会する。純はオリーブを自宅に招き、約束の歌を聴いてもらう。純の歌を聴いたオリーブは泣き出し、ヒゲゴジラに振られたことを打ち明ける。夜、鴨川でオリーブは純にお礼を言い、走り去っていく。純は自分の無力さを感じていた。
純は文化祭で須藤をリーダーとするヤンキー軍団のバンドでギターを弾けと言われていた。しかし自分を変えたいと思っていた純はそれを断り、一人でオリジナル曲を歌うことにする。ヤンキーに文句を言われる純を須藤がかばってくれる。
文化祭の日。最初にステージへ登場したヤンキーバンドはハチャメチャなパフォーマンスで会場を大いに盛り上げる。須藤たちのステージにロックを感じた純は、カッコつけた選曲をやめ、エロ映画を見てムラムラした時の歌「エロチシズムブルー」を思い切りロックに歌い上げる。純の気迫あふれるパフォーマンスに、観客も大きな拍手を送る。
純と須藤は互いのロック魂を認め合い、文科系とヤンキーの壁を超えて友達になる。そして2人は、来年一緒にバンドを組んでステージに立とうと約束する。
映画『色即ぜねれいしょん』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『色即ぜねれいしょん』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
恥ずかしくて愛おしい青春
主人公の乾純はボブ・ディランに心酔しロックな生活に憧れている。ロックといえばやはり反抗とセックスだろう。しかし彼はものすごく理解のある優しい両親に溺愛され、反抗する理由も見つからず、完全に童貞をこじらせた日々を送っている。みうらじゅんの自伝的小説が原作であるだけに、この主人公にはかなりのリアリティーがある。頭の中の妄想とは程遠い純の日常は共感の連続だ。
純が自分で作った曲「セックスなんて」は完全に吉田拓郎の「人間なんて」のパクリであり(みうらじゅんは吉田拓郎が好きすぎて拓郎さんになりたいと思っていた)その曲をラジカセで録音しているシーンなど、赤面ものだが笑える。さらにそれをおかんに聞かれてカーッとなっている純の姿は恥ずかしい。でも愛おしい。
通信空手や深夜ラジオへの投稿など、挙げだすときりがないほど親身に共感できる恥ずかしい青春がこの作品には詰まっており、そこがなんともたまらなくいい。
この感じが理解できるキャスティング
純を演じているのは「黒猫チェルシー」というバンドのボーカル・渡辺大和だ。この映画の撮影時にはまだ現役の高校生で芝居経験もゼロ。それでも田口トモロヲ監督が彼を主演に大抜擢したわけは、完成した作品を見るとよくわかる。
彼の場合は演技や役作りがどうこうではなく、現在の渡辺大和そのものが等身大の乾純なのだ。プロの役者のように芝居ができないことで、渡辺の表情には自然なリアル感が出ており、妙に可愛らしい。そのリアルさは青春ノイローゼ気味の童貞男子そのもの。だから微笑ましくもあり、痛々しくもある。それが観客の共感を呼ぶ。
この作品には「くるり」の岸田繁や「銀杏BOYZ」の峯田和伸も出演している。彼らも本業はミュージシャンだ。今では俳優業で忙しい田口トモロヲ監督も元はコテコテのパンクロッカーなので、映画全体に“この感じね”という統一感がある。それはこの作品の肝である「かっこ悪いかっこよさ」が感覚的に理解できる人を集めたことで生まれる統一感だ。
エンディングで使われているのは伝説のロックバンド・村八分の「どうしようかな」であり、それを渡辺、岸田、峯田の3人がカバーしている。これがものすごくかっこいい。この田口監督の渋い選曲をパッと“かっこいい!”と思える人は、この作品の空気感が大好きなはずだ。それはキャスト陣も同様で、彼らは田口監督の求めていることが生き様として理解できる人たち。大きな挑戦ではあっただろうが、そこを重視したこのキャスティングと演出は大成功している。
文化祭のステージで自らのロック魂を見せつけた渡辺大和のパフォーマンスは圧巻だった。それまでとのギャップが素晴らしく、最高のクライマックスになっている。
女の子に対する気持ちも、童貞を卒業できない現状も彼らにとっては大真面目な悩みで、それを打破するためにフリーセックスの島へ向かったのに、それはただの噂話だった…と聞いているだけで恥ずかしくなってしまう展開ですが、それだけで終わらないのが今作。
島での出会いによって彼らの青春が大きく変わっていく様子が、とてもキラキラしていて、若いからこその熱量や無茶も優しい目で見守っていられました。
ほんわかした雰囲気を醸し出してくれるキャストも素晴らしく、作品の世界観とものすごくマッチしていました。(女性 30代)
青春のどうしようもない衝動と性への興味が、ここまでリアルに描かれていることに驚いた。主人公が「童貞を捨てたい」という動機で旅に出る軽さとは裏腹に、途中で出会う人々との関係や喪失がしっかりと描かれている。特にヒッピーの女性との出会いと別れは印象的で、単なる下ネタでは終わらない余韻を残す。最後に少し大人になる感覚が心地よい。(20代 男性)
最初は軽い青春コメディだと思っていたが、途中から切なさが強くなっていくのが印象的だった。主人公の未熟さや空回りする感じがリアルで、どこか共感してしまう。旅の中での出会いや別れを通して、彼が少しずつ変わっていく過程が丁寧に描かれている。最後の余韻が静かで、心にじんわり残る作品だった。(30代 女性)
性をテーマにしながらも、実際には「成長」を描いた作品だと感じた。主人公の動機は非常に単純だが、その過程で経験する出来事は決して軽くない。特にヒッピー文化との接触や、大人たちの価値観に触れることで、彼の視野が広がっていくのが興味深い。ラストでの変化は小さいが、それが逆にリアルだった。(40代 男性)
下ネタ満載の作品かと思いきや、意外にも繊細な青春映画だった。主人公の純粋さと未熟さが絶妙で、観ていて恥ずかしくなるような場面も多いが、それが逆にリアル。旅の途中での経験が彼にとって大きな意味を持っているのが伝わってくる。笑いと切なさがバランスよく共存している作品。(20代 女性)
1970年代の空気感がしっかりと再現されており、時代背景も含めて楽しめる作品だった。主人公の軽薄さが徐々に変化していく過程が自然で、無理のない成長として描かれている。ヒッピーとの交流や旅先での出来事が、彼の価値観を揺さぶる様子が印象的。青春の一瞬を切り取ったような作品だった。(50代 男性)
正直なところ最初はふざけた映画だと思っていたが、観終わると印象が大きく変わった。主人公のくだらない動機が、旅を通じて少しずつ意味を持っていくのが面白い。ヒッピーの女性との関係が特に印象に残り、彼女の存在が物語に深みを与えている。最後の静かな締め方がとても良かった。(30代 女性)
青春の恥ずかしさや未熟さをここまで正直に描いた作品は珍しいと思う。主人公の行動は決して格好良くないが、それが逆にリアルで共感できる。旅の中での出来事が、彼の中に少しずつ積み重なっていく様子が丁寧に描かれている。派手な展開はないが、確かな成長が感じられる作品。(20代 男性)
性や恋愛をテーマにしながらも、どこか詩的な雰囲気を持っているのが印象的だった。主人公の視点を通して描かれる世界が柔らかく、観ていて心地よい。ヒッピー文化との対比や、現実とのギャップも興味深い要素。ラストの余韻が静かで、観終わった後にじっくり考えたくなる作品。(40代 女性)
若さゆえの衝動や迷いがリアルに描かれており、自分の若い頃を思い出した。主人公の旅は決して大きな成功を伴うものではないが、その中で得た経験が確実に彼を変えている。ヒッピーの女性との別れが象徴的で、青春の儚さを感じさせる。軽いようでいて、実は奥深い作品。(60代 男性)
映画『色即ぜねれいしょん』を見た人におすすめの映画5選
リンダ リンダ リンダ
この映画を一言で表すと?
不器用な青春が音楽で輝く、まっすぐな青春群像劇。
どんな話?
文化祭を目前に控えた女子高生バンドが、ボーカル脱退というトラブルに直面し、新たに留学生を迎えて再スタートを切る。限られた時間の中で練習を重ねながら、それぞれが不安や葛藤と向き合っていく。友情や音楽を通して少しずつ成長していく姿を描いた、等身大の青春物語。
ここがおすすめ!
派手なドラマはないが、日常の中での小さな変化や感情が丁寧に描かれており、「色即ぜねれいしょん」と同じくリアルな青春の空気を味わえる。登場人物の不器用さや純粋さに自然と共感でき、観終わった後に温かい気持ちになれる作品。
少年メリケンサック
この映画を一言で表すと?
ダメな大人たちが巻き起こす、痛快で切ない音楽コメディ。
どんな話?
新人マネージャーが発掘した伝説的パンクバンドは、実はすでに年老いたダメな大人たちだった。再結成ツアーを成功させるため奮闘する中で、過去の栄光と現実のギャップに苦しみながらも、彼らは再びステージに立つ。笑いと切なさが入り混じる人間ドラマ。
ここがおすすめ!
下ネタや勢いのある展開の中に、人生のほろ苦さがしっかりと描かれている点が魅力。「色即ぜねれいしょん」のような軽やかさと切なさのバランスが好きな人におすすめ。笑いながらもどこか胸に残る、不思議な余韻を持った作品。
モテキ
この映画を一言で表すと?
突然訪れた恋と音楽に翻弄される、大人の青春ストーリー。
どんな話?
冴えない青年に突如訪れた「モテ期」。複数の女性との出会いを通じて、恋愛や仕事、人生に向き合っていく。音楽やカルチャーを背景にしながら、彼の成長と葛藤がリアルに描かれる。恋に浮かれつつも、自分の弱さと向き合う姿が印象的な物語。
ここがおすすめ!
軽快なテンポと音楽の使い方が魅力で、観ていて楽しい一方、主人公の未熟さや迷いに共感できる。「色即ぜねれいしょん」のように、笑いと切なさが同居した青春感覚を味わえる作品。恋愛に悩む人にも刺さる内容。
桐島、部活やめるってよ
この映画を一言で表すと?
見えない主人公が浮かび上がらせる、リアルな青春の群像。
どんな話?
学校の人気者・桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、周囲の生徒たちの関係性が揺れ始める。直接姿を見せない桐島の影響を通して、それぞれの立場や悩み、価値観が浮き彫りになる。何気ない日常の中にある青春の葛藤を描いた群像劇。
ここがおすすめ!
特別な事件が起こるわけではないが、登場人物たちの感情がリアルで強く共感できる。「色即ぜねれいしょん」と同様に、若さゆえの不安や焦りが丁寧に描かれており、観る人によって見え方が変わる奥深い作品。
バッファロー’66
この映画を一言で表すと?
孤独な男の不器用な愛が心に刺さる、静かなロードムービー。
どんな話?
刑務所を出たばかりの男が、見知らぬ女性を無理やり恋人役に仕立て、自分の両親に会いに行く旅に出る。最初は奇妙な関係だった二人だが、次第に距離が縮まり、互いに心を通わせていく。孤独と愛をテーマにした繊細な物語。
ここがおすすめ!
主人公の不器用さや孤独感がリアルで、「色即ぜねれいしょん」のように未熟な人間の成長を感じられる作品。静かな演出の中で、少しずつ変化していく関係性が美しく、観終わった後に優しい余韻が残る一本。



みんなの感想・レビュー
あまり隠岐の島での旅行体験が魅力的に描かれていなかったと個人的には思います。
主人公が、ちょっと何を考えてるのかわからず等身大の高校生と比べてこの作品では爽やかに描かれすぎているんではないかと思いました。