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映画『鈴木先生』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『鈴木先生』の概要:武富健治のマンガを原作に、長谷川博己を主演にしたドラマ「鈴木先生」の映画化作品。生徒会選挙で起こる騒動と、挫折を味わった優等生の卒業生が起こす立てこもり事件を描いた。

映画『鈴木先生』の作品情報

鈴木先生

製作年:2012年
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、青春
監督:河合勇人
キャスト:長谷川博己、臼田あさ美、土屋太鳳、北村匠海 etc

映画『鈴木先生』の登場人物(キャスト)

鈴木先生(長谷川博己)
中学校2年A組の担任教師。担当は国語。黒縁メガネとループタイが特徴的。鈴木式教育メゾットを試しているが、ファイナルファクターとしての役割を持つ生徒、小川蘇美に対しての性的な妄想に取り付かれるという“小川病”に罹っていたことがある。トラブルになった足子先生に恨まれていると思い、怯えている。
鈴木麻美(臼井あさ美)
鈴木先生とできちゃった結婚をした女性。現在、妊娠中。生霊を飛ばすことができる特殊能力のせいで、“小川病”に罹った鈴木先生の妄想を感じ取ることが出来てしまう。
小川蘇美(土屋太鳳)
2年A組の女子生徒で優等生。神秘的な魅力を持っていて、男子生徒がこっそりファンクラブを作るほど人気がある。クラスメイトの中村と、特に仲が良い。
勝野ユウジ(風間俊介)
中学の卒業生。中学生時代は優等生だったが、現在は無職。家の中にも居場所が無い。引きこもりの親友が母親に怪我を負わせるという事件を起こし、時間を潰していた公園からも追い出され、事件を起こす。
足子先生(富田靖子)
ベテランの女性教師。担当は家庭科。鈴木先生との教育方針の違いから、鈴木先生を敵視した行動がエスカレートしてしまい、心を病んで自宅療養していた。独善的な部分があるが、生徒思いの教師ではある。鈴木先生の存在は記憶から抹消してしまった様子で、認識する気は無いと思われる。

映画『鈴木先生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『鈴木先生』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『鈴木先生』のあらすじ【起】

生霊を飛ばすことが出来る能力を持つ麻美と、できちゃった結婚をした鈴木先生。
しかし鈴木先生は、克服したはずの“小川病”が再発。
家庭と身重の妻を守るため、一刻も早い“小川病”克服を心に誓った。

鈴木先生が担任をしている2年A組では、生徒会選挙への立候補者選びをしていた。
中村が生徒会長に、中村の誘いで小川が書記に立候補することが決まる。
男子生徒の藤山も副会長に立候補するが、出水や岬といった友人たちは藤山を“裏切り者”と呼び、仲違いしてしまう。

B組の平良の才能を見出し、無理やり立候補させた鈴木先生は、一部の生徒から反感を買う。

そんな時、鈴木先生を敵視した挙句、心を病んで自宅療養していた足子先生が復帰。
足子先生は、鈴木先生の存在を記憶の中から抹消してしまった。

生徒会選挙の投票率の悪さを問題視する足子先生は、記名投票制度の導入を提案。
鈴木先生は、グレーゾーンが必要だと考えてはいたが、代案も無いことから賛成した。

文化祭に向けて、演劇の練習に熱中する竹地たち生徒。
しかし、練習場所の公園には不審な男性がいた。

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映画『鈴木先生』のあらすじ【承】

突然、男子生徒の出水が生徒会長に立候補すると宣言。
岬が応援責任者になった。
鈴木先生は、出水や岬の思惑が気になって仕方が無い。

公園で喫煙する男性たちを不審に思う竹地たちは、鈴木先生に相談。
それを聞いた足子先生は、公園の喫煙所を撤去すべきだと主張。
鈴木先生の存在を無視し続ける足子先生には、B組担任の桃井先生たちがフォローを入れる。
鈴木先生も、練習に付き添うなどして、喫煙所にいる近所の青年たちの様子を見ていた。

しかしその後、小学生の女の子が公園でイタズラされたというニュースが流れる。
公園の喫煙所は撤去される事になった。

出水たちの思惑がわからないまま、生徒会選挙の演説会が始まった。
小川、平良、中村の演説が無事終わっていき、出水の番がやってきた。

出水は、選挙制度の改善という公約を建前に話始める。
小学校の時に、記名投票が実行されて生徒会長に落選した親友と、会長になった子役をしていた生徒がいた。
それ以来、抗議運動として投票せずにいた。
投票を拒否する権利が欲しい、というのが出水の主張だった。

言い負かされた足子先生の中で、出水と岬は抹消されてしまった。
平良は、選挙に出たことで成長できた実感を得ていた。

映画『鈴木先生』のあらすじ【転】

8年前の卒業生、田辺満が、家庭内暴力事件を起こす。
引きこもりになった満は、公園の喫煙所で親友のユウジと会っていたが、逃げ場を失って追い詰められて事件を起こしたのだった。
その勝野ユウジも、追い詰められていた。
中学までやって来たユウジに、丁寧に挨拶をした小川。

満のことを麻美に話した小川先生。
悪い夢を見た麻美は、嫌な予感に苛まれていた。

その日の5時間目は、選挙の投票だった。
勝野ユウジは、中学時代の制服を着て中学校に入り込んだ。
小川を探して2年A組にやって来たユウジは、人質を取って立てこもる。
投票に来ない中村たちを呼びに来た小川は、ユウジからレイプ宣言を受ける。

様子を見に来た鈴木先生は、異変に気付く。
ユウジを説得しようとする鈴木先生。

ユウジと満は、中学では先生に好かれる優等生だった。
しかし社会に出てからは、不良たちばかりが出世し、ユウジや満といった優等生は淘汰されていった。
そんな優等生を救うため、今のうちに汚してあげるのがいいと訴えるユウジ。
手のかからない優等生の、心の犠牲の上に成り立っている学校教育を変えるという目標を持つ鈴木先生は、必死にユウジに話しかける。

映画『鈴木先生』の結末・ラスト(ネタバレ)

一度は説得に応じたかに見えたユウジだったが、隠し持っていたスタンガンで鈴木先生を気絶させ、怪我を負わせた。
そして小川を連れて、屋上へ向かう。
中村たちは他の教師を呼びに行き、一部の生徒は屋上に集まった。
しかし、騒ぐこともしない生徒たちを不気味に思い、泣きもしない小川に違和感を覚えるユウジ。
小川は、勇敢な自分を演じているだけだと言い、ユウジには、壊れた自分を演じているだけなのではないか、と言う。

鎌を片手に、小川に襲い掛かるユウジ。
足子先生が止めに入り、護身術を習っている小川はユウジを蹴り倒そうとした。
しかしユウジは逆上し、小川に切りかかる。

小川は首元を切りつけられるが、別の校舎の屋上から鈴木先生が小川を呼ぶ。
小川は鈴木先生の元へ飛んだ。

小川の傷は深くはなかったが、病院に運ばれることになった。
連行されるユウジに、それでも希望を捨てないように声をかける鈴木先生。
足子先生にお礼を言った鈴木先生は、足子先生に存在を認識された。

生徒会選挙の投票結果、出水は生徒会長になった。
副会長は平良、書記には小川が当選した。
立候補した責任を取るよう言われた出水は、生徒会長を引き受ける事にした。

映画『鈴木先生』の感想・評価・レビュー

問題提起が独特で、ドラマも興味津々で見ていた作品だ。
学園物の王道として、金八先生は生徒に個性があり、GTOは教師が異端だったが、この作品は生徒も教師も強烈な個性を有す。
中でもカーベちゃんや学級委員長は異彩を放っている。
他の作品ではほとんど目にすることのない役者を多用しているのも、役者のカラーが前面に出ていなくて良いと思う。
普通のクラスで起こりうる問題を、より本物らしく演出しているところに、この作品の価値があると思う。(女性 30代)


連続ドラマから続く内容で映画も始まります。
間違いなく連続ドラマから観ることをお勧めします。
多分、連続ドラマを観てない人が映画を観たいと思わないと思いますが…

内容はというと、映画だからか警察が出てきちゃうような大事件が起きてしまいます。
教室の中で起きる大問題を扱った鈴木式教育メゾットファンからするといきなり話が大きくなり過ぎて残念です。
個人的にはもうひとりの主役と言っても過言ではない足子先生、今回も正論を撒き散らしますよ。(女性 40代)


映画ではなく連続ドラマで光るような作品なのだと思う。
映画だからとテーマを拡大してしまうと、「鈴木先生」の良さが減ってしまうように感じた。なのでテレビシリーズほどの感動はなかった。浅く感じてしまう場面もあり、テレビドラマに収めておけばよかったのにと思う。
作品全体のシリアスな雰囲気は好きだ。学園ドラマというと、青春や熱血といった言葉が浮かんでくるが、鈴木先生は一風変わっている。その独創性はとても面白い。
長谷川博己の演技は安定して良かった。この人は下手な瞬間が一度もない。安心して観ていられる役者だと思う。(男性 20代)


ドラマから続く作品だと知らずに、今作だけ鑑賞しましたがドラマ版の評価はかなり高かったようなので期待していました。正直、私は鈴木先生の言葉や考え方に一切共感できず不快に思うシーンさえありました。
生徒に勉強だけでなく、今後の人生に役立つことを教えるのは確かに大切だと思いますが、先生の個性が強すぎてこういう先生を100%信頼するのは無理だろうと感じてしまいました。
ドラマ版を見ていると感じ方も変わるかなと思うので、ドラマ版も鑑賞してみようと思います。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ドラマシリーズからそうだったが、『鈴木先生』でテーマとなる学校の問題は、なにも当事者である中学生たちに限った問題ではない。「学校は社会の縮図」というが、まさにその通りで、問題の大小はあれども、どこでも起きるようなことを扱っている。
    今回の生徒会選挙がその最たるものだろう。有効投票率を上げるために、記名投票にすると生徒を脅して選挙を実施する。教師たちは相手が子供だと思って無意識に舐めてかかっているが、同じことが衆議院選挙などで起こったらどうか。考えられないことである。人には投票する権利があるが、同様に投票しない権利もある。そのことに気付き、冷静に、そしてルールに則り意見を述べたのは他でもない、生徒である。
    教師は問題を未然に防ぐためにそれが正しいことと信じて生徒を誘導するが、大人も間違うことがあると子供に気付かされた一例である。

  2. 匿名 より:

    この劇場版で大きなテーマとなるのは、「生徒会選挙」と「勝野立て籠もり事件」である。今いる生徒と、卒業生による別々の問題。この二つをまとめているのが、鈴木先生が抱える「鈴木メソッド」への疑問であろう。
    その構成は良かったと思うが、選挙と事件の二つを並行して描く必要があったのか、疑問が残る。劇場版ではなく、スペシャルドラマにすればそれぞれの問題をより丁寧に見せることができたのではないだろうか。両方とも時間をかけて描いてもいいテーマだったと思う。

  3. 匿名 より:

    ドラマシリーズからの映画化ということで、映画から入った人にはわかりにくいのかと思うが、序盤でシリーズの世界観は説明されるので問題ない。
    しかしその分、大きなテーマの二つが詰め込み気味になった感じは否めない。ただ、さすが古沢良太の脚本だけあって、まとめ方はうまかった。ドラマシリーズでは完璧に思われた「鈴木メソッド」だが、この劇場版では二つの問題を扱いつつ、鈴木先生が今まで実践してきた理論が本当に正しいといえるか自問自答する。
    学校で起きる問題は、誰が正しい・間違っているとは判断しにくい。それは今まで良い面ばかりが強調されていた鈴木先生の教育理論でも同じで、どんなことも白か黒か二択では測り切れないことを考えさせられた。