映画『ビッグ・ドライバー』の概要:巨体の連続レイプ殺人犯に犯されてしまった女流作家は、その犯罪が最初から仕組まれたものだったことを知り、犯人一味への復讐を決意する。スティーヴン・キングのミステリー小説を映像化した2014年のテレビ映画。
映画『ビッグ・ドライバー』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:ミステリー、サスペンス
監督:ミカエル・サロモン
キャスト:マリア・ベロ、オリンピア・デュカキス、ジョーン・ジェット、アン・ダウド etc
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映画『ビッグ・ドライバー』の登場人物(キャスト)
- テス(マリア・ベロ)
- 女流ミステリー作家。「編み物クラブ」シリーズというミステリー小説で人気を博し、作家として成功している。プライベートは孤独で、隣人のペッツィ以外に親しい友人はいない。その代わり、カーナビのトムや空想の人物のドリーンと対話をしている。
- ドリーン(オリンピア・デュカキス)
- テスの小説「編み物クラブ」の主人公。時々テスの前に現れて、彼女に話しかけてくる。テスの別人格とも言える老婦人。
- べッツィ(ジョーン・ジェット)
- テスの隣人。テスとはかなり親しく、留守中の家にも入れる仲。ペットの犬を可愛がっている。
- ラモーナ(アン・ダウド)
- 図書館の理事長。テスに講演会を依頼し、図書館からテスの自宅までの近道を教える。
映画『ビッグ・ドライバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ビッグ・ドライバー』のあらすじ【起】
女流ミステリー作家のテス・ソーンは、編み物好きな老女が事件を解決する「編み物クラブ」シリーズで人気を博している。今日は遠方の図書館から講演会の依頼があり、隣人のペッツィとテレビ電話で話をしながら慌ただしく準備をして、車で出かける。
テスの愛車のプリウスには、「トム」と名付けた新型のカーナビを搭載しており、テスはトムのナビに従って目的地を目指す。テスは日常的に、トムや小説の登場人物であるドリーンと会話をする癖があった。作家のテスには、ドリーンの姿がはっきりと見えるのだった。
図書館の駐車場に到着してすぐ、理事長のラモーナという女性がテスに近づいてくる。彼女は「編み物クラブ」の大ファンだと語り、帰りはいい近道を教えると約束してくれる。
講演会は大好評で終わり、テスはラモーナから講演料の小切手を受け取る。ラモーナは約束通り、森の中を抜ける近道を教えてくれる。
トムにもそのルートを設定し、テスはラモーナの教えてくれた道を走る。途中までは順調だったが、森を抜ける道で釘の刺さった木材を踏み、タイヤがパンクしてしまう。車が停車した場所には、廃墟と化した酒場があった。トムは「ここを去るべきです」忠告するが、携帯の電波も届かないため、テスは通りがかりの車に助けを求める。
止まってくれたのは、軽トラックを運転する巨体の男で、快くタイヤの交換を引き受けてくれる。しかし安心したのも束の間、テスは彼のトラックの荷台に釘の刺さった木材が積んであるのを見てしまう。そして男は態度を豹変させ、テスを殴って気絶させる。
映画『ビッグ・ドライバー』のあらすじ【承】
男はテスを廃墟へ連れ込み、執拗にレイプを繰り返す。テスは男の手を噛んで抵抗するが、さらに酷い暴力を受け、再び気を失う。満足した男は、テスを担いで森へ運び、川に浮かべる。そこでテスが意識を取り戻さないことを確認し、死んだと判断して水道管の中に放置する。
しかしテスは死んでおらず、水道管の中で意識を取り戻す。テスの周囲には、同じ目にあってここに捨てられた女性たちの遺体が転がっていた。テスはあまりのショックで正気を失いかけていたが、なんとか水道管から脱出して、傷だらけで歩き始める。
テスはあの男が追ってくるかもしれないという恐怖に怯えながら、コールウィッチという荒んだ集落にたどり着く。そこの雑貨屋のトイレで、初めて自分の顔を見たテスは、ひどい傷に驚く。それでも何とか現状を整理し、店から自宅に電話をかけ、留守番電話に覚えている範囲で何があったのかを吹き込んでおく。本来なら警察に連絡すべきだが、テスはこの出来事が世間に知られることを恐れ、リムジンタクシーを呼んで家に帰る。
自宅へ戻ったテスは、家の安全を確認し、以前購入していた銃を手元に置く。それからシャワーを浴びて身体中をくまなく洗い、自分で傷の手当てをする。作家としてスランプ気味だったテスは、レイプの被害者であることを公表したら、世間はそれを売名行為と受け止めるはずだと考えていた。しかしこのまま泣き寝入りする気にもなれず、自分はどうするべきかを考え始める。
映画『ビッグ・ドライバー』のあらすじ【転】
翌日、傷を見て心配するペッツィにも、テスは「階段から落ちた」と嘘を突き通す。ちょうど電話がかかってきたので、テスはペッツィに帰ってもらう。
電話の相手は、コールウィッチにある酒場の女主人で、店の駐車場にテスのプリウスが置いてあるので取りにきて欲しいとのことだった。テスは銃を持って、その酒場へ向かう。
女主人は、テスが車の持ち主であることを確認し、車のキーを返してくれる。女主人がいい人そうだと判断したテスは、この近くで恋人に暴力を振るわれているところを巨体の男が助けてくれたので、その人にお礼がしたいのだと作り話をする。女主人は、町でその男を見かけたら連絡をすると約束してくれる。女主人は、自分も12歳の時に継父に暴行されて左目を失ったのだとテスに語る。
ドリーンは、全ては誰かが仕組んだことではないかと言い始める。テスは、自分に近道を教えたラモーナを疑い、彼女のことを調べる。すると、彼女の夫が数年前に謎の突然死をしており、原因は長男がらみのトラブルではないかと言われていることがわかる。テスは、あの巨体の男が、ラモーナの息子ではないかと推理する。
テスは復讐を決意し、銃を持ってラモーナの自宅へ行ってみる。もし彼女が事件に関与していれば、死んだはずの自分を見て驚くはずだ。テスは完全犯罪を成立させるため、誰にも見つからないよう家を出る。
突然訪ねてきたテスを見て、ラモーナは明らかに動揺する。テスは彼女に銃口を向け、真実を白状するよう迫る。ラモーナは自分と息子の関与を否定し、テスの銃を奪って彼女を撃つ。しかし銃に弾は入っておらず、テスに反撃される。テスはラモーナの腹を包丁で刺し、銃で頭を撃ち抜いて殺害する。
映画『ビッグ・ドライバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ラモーナの家には、あの時奪われたテスのイヤリングや巨体の男の写真があり、彼女があの男の母親であることは間違いなかった。ラモーナは息子の欲望を満たすため、めぼしい女を見つけるとあの道を通らせ、息子の獲物にしていたのだ。
テスは近所のスタンドを見張り、あの男が現れるのを待つ。予想通り男はトラックで現れ、テスはそのトラックに書かれた住所から、男の家をつきとめる。
男の家へ向かう途中、トラックの駐車場を見つけたテスは、車を降りてそこで待ち伏せする。しばらくすると、1台のトラックがやってくる。テスは銃を構え、トラックから降りてきた男を撃つ。しかしテスが撃ち殺したのはあの巨体の男の弟だった。テスは無実の人を殺してしまったことにショックを受けるが、そのまま復讐を続行する。
テスは巨体の男の家に忍び込む。家の中には、男がレイプして殺害した女性たちの写真が飾られており、テスのレイプ写真もプリントされていた。そして先ほど射殺してしまった弟も、レイプ殺人の共犯者だったことがわかる。
男はガレージにいた。テスは背後から男に近寄り、男の腹と足を撃つ。しかし銃弾が2発しか入っておらず、男に反撃されそうになる。テスは釘の刺さった木材を男の頭に突き刺し、改めて銃に弾を込め、男の股間を撃ち抜いてトドメを刺す。
テスは素早くその場から逃走し、レイプ現場に落としていた携帯を拾いにいく。そして銃と携帯を水の底に沈め、自分のレイプ写真も燃やし、全ての証拠を隠滅する。水道管に放置された被害者たちのことは、後日匿名で警察に通報する。これにより、巨体の男が連続レイプ殺人犯であることが明るみになる。
復讐をやり遂げたテスは、もとの生活を取り戻し、新作を書き始める。そんなテスに「テス、やるじゃない」と、謎の女性から電話がある。テスは一瞬パッツィと勘違いするが、声の主はあの酒場の女主人らしかった。彼女は最初から全てお見通しで、テスの復讐に期待していたのだろう。
みんなの感想・レビュー
ネトフリで視聴。
最後の電話が誰かわからなかったのですが、知ることができました。
ありがとうございます。名前も忘れちゃってたので宿のシーンを見直しました^^;
捜査の視点を変えるべきだと思う、法医学から心理学へと。犯罪者から加害者へと。
論理では推理が行き詰まる。
感情が行動を決める。それがわからなければ、なぜ、人が不可解な行動を取るのか、理解できない。
論理から解放されたとき、人間は本能で行動する。
このセリフは、胸に深く響いた。
前半部分はどう展開していくかで期待感が膨らむが、淡々とした流れになっているので、思いがけず緊張感がない映画になっている。
よく言うとやんわり見る事の出来るミステリーである。
どうしても小説の熟した感じが映像では出せなかった部分がある。
文字から映像にすると、この作品の場合淡々と進み、あまり緊張感が無い。
落ち着いて観られるミステリーと言う分には良いが、本格的なスリルと侵食してくる様な恐怖感を求めている人にはお勧め出来ない。
犯人に予想が付く事と、あまり泥臭い内容ではない為、あっさりした味の映画と言える。
犯人のヒントをつかみ、追い詰め、殺していくまでが何だか筋書き通りに進みすぎる感があるのだ。
逆にあまり悲壮感が少なく、冒頭の華やかな講演風景ではファンとの会話が面白いので、のんびり観たい気分の人にはお勧め。
一番のポイントは、彼女の無意識とも言える潜在意識たちの語りかけを具現化した描き方。
カーナビや年配の女性の姿で彼女の身を案じるのが面白いし、ラストの編み物サロンもポイントとなっている。
全体的に穏やかなミステリーで淡々と進む為、穏やかに観る事が出来る作品と言える。
先程WOWOWで鑑賞しました。
主人公の年齢ですが、これ位の方が加害者男の異常性が際立ちリアリティーが有ると思いました。
実際米国のレイプ殺人は被害者が若者から年配まで及ぶケースが多いそうですし
全米でそこそこ著名な小説家であればキャリア的にも丁度良い年齢ではないかなぁと思いました。
個人的にはラスト、ベッツィーからの電話での一言で閉められたのが良かったです。