映画『ウェア 破滅』の概要:猟奇殺人事件の容疑者の弁護を担当する女性弁護士と仲間たちが、意外な犯人像と脅威にさらされる様子を描いた。「パラノーマル・アクティビティ」シリーズも手がけた、スティーヴン・シュナイダー製作総指揮。
映画『ウェア 破滅』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:92分
- ジャンル:SF、ホラー、サスペンス
- 監督:ウィリアム・ブレント・ベル
- キャスト:A・J・クック、サイモン・クォーターマン、ブライアン・スコット・オコナー、セバスチャン・ロッシェ etc
映画『ウェア 破滅』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ウェア 破滅』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ウェア 破滅』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ウェア 破滅』 あらすじ【起・承】
フランス旅行中だったアメリカ人家族の、父と息子が惨殺されるという事件が起こった。
唯一の生存者で母クレアの「彼が家族を襲った」という証言により、獣による襲撃と思われた事件が一変、殺人事件に変わる。
犯人として拘束された、異様な風貌のタランの弁護士になったのは、人権派女性弁護士キャサリン。
かつてキャサリンの事件に協力したアメリカ在住の元彼ギャビン、フランスでキャサリンと行動を共にするエリックが手伝うことになる。
最初の面会では口にまで拘束具をつけられ、助けを求めようとしてギャビンを引っかいたタランに対する警察の態度を見たキャサリンはショックを受ける。
タランの母に会いに行った3人。
その家系の男性に多い謎の病の話や、廃棄物処理のために土地を欲しがる人が多いと聞かされる。
そして、交通事故で命を落としたタランの父が、土地欲しさから警察などに殺された可能性が出てくる。
ギャビンの調査で、タランは動きが取りにくくなるポルフィリン症だという可能性が出てきて、検査の準備が進められる。
最初から不仲だったギャビンとエリック。
タランに引っかかれた傷が治らず、具合がすぐれないギャビンはキャサリンに未練タラタラ。
エリックは情報を売った過去があり、2人は衝突するようになっていく。
そして、クレアが息を引き取った。
映画『ウェア 破滅』 結末・ラスト(ネタバレ)
クレアたちを殺害したかもしれない怪物が出たと通報があり、警察と共に現場へ向かうキャサリンたち。
その怪物はクマだった。
やがてタランの病は遺伝性のもので、感染する可能性もあると判明。
ギャビンは感染していた。
タランの検査が行われるが、途中で人間とは思えない力で暴れ出し行方をくらませる。
タランの病気には、満月の夜に狂暴化するという一面もあったのだ。
ギャビンを残し、キャサリンとエリックは包囲されたタランの最期を見届けに向かう。
街中で狂暴化したタランは突入隊を惨殺し、再び行方をくらませる。
タランの母が仕掛けたと思われる監視カメラなどを見つけ、土地欲しさに警察もグルになって父を殺害したのがきっかけだと推理するキャサリン。
ギャビンは感染した事をキャサリンに告げ、護身用に銃を渡す。
そしてタランに信用されているキャサリンは、エリックや警察と凶暴化したタランを探し、見つかった彼は銃で撃たれて命を落とす。
しかし生き返った彼はエリックを殺し、キャサリンに襲い掛かった。
一方、タランのための地下室を見つけたギャビンだったが、タランの母に襲われ彼女を殺害。
全身の毛を剃ったギャビンと、キャサリンを殺そうとするタランは戦う。
タランの姿が見えなくなり、ギャビンと一緒にいたキャサリンは警官隊に撃たれてしまう。
その後、惨殺事件が立て続けに起こるようになる。
元に戻ったギャビンは、タランを狼男と呼んだ。
映画『ウェア 破滅』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ウェア 破滅』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
粗が残るが全体的にはまとまったストーリー
人間から狼に変身したり、毛むくじゃらの人間になったりするのが一般的だが、本作では珍しい遺伝性の病気という設定。
そのため、ラストシーンでギャビンが「犯人は狼男」と発言する以外は、「狼男」という言葉は使われていない。
満月の日には犯罪が増えたり、人間の感情が高ぶりやすいという仮説を引き出したり、まるで獣のようだったというクレアの証言、タランの見た目からも狼男という仮説が出てきそうなストーリー。
だが、タランが犯人ではない証拠を探す弁護士チームがメインに動くので、あえて「狼男」と言わなかったり、病気という設定から展開させていくのは上手くできている。
ギャビンがタランに引っかかれ、狼男になる伏線はバレバレ。
土地欲しさにタランの父を殺したとされる警察も悪者になり切れておらず、狂暴化したタランとギャビンが戦うシーンの後でキャサリンが撃たれるのは、流れ弾が当たったというわけでもないので謎が残る。
ちょっと変わった人間にしか見えない狼男
狂暴化したタランが納屋の2階に潜んでいたり、洞窟の穴の中から手を伸ばして襲ってくるのにはハラハラさせられる。
しかし、薄暗い洞窟の中から毛深いタランの腕が伸びても見えにくく、あっけなさも残る。
タランの家にあった切れ味が悪いカミソリで全身ツルツルにしたギャビンと、毛深いタランとの対比は見もので区別も付きやすい。
だが、そのせいで余計に「狼男」っぽさが無くなり、狼男をテーマにした意味が分からなくなってくる。
残酷描写がしっかり描かれていて、体の半分以上が無くなった旅行中のアメリカ人家族の子供と父の姿には驚き。
エリックが殺されるシーンのグロテスクな描写もあるので、注意が必要だ。
作中で「狼男」と言うワードが最後に1度しか出てこないので、鑑賞している私たちは狼男なのか?と思いつつも感染したことによって発症する別の何かなのか…と様々な憶測をしたのではないでしょうか。
タランの見た目も狼男と言われればそう見えなくもないですが、ただ毛むくじゃらの生き物のようで説得力は無く、最後まで何が起こっているのか疑問に思っていました。しかし、ギャビンの最後のセリフ「犯人は狼男」でなんだやっぱり思った通りの展開なのかと少しガッカリしてしまいました。(女性 30代)
狼男の怪力、ジャンプ力、破壊力がダイナミックです。惨殺ぶりが容赦無く、残忍な描写に凝っている、攻めている印象を受けました。しかも、どのシーンもCGっぽくなくとても自然であるのに驚きました。頼りない元カレ、ギャビンが最後に見せた男気には感動します。あえてカメラをブレさせて臨場感をアップさせていたり、インタビューシーンを挿入していたり、モキュメンタリータッチな点がとても良いです。まるで自分の暮らす街に、狼男が出現したようなスリルを味わいました。(女性 30代)
映画『ウェア 破滅』 まとめ
狼男をテーマにしつつも、「狼男」という言葉はラストシーンで1回出てくるだけという珍しい作品。
見た目も狼男というより怪物寄りの人間という感じで、「狼男」ものを求めて見るとガッカリさせられる。
最後まで見るとうまくまとまったストーリーに思えるが、弁護士のキャサリンとアシスタントのエリック、元彼ギャビンの3人の関係や、いい人キャラのキャサリンの鈍感な様子に感情移入しずらいものがある。
残酷描写がしっかりと描かれており、無残な遺体も出てくるので、苦手な人は心の準備が必要になるだろう。
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