映画『恋のロンドン狂騒曲』の概要:ウッディ・アレン監督のロンドンを舞台にしたラブ・コメディ。出演はアンソニー・ホプキンス、ジョシュ・ブローリン、ナオミ・ワッツ。人生と恋のから騒ぎを皮肉と可笑しみで描いた話題作。2010年米国・スペイン映画。
映画『恋のロンドン狂騒曲』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:98分
- ジャンル:コメディ、ラブストーリー
- 監督:ウディ・アレン
- キャスト:アントニオ・バンデラス、ロジャー・アシュトン=グリフィス、ジョシュ・ブローリン、ポーリーン・コリンズ etc
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映画『恋のロンドン狂騒曲』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
映画『恋のロンドン狂騒曲』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『恋のロンドン狂騒曲』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『恋のロンドン狂騒曲』 あらすじ【起・承】
シェイクスピアが言う、“人生は恋のから騒ぎだ!”と。
ロンドン。2組の夫婦がいた。1組目は、高齢の夫婦でアルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)。
ヘレナは、占い師クリスタルの怪しい予言にはまっており、夫アルフィと離婚後の将来について占ってもらう。すると、今後はいいことしか起こらないと言われ、喜ぶが。
一方、元夫のアルフィは、娼婦だった、年の離れたシャーメン(ルーシー・パンチ)をお金の力で自分の妻にすることに成功するが、彼女の浮気が心配。自身は、体を鍛えたり、高級車に乗ったりして若さを保とうと一生懸命だ。
2組目は、アルフィとヘレナ夫婦の1人娘サリー(ナオミ・ワッツ)と元医者で作家である夫のロイ(ジョシュ・ブローリン)。
夫ロイは、1作出したきり、その後の作品を出版できていない。サリーは、そんな夫を支えるため、ギャラリーにオーナー秘書として勤めていた。
ギャラリーのオーナー、グレッグ(アントニオ・バンデラス)は、既婚者。夫婦仲が冷え切っているのを口実にサリーにも思わせぶりな態度を取る男。
サリーは、夫ロイと上手くいっていないために、既婚者だと知りつつもグレッグに惹かれてゆく。オペラを鑑賞したり、妻へのアクセサリー選びにサリーは付き合うが。
一方、夫ロイは、近くに住む赤い服の女に興味を持ち始めた。彼女が奏でるギターや着替えのシーンを覗き見してしまう。
赤い服の女は、ディア(フリーダ・ピント)。インド人で、ブリュセルにある総務省に勤めるエリート青年と婚約しているらしい。また彼女の父親は、著名な批評家だという。
ロイは書き上げた小説を出版社に送るがなかなか返事が来ない。その間、親友のヘンリーが作家デビューを目指して書いた作品を読んだ。彼の才能に驚き、絶賛するロイ。
映画『恋のロンドン狂騒曲』 結末・ラスト(ネタバレ)
ロイの元に、親友のマイクとヘンリーが車の事故に遭ったという知らせが来た。そして、ヘンリーは即死だが、マイクは重体。植物状態になるかもしれないと聞かされるのだった。
その頃、ロイにようやく、出版社から出版を見送るという返事が来た。昼はタクシー運転手、夜は執筆という生活を続けていたロイは落ち込んだ。
本を出版できなくては印税が入らない!ロイは、ヘンリーが書いた小説を思い出し、彼の身内がいないことでばれないと思い、ヘンリーの小説を盗んだ。
ところが、友人として亡くなったのはマイクで、ヘンリーにはまだ回復する望みがあるのだと言われるのだった。
ヘンリーの書いた小説は、ロイ名義で出版されることが決まった。批評家であるディアの父に小説を見せると絶賛されたのだ。
ディアとはデートを重ね、ついにエリート青年との結婚を破棄させてしまう。収入のないロイだったが、彼女との結婚を意識し始めた。
一方、サリーは、ロイに愛想を尽かし、2人は別れることを決めた。サリーは、ギャラリーを辞め、起業することを考えるが母親ヘレナの資金に頼ることに。
また、ギャラリーのオーナーが、親友と浮気しているのを知ってしまう。自分への気持ちをオーナーに尋ねてみるが、結局、サリーの一方的な勘違いだったらしい。
ギャラリー開業資金を母親から借りようとするが、母親ヘレナは占い師に今後、金銭が絡む取引をしてはいけないと言われたため貸せないと言い出す。
サリーは、占い師をインチキ呼ばわりするが、母親ヘレナの気持ちは固い。
しかし、母親にも新しい恋人ジョナサンができたが、彼は死んだ妻を恋しがってばかりいた。
そんな頃、アルフィとシャーメン夫婦も転換期を迎えていた。アルフィは年の離れた妻が浮気するのではないかと疑っていたが、ついに若い男といちゃいちゃしている場面に遭遇してしまう。
その後、シャーメンから“妊娠した”と告げられるが、アルフィは“自分の子がどうか分からないから、DNA検査をしよう”と言いだす。
ヘレナは、新しい恋人ジョナサンと会い、彼から亡き妻から結婚を許されたと言われます。
“君にも前世の記憶が戻ることがあるのかい?”
時には、薬よりも幻想が心には効くのだ。何事もバランスが重要なのかもしれない。
映画『恋のロンドン狂騒曲』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『恋のロンドン狂騒曲』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ウッディ・アレン流 恋のから騒ぎ!
舞台をロンドンにしたからには、ひとひねり欲しかったなぁというのが率直な感想です。
ウッディ・アレンといえば、おしゃれな服と皮肉、そしてラブ・コメディの印象が強いのですが、今回はただのラブコメで盛り上がりにも欠けています。
2組のカップルには悩みがあり、離婚後すぐに新しい恋人が出来るなど展開がすぐ読めてしまいます。加えて、アンソニー・ホプキンスら人気俳優が出演しているが、普通の人の役柄なのであまり面白くない。
ウッディ・アレン初心者には入りやすい作品かもしれないが、もっと個性が強い登場人物や狂騒曲に相応しいストーリー展開を観たかったと思います。
ただ、ファッションセンスは抜群で、赤い服が似合っていたディア役のフリーダ・ピントなど服を観ているだけでも楽しい!20~30代の女性には、ファッションのお手本になるのではないでしょうか。
思わず見とれてしまう!フリーダ・ピントの魅力
「スラムドッグ$ミリオネア」(08)のヒロイン役でデビューした、フリーダ・ピントを覚えているでしょうか。
インド出身で、モデルとしても活躍。本作ののち、「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」(10)でもヒロインを務めました。
本作「恋のロンドン狂騒曲」では、1発屋の作家ロイと恋に落ちるディアを演じています。
エリート青年と婚約しているのに、ロイに心変わりしてしまうのですが、注目すべきはいつも着ている赤い服!
ワンピースだったり、赤で水玉のブラウスと赤を利かしたファッションを見ることができます!オシャレの参考になりそう。
反対にロイの元妻サリーは、白と黒、紺などシンプルな服を好んで着ています。地味だけど、知的さが感じられてこちらもオシャレです。
フリーダ・ピントは、今後どう飛躍していくのでしょうか。“ステレオタイプな役は演じたくない”と言っているように、クセのある役にも挑戦するかもしれません。
彼女の最新作は、「トランス・シューター」(06)。B級ハードボイルド映画というテイストですが、体をはって魅せるアクションにさらに美人度が上がりますよ。
ウディ・アレンの作品だから、これで良いのでしょう。彼の作品は本当に独特な雰囲気があります。明るい世界観の中に皮肉や嫉妬のスパイスが加えられ、見る人を虜にする独特の世界を作り出すんです。
今作もまさにそう。色々なカップルの姿を描いていますが、何が幸せなのかは三者三様。幸せを掴んだと思ってもその先には思わぬ展開が待っていたり…とウディ・アレン節が炸裂です。
おなじみのふわっとしたラストは、これだから彼の作品を見るのは辞められないんだよなと思ってしまうでしょう。(女性 30代)
映画『恋のロンドン狂騒曲』 まとめ
ウッディ・アレンの恋愛映画はどれも同じだと思っては間違いです。ただ、パターン化された展開というものがあって、恋をつなぐ(?)占い師が登場します。
本作はロンドンが舞台ですが、ニューヨークやパリで撮影された作品が多く、ウッディ・アレンのファンにはニューヨークなどで撮影した作品のほうが高評価されています。
狂騒曲というよりも、恋のから騒ぎといったテイストですが、登場人物を彩るファッションの良さやオペラを関係性の皮肉さに利用したりと、随所でウッディ・アレン風味が効いています。
アンソニー・ホプキンスなど人気スターの中に、フリーダ・ピントという輝きが新鮮です。
ぜひ、ご覧下さい。
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