映画『パラノーマル・アクティビティ』の概要:超低予算で作られた、POV(主観映像)ホラー映画シリーズ1作目。怪奇現象が起こる家に住むミカとケイティのカップルは、原因がケイティに憑く悪魔だと知りながらも、怪奇現象をカメラに収めようとする。
映画『パラノーマル・アクティビティ』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:オーレン・ペリ
キャスト:ケイティー・フェザーストン、ミカ・スロート、マーク・フレドリックス、アンバー・アームストロング etc
映画『パラノーマル・アクティビティ』の登場人物(キャスト)
- ケイティ(ケイティ・フェザーストーン)
- ミカの彼女で、ミカとは3年前から同棲している。大学生で、英語教師を目指して勉強中。8歳の頃から怪奇現象に悩まされていた。クリスティという妹がいる。怪奇現象を撮影しようと、カメラを手放さないミカにうんざり気味。
- ミカ(ミカ・スロート)
- ケイティの彼氏。デイ・トレーダーをしている。家の中で起こる怪奇現象をカメラに収めようとする。ケイティと友人が止めるのも聞かずヴィジャボードを借りてきて、買ってないからセーフと言うなど、子供っぽいところがある。
映画『パラノーマル・アクティビティ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パラノーマル・アクティビティ』のあらすじ【起】
2006年9月18日、サンディエゴ。
同棲中のミカとケイティは、家の中で起こる超常現象に悩まされていた。
彼氏のミカはカメラを用意し、超常現象を記録することにした。
寝室にカメラを設置して、ミカとケイティは眠りについた。
翌朝、ケイティの鍵が勝手に移動していた。
霊能者のフレドリクス博士に相談した、ケイティとミカ。
ケイティは8歳の頃から怪奇現象に悩まされていて、その家が原因不明の火事になった後は落ち着いたが、13歳になってから再び怪奇現象に付きまとわれるようになっていた。
その話を聞き、家の中を見て回った博士は、悪魔が原因だと断言した。
そして、悪魔祓い専門のエイヴァリーズ博士を紹介した。
フレドリクス博士は、ヴィジャボードで交霊術をするのはやめるよう助言し、帰っていった。
しかしミカは、エイヴァリーズ博士に連絡しなかった。
9月20日。
真夜中に勝手に動くドアの動きを、カメラは捕らえていた。
ミカは大喜びだが、ケイティは不安顔。
映画『パラノーマル・アクティビティ』のあらすじ【承】
9月22日。
真夜中に謎の物音がする。
ミカは家の中を見て回るが、変わった様子はない。
謎の物音を解析したミカは、悪魔が交信したがっていると考え、ヴィジャボードを使うことを提案する。
ケイティと、その場にいたケイティの友人は猛反対。
9月30日。
撮影したがるミカにうんざりしてきたケイティ。
夜中に1階から獣の叫び声のような物音がして、カメラを片手に急いで見に行くミカとケイティ。
シャンデリアが揺れていただけだったが、ベッドルームに戻ってからも物音を耳にする。
翌朝になり、もっとすごい映像を記録したいとはしゃぐミカ。
撮影を始めてから怪奇現象がひどくなったため、ケイティは止めた。
10月2日。
ケイティは夢遊病になったようにベッドから出て、ミカが気付いた時には庭にいた。
毛布を取りに行くと家の中から物音がして、テレビがついていた。
正気に戻ったケイティがベッドに戻り、何事もなかったように眠り始めた。
翌朝、ミカに映像を見せられたケイティは何も覚えておらず、ショックを受けた。
映画『パラノーマル・アクティビティ』のあらすじ【転】
エイヴァリーズ博士を呼ぼうとするケイティだったが、ミカに止められた。
そしてミカは、約束を破ってヴィジャボードを借りてくる。
本気で怖がるケイティは家から出て行こうとし、ミカは慌てて止める。
目を離していた間にヴィジャボードは燃え、謎のメッセージが残された。
ケイティは激怒し、悪魔を挑発しないよう誓わせた。
ヴィジャボードのメッセージを解析しようとするミカだったが、ケイティは関わろうとしない。
そこでミカとケイティは話し合い、ベッドルームの入り口に粉を撒いて、怪異の正体を探ろうとする。
10月4日。
部屋の外から足跡が付いていた。
一度ベッドルームに入ったそれは、2階のクローゼットの屋根裏に向かっていた。
そこには、幼い頃のケイティの写真があった。
ベッドルームの真上だった。
エイヴァリーズ博士に連絡するが、留守だった。
フレドリクス博士に連絡すると、翌日に来るという。
10月5日。
ベッドルームのドアが勝手に閉まる。
ベッドルームを怖がるようになったケイティは、精神的に追い詰められていく。
映画『パラノーマル・アクティビティ』の結末・ラスト(ネタバレ)
昼間にも怪奇現象が起こるようになる。
フレドリクス博士に助けを求めるが、専門外だからと言って逃げ帰ってしまった。
10月6日。
夜中に異変を感じて目覚めたケイティ。
何もないのにシーツが動き、何かの影も映っていた。
ヴィジャボードのメッセージを徹底的に調べたミカは、60年代にケイティと同じ体験をした、ダイアンという少女の存在を見つける。
ダイアンは悪魔祓いに失敗していたため、エイヴァリーズ博士に頼るのは止めることにした。
10月7日。
ケイティの体が突然、ベッドから引きずり出された。
背中には、何かに噛み付かれた痕があった。
一旦ホテルに逃げようとするが、準備中にケイティは、血塗れの十字架を握って倒れていた。
十字架を暖炉に捨て、ホテルに行こうとするがケイティは拒否。
10月8日。
ふらふらと起き上がったケイティが1階に下りた後、ミカに助けを求めた。
それを聞いたミカはケイティの元へ急ぐ。
しかしミカの体はカメラに向かって吹き飛び、人間とは思えない顔の、血塗れのケイティの姿がカメラに映った。
10月11日にミカの遺体は発見された。
ケイティは行方不明のままだ。
映画『パラノーマル・アクティビティ』の感想・評価・レビュー
制作費含め、大胆なキャッチコピーで話題となったパラノーマルアクティビティシリーズの第一作目。まずはこの作品を見る事により、このシリーズの手法というものを理解できるのだが、固定カメラでの映像の為、少しずつ現れる怪奇現象は、変な話宝探しのような感覚で行われる。気付いたら画面上に不可思議な現象が起きており、大声を出して恐がるというよりは、ゾクッと鳥肌が立つような恐怖を感じられる。そして、最後には大胆に畳み掛けてくる所がなかなかいやらしい演出である。(男性 30代)
感想はいろいろとあるだろうが、この映画の真価はドアが勝手に開くだけでも人は怖がる。という発見にある。POV、ウィジャボード、悪魔憑きがこの映画で広められたが何より増えたのは勝手にドアが開くシーンだと思う。静かに、なんなら日常でもたまにある偶然かもしれない光景でも前振りと画角とリアクションで人の想像力を刺激して恐怖を導ける可能性。怖い怖くないの話ではない。手法のお話。(男性 30代)
この作品は怖かった、全く怖くなかったと評価は分かれる。その部分は人によってかなり差があるので、世界観や演出、設定に注目したい。今作の固定のカメラで実際に起こった風に見せる手法は、ホラー映画で初めての手法であり、その斬新さは高く評価する。さらに低予算ながらも作品として成り立たせた技術は、とても高いものがあると思う。演者にとても自然な演技をさせるという最も重要な部分も成功していたし、今までにないホラー映画として完璧な作品だと、個人的には思っている。(男性 20代)
“ホラー映画は序盤の相手の正体が分からない段階が結局一番怖い”と常々思っていた私にぴったりの映画だった。
先に言っておくがこの映画にお化けやゾンビといったわかりやすい敵は出てこない。ただひたすらに超常現象に苛まれるカップルの様子をカメラ越しに見ているだけである。
だがこれが、ヘタに血みどろのお化けやゾンビに追い掛け回されるよりよっぽど怖いのだ。(もちろんそういうホラーも好きだが)
百聞は一見に如かず、ということで気になる方はぜひチャレンジしてみてほしい。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
本当にあった出来事、自宅で起こる怪奇現象の記録、という体で進むストーリー。
過去に大ヒットしたホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じPOV作品で、本作がきっかけとなってアメリカのホラー映画に多く見られる撮影方法になった。
固定カメラで寝室を映した映像が多く、手ブレ感はほとんどない。
正体不明の怪奇現象や謎に、徐々に追い詰められていくケイティとミカの様子にはハラハラさせられる。
フレドリクス教授が全く役に立たない事や、中盤までミカがふざけた態度でカメラを回し続けているのもリアル感がある。
しかし、パッと見て「怖い」と思える怪奇現象はラストまで登場せず、わかりにくい怖がらせ方ばかりで飽きてしまう。
廊下に粉を撒いて、夜中に足跡が付いていたというのも見えにくくて判別できないし、ケイティの周りに映り込む影も見えにくい。
最初はいつ何が起こるのかとハラハラさせられるが、何度も見て怖がったりは出来ない。
結局、原因は悪魔だという海外ならではのオチになっていて、安全圏内の無難なまとめ方でしかない。
ミカとケイティがメインの登場人物で、他にはケイティの友人とフレドリクス博士がちょっとだけ登場するだけ。
だが、ケイティ役のケイティー・フェザーストンと、ミカ役のミカ・スロートの演技が自然体でいい。
ストーリーは別として、霊能者を怪しく思って“オカルトオタク”と呼んだり、日本でいう「こっくりさん」のウィジャボード使えばいいと考えるのも、自然な行動に見える。
だが、日常の自然体を描きすぎて、ホラーとしての緊張感はゼロになった。
「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの1作目で、スピンオフ2作品を含めた7作品が生み出された、低予算モキュメンタリーホラーシリーズの出発点。
盛り上がりに欠け、1度見れば十分なストーリーだが、ラストのたたみかけるような展開とキャストの自然な演技は秀逸。
DVDには別バージョンエンディングや、稲川淳二による解説が収録されており、ホラー好きなら目を通しておきたい内容になっている。
「パラノーマル・アクティビティ」という言葉の意味は「超常現象」にあたる。